YOUTH

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ちかたを言う
by Samuel Ullman

3月の読書メーター 読んだ本の数:8

2023年04月05日 | Weblog

今年も桜の季節が巡ってきました。
この写真は夕方の土浦市立真鍋小学校の校庭に咲く「真鍋のさくら」です。


吼えろ道真 大宰府の詩 (集英社文庫)吼えろ道真 大宰府の詩 (集英社文庫)感想
シリーズ2作目だったとは。どおりで登場人物の関係がつかみにくくて苦労した。もともとはWeb集英社文庫に掲載されていたものらしい。竹田氏の解説が素晴らしい。ネットで道真公の画像を検索したが、たしかに「しなびた棗」のようなものは見られなかった。ついでに漢詩も検索してみた。去年今夜侍清涼、秋思詩篇獨斷腸、恩賜御衣今在此、捧持毎日拜餘香。ここに出てくる「秋思」もネットに解説があった。天神様のお陰で色々と勉強になった。が、この作品とはずいぶん違った印象だ。さすがは澤田瞳子というべきだろう。
読了日:03月31日 著者:澤田 瞳子


ヴィンテージ・ピアニストの魅力ヴィンテージ・ピアニストの魅力感想
青柳いづみこ氏は2023年3月に放映された「おんがく交差点」で知った。小朝が「ドビュッシー」と言っても終始「ドゥビュッシー」と発音していて楽しかった。そんな氏の著作である。「ヴィンテージ」とはまた、と思いながらページを開くと、出てくるピアニストはほとんどが私より年長でありながら演奏活動を続けているようだ。著者はこれらのピアニストの実演に触れて、その演奏で感じたことをピアニストの目線で語ってくれている。私には聴き取れない演奏の機微をだ。彼らのyoutube動画にも言及しており、その守備範囲の広さに驚嘆した。
読了日:03月24日 著者:青柳 いづみこ


絢爛たるグランドセーヌ 22 (22) (チャンピオンREDコミックス)絢爛たるグランドセーヌ 22 (22) (チャンピオンREDコミックス)感想
奏は、アイリッシュ・ダンス、パエトーン、ENCOUNTER、ラ・フィーユ・マル・ガルデ、デフィレと5つの作品を踊るのだが・・・。役の解釈や足首の負傷で、今後も留学が続けられるのかと不安に陥る。
読了日:03月20日 著者:Cuvie


本日は、お日柄もよく (徳間文庫)本日は、お日柄もよく (徳間文庫)感想
原田マハの2010年に刊行された作品。それから13年、政治体制は代わり一国の元首相が暗殺される時代に入った。しかし、愛する二人が結婚する機会や出産、入学、卒業などお祝いの場は(コロナの影響下でも)限りなく続いている。そのたびに放たれるスピーチの内容は本作品の「スピーチの極意十箇条」にのとっているはずだ。言葉は「ことだま」だと言う記述を散見するが、それを表現できる日本語の豊富な語彙を、私は未だに活かしきれていないように感じている。これからも研鑽を深めてまいりたいものだ。
読了日:03月20日 著者:原田マハ


BUTTERBUTTER感想
首都圏連続不審死事件をヒントにした作品のようだ。しかし、被疑者の梶井真奈子の生き方に主眼が置かれているため、ドロドロ感は少なくすんなりと読むことができた。梶井の少女時代からの生活を追う主人公の記者、町田里佳も自身の生き方を友人のそれもあわせて振り返り見直すことになる。その濃密な内容はタイトルでもある「バター」によく寄り添っている。学生時代に初めて口にしたバターを載せた塩ラーメンの濃厚な風味が思い出された。ターキーの丸焼き、食べてみたいものだ。
読了日:03月18日 著者:柚木 麻子


本と鍵の季節本と鍵の季節感想
高校生ならある程度時間が自由になるので、登場人物として都合が良いのかもしれない。どちらがワトソンでどちらがホームズなのかはっきりしないまま読み勧めた。学校の図書委員の二人がさり気ない日常(そんなはずはないのだが)の中で、【謎】を解決していく。淡々としているが目を離せないまま、本を手に夜更かししてしまうのはいつもの事だ。第5話だけが名前の由来やら生い立ちなどを解明する過程で、私を緊張で包みこんだ。うん、やっぱり面白い作品だ。
読了日:03月13日 著者:米澤 穂信


プラハのショパン (フィクションの楽しみ)プラハのショパン (フィクションの楽しみ)感想
「ショパン」で検索したらヒットした作品。チェコの政治史を知らないのでややこしく感じた。共産党による党員の粛清や非共産党員の排除などの時代の生活が、現在の生活と比較されながら出てくる。主題はショパンの亡霊が老女の体を借りて未発表の作品を世に送り出す事の真相を突き止める記者の動きである。記者はこの老女にあの佐村河内守を重ね、詐欺ではないかと裏を暴こうと動くのだが・・・。作者のファーユは「あの世」「異界」界隈のテーマを描く作家のようだ。三途の川という境界とともに、西側と東側の境界までも描いた作品だった。
読了日:03月09日 著者:エリック・ファーユ


闘え! ミス・パーフェクト闘え! ミス・パーフェクト感想
スーパーヒロイン第2弾。完全無欠のようだが、今回はちょっと弱気を見せる場面も表現される。しかしながら次々と課題を解決していくアイデアを生み出す作家の頭はどうなっているのか、とても興味が惹かれる。第1話で出てくるやりての女性コンサルタントが競合だったのに、第3話では味方となって動き出す。そんな仕掛けも面白かった。父親の妻、腹違いの妹の名前が明らかにされ、警備の城島の娘愛梨の動きも活発に表現されるようになった。そして思わせぶりな終わり方。つづきは「ミズ・パーフェクト」なのか?
読了日:03月03日 著者:横関 大

読書メーター


福島県二本松市、国道4号線安達太良道の駅(下り)にある万燈桜

 

 

 

 

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