YOUTH

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ちかたを言う
by Samuel Ullman

5月の読書メーター  読んだ本の数:18

2023年06月02日 | Weblog

土浦市の霞ヶ浦総合公園

 

読んだ本の数:18
読んだページ数:6146

佐伯泰英氏の文庫は文字が大きいので冊数が進む。「空也」シリーズが完了となったので、慌てて読み進めた。



うさぎパン (幻冬舎文庫)うさぎパン (幻冬舎文庫)感想
「うさぎパン」をググってみたらたくさんの画像が出てきてびっくり。パンについては普段バゲットしか食べないので驚いた。高校一年生の少女の甘酸っぱい日常が描かれていた。多様性を求める社会に迎合しているのか、背景に描かれている不倫夫婦の事情などはこの内容に必要だったのだろうか。また、博士課程の学生による家庭教師代ってどのくらいかかるのか、下世話ながら心配になった。とはいえ、心温まる青春小説でありました。
読了日:05月31日 著者:瀧羽 麻子


ハローサヨコ、きみの技術に敬服するよ (集英社文庫)ハローサヨコ、きみの技術に敬服するよ (集英社文庫)感想
若きハッカーの活躍に、青春ドラマを編み込んだ作品。中学生からPCをいじり、色々なサーバに侵入するようになった小夜子と幼馴染の山田誠。この二人が友人のネットでのいじめや中傷などの困りごとを解決しているのだが、やっていることは犯罪である。いまはIDの開示を請求するのも昔よりは容易になったとはいえ、色々手続きが大変なのだ。後半で誠が自分で小夜子のID申請をする場面があるが、なるほど、これで直接の本人特定を回避するという狙いがあったのだと、後で気づいた。青春とハックのどちらとも言えぬ天秤のフレがもどかしい。
読了日:05月29日 著者:瀧羽 麻子


オニキスII ―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子― (新潮文庫nex)オニキスII ―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子― (新潮文庫nex)感想
皇室と英国王室との姻戚関係は前作のとおりなのだが、ロシアのロマノフ王朝が出てくるとはねぇ。続編を書くのは大変なのだろう。主人公の金遣いはだいぶ荒くなったが、内容をつまらなく感じてしまった。英国風の言葉遣いは相変わらず気品に満ちていて、好感が持てた。
読了日:05月28日 著者:古野 まほろ


オニキス -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子ー (新潮文庫nex)オニキス -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子ー (新潮文庫nex)感想
奇想天外、斬新奇抜な物語。現在の首都は中京都、総理大臣は上原英子、検事総長は法円坂宮妃行子、そしてその娘は秘書官でもある法円坂直子検事、そして主役は・・・読んでください。女性が大活躍なのだ。作家、古野まほろの略歴を読んで驚いた。警察大学校で主任教授を務めていたのだとは。ティルトローター機を自家用として使うアイデアは、空飛ぶタクシーが実現しそうなこともあって、その先見性に脱帽である。
読了日:05月25日 著者:古野 まほろ


中国人という者、私という者、日本人という者中国人という者、私という者、日本人という者感想
つくば市に北方園という中華料理店がある。筑波大で打ち合わせのときなどに、よく弁当の配達をお願いしている。そこの主人の著書である。凄まじい中国国内での生活を淡々と記しているが、恐ろしい内容だ。日本に差別があるのは自由だからだという。また、中国、北朝鮮、韓国が嘘にまみれた歴史を事実のように言うのは、文字を失い、遡って調べることができないからだという。中国では漢字を大幅に簡略化し、朝鮮半島でもハングルにこだわり、元の漢字を読めなくなったのだと。今後我々日本人は三国とどのように付き合って行くのだろうか。
読了日:05月23日 著者:北方園のオヤジ


荒ぶるや 空也十番勝負(九) (文春文庫 さ 63-171)荒ぶるや 空也十番勝負(九) (文春文庫 さ 63-171)感想
京都に現れた空也が訪れた祇園感神院、神仏習合時代の八坂神社のことだったのか。時代小説家は調べることが色々とたくさんありそうだ。そして空也が武蔵坊として舞台に立つ。いやはや、パーソナリティー急転だ。そして和歌山に向かうのかと思えば若狭だと?そして九番勝負は琵琶湖の竹生島がその舞台となった。
読了日:05月22日 著者:佐伯 泰英


名乗らじ 空也十番勝負(八) (文春文庫 さ 63-170)名乗らじ 空也十番勝負(八) (文春文庫 さ 63-170)感想
萩から広島に来た空也は間宮一刀流の道場に世話になることになった。そしてもうひとりの武者修行の若者、彦次郎はこの間宮道場に関わりのある者であった。一方、霧子らは姥捨の里に。
読了日:05月22日 著者:佐伯 泰英


風に訊け 空也十番勝負(七) (文春文庫 さ 63-169)風に訊け 空也十番勝負(七) (文春文庫 さ 63-169)感想
前巻で福江島から萩に渡った先の物語。冒頭から次の対決を思わせる人物が登場だ。しかし本巻の相手は東郷四方之助。萩藩における不正を正した空也は何処へとまいるのだろうか。
読了日:05月20日 著者:佐伯 泰英


異変ありや 空也十番勝負(六) (文春文庫 さ 63-168 空也十番勝負 6)異変ありや 空也十番勝負(六) (文春文庫 さ 63-168 空也十番勝負 6)感想
冒頭の人物紹介に出てこない「高木麻衣」。名字を持った女性なんてすごいことだ。長崎会所の町年寄「高木籐左衛門」の姪のようだ。wikiにも出ていない(笑)。この人物に命を助けられた上にピストルまで渡されて上海の外灘にまで行ってしまった。これもまた新たな冒険なのだ。
読了日:05月18日 著者:佐伯 泰英


江戸の夢びらき江戸の夢びらき感想
初代市川團十郎とその仲間、子どもたちの活躍と苦悩を妻目線で描いた作品。荒唐無稽な「あらごと」を始めた團十郎の役作りに興味が惹かれるところだが、松井さんは武士の娘恵衣を通して舞台の凄さ、息子をなくした悲しみ、逆恨みによる殺人、自然災害、為政者による不当な締付けなどを当事者目線で淡々と描いている。題名は最終章のそれをそのまま使っている。そこで息子の二代目團十郎が開花するのだ。
読了日:05月18日 著者:松井 今朝子


セクシャル・ルールズセクシャル・ルールズ感想
本書を読み終えて「妻の終活」は序章に過ぎなかったと感じた。子育てという業務がいかに大変かは理解していたつもりだが、結果的にはすべて妻に依存していた私には発するべき言葉が見つからない。夫のサイド、妻のサイドからの日常がとても良く描けていたと思う。ニューファミリーという親子4人の世帯がもてはやされた頃に生まれたこの坂井希久子と言う作家、これからの作品にも注目したい。
読了日:05月15日 著者:坂井 希久子


おもみいたしますおもみいたします感想
「あやかし小説」でググるとたくさんの書名がヒットする。もはや小説の一ジャンルであるらしい。さて、本書の主人公は盲目で評判の揉み師である少女お梅。その評判はといえば、お昌というマネージャーとお筆というディレクターがついているくらいである。そこに岡っ引きである相生町の仙五郎が加わり、新たなシリーズが始まる予感がする。お梅が盲いたきっかけが最終章「跋」で記されている。今回はある殺人事件を紐解いていったら、連続殺人の意外な犯人をあらわにしてしまったという内容であった。
読了日:05月15日 著者:あさのあつこ


朝星夜星朝星夜星感想
料理人にして起業家だという草野丈吉の名をはじめて目にした。「自由亭ホテル」も聞いたことがなかった。読み始めは恵まれぬ女性の生涯を描いているのかと思ったくらいだ。この丈吉をささえたのが本書の主人公「ゆき」だそうだ。グッド・バイの大浦慶とどこか同じ匂いがする。五代友厚が登場した辺りから、ストーリーが私の知る歴史と重なり始めた。さらに陸奥宗光、後藤象二郎、岩崎弥太郎ら明治の重鎮が登場するに至り、読むのが楽しくなった。そして外国との不平等条約のあり様に怒りを込めるのはゆきであるのか、それとも作者であるのだろうか。
読了日:05月13日 著者:朝井 まかて


ありんす国の料理人 1 (講談社文庫)ありんす国の料理人 1 (講談社文庫)感想
著者紹介文を見ると「多くの文献にあたって時代考証を重ね」とある。魑魅魍魎の跋扈する苦界吉原を、これほど明るく楽しく描いた作品には未だ出会ったことがなかった。この辺はコミック原作者としての腕なのだろう。花魁の衣装で料理は流石に無理だろうが、外八文字で行列するくらいなら可能かもしれない。殺伐とした場面が皆無で、心乱されることなく読み終えることができた。
読了日:05月10日 著者:神楽坂 淳


インデックス (光文社文庫)インデックス (光文社文庫)感想
「また姫川玲子か」と思いながらもどんどんページを捲ってしまう自分に驚く始末だ。8篇中3番めの「彼女のいたカフェ」はちょっと視点が変わっていてほのぼのとしており面白かった。一方で最後の「闇の色」は暗くて陰鬱で悲しかった。
読了日:05月09日 著者:誉田 哲也


祝祭のハングマン祝祭のハングマン感想
昨日誉田哲也著「ブルーマーダー」を読み終えたのだが、正義の鉄槌を下したのは元警察官だった。こちらもテーマが同じ「正義」で、元警察官、現職警察官と天才ハッカーという組み合わせで驚いた。また決行場面を読んでいる時には「藤枝梅安」を思い出すに至った。このような殺人を含む殺伐としたストーリーにはできるだけ触れないようにしてきたのだが、エンターテインメントとしてのこの作品を外すことは誰にもできないのではないだろうか。お天気がいいのに外出もせず一気に読了。
読了日:05月06日 著者:中山 七里


ブルーマーダー (光文社文庫)ブルーマーダー (光文社文庫)感想
シリーズ第5弾。とても面白かった。現実にはないであろうシチュエーションに、現存する小物のフレーズを散りばめているからだろう。鎖骨を折ると腕が使えないという発想。いやはや。骨を砕きまくれば人もボストンバッグに入るというものすごい話も、あまり残忍さを感じないで済んだのは「正義」という設定によるものだろうか。日本は法治国家なのでこんな事は起きないだろうが、法を悪用する輩は色々いるわけで、このような命題が高評価を受ける礎になっているのではないだろうか。まだ続きがあるようなので楽しみだ。
読了日:05月05日 著者:誉田 哲也


インビジブルレイン (光文社文庫)インビジブルレイン (光文社文庫)感想
読み終えて知ったのだが、ドラマ化され映画にもなった作品のようだ。AMAZON PRIME VIDEOで観てみようと思う。そのくらいエンターテインメント作品として素晴らしいのだ。前作から続く組織内の抗争、反社組織。しかしいずれにしても人間なのだ。理性と感情が対立したとき、バランスはどちらに傾くのだろうか。
読了日:05月04日 著者:誉田哲也

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