YOUTH

青春とは人生のある期間ではなく 心の持ちかたを言う
by Samuel Ullman

2月の読書メーター 読んだ本の数:9  読んだページ数:2874

2023年03月03日 | Weblog

2月22日に茨城県フラワーパークで今年最初の河津桜にあってきました。




競争の番人 内偵の王子競争の番人 内偵の王子感想
「反社会的勢力」と表現せず「暴力団」と記述している辺り、ちょっと昭和を感じる。そんな組織とは交差することのない私の人生だが、「暴力団」根絶というのは大変なんだろう。各都道府県には「暴力団排除条例」というのがあるくらいだ。さて白熊楓嬢、今回は福岡で大暴れする。といっても相変わらず煮えきらないような感じのままなのだ。その点、小勝負勉くんの切れること。公正取引員会を舞台にしたシリーズ第2弾なのである。
読了日:02月25日 著者:新川 帆立


ザ・クイーン エリザベス女王とイギリスが歩んだ一〇〇年ザ・クイーン エリザベス女王とイギリスが歩んだ一〇〇年感想
ペーパーバックで580頁余というとてつもない長編だ。2022年9月に亡くなる前に書かれた本だが、優れた点も弱点も見事に描き出した一冊だった。訳者あとがきでも触れているが、カタカナの人名地名が並んで当惑することが多かった。女王の母親はじめとする家族、親族、王族、王室スタッフたち、チャーチルからリズ・トラスまでの幾多の英国首相たちの名だ。私人としての時間を持てないという覚悟は如何ばかりなことかと悲しく思う。子供や孫たちがマスコミに晒されるのは王族よりもセレブリティとしてだとは。英連邦への思いが強く伝わった。
読了日:02月25日 著者:マシュー・デニソン


花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)感想
初めて朝井まかての作品を手に取ったのは『阿蘭陀西鶴』だった。この「向嶋なずな屋繁盛記」は処女作だったようだ。植物に注ぐ温かい目がとても印象的だが、「ボタニカ」などに繋がって行ったのだろう。市井の生活の描き方も良かった。一方では、あの花木の名称の誕生秘話につなげるとは愉快な展開だった。吉野花魁も「落花狼藉」につながっていたのだと感心しきりである。
読了日:02月20日 著者:朝井 まかて


令和の化学者・鷹司耀子の帝都転生 プラスチック素材で日本を救う (宝島社文庫)令和の化学者・鷹司耀子の帝都転生 プラスチック素材で日本を救う (宝島社文庫)感想
WEB小説サイト「小説家になろう」に掲載の作品の書籍化。WEB小説では転生による作品が多い。30歳代の男性高分子化学者が明治32年の公爵家の四男二女の末娘として生を受けた(転生した)という設定である。物語はいきなり66ナイロン合成の場面から始まる。現在では高校の化学で学ぶ合成だが、繊維を作るには経験がないと難しい内容だ。化け学屋としては楽しい展開だが、日露戦争の被害を最小にするという目的達成の手段には都合が良すぎた感じがした。webには「鷹司耀子の帝都転生 外伝」が続編として載っている。
読了日:02月16日 著者:雨堤 俊次


丘の上の賢人 旅屋おかえり (集英社文庫)丘の上の賢人 旅屋おかえり (集英社文庫)感想
「おかえり」シリーズの続きと思って手にしたが、連載を書籍化した際に取りこぼした作品だったようだ。丘の上の賢人の他エッセイとコミックが収録されている。「丘の上の賢人」は純愛小説の体裁だが、故郷とはどこかを問う作品でもあるようだ。解説の瀧井朝世氏がいい仕事をしていてありがたい。
読了日:02月16日 著者:原田 マハ


スマイルメイカースマイルメイカー感想
3台のプリウスタクシーの運転手が客を乗せて走っている。客と運転手の主要な6名の登場人物が動き回り、次に何がおきるかわからない展開。一気に読み終えた。いろいろと感想を書きたいのだが、どこに触れても未読の方に予断を与えそうではばかられる。とにかく面白かったことだけを記しておこう。
読了日:02月10日 著者:横関 大


なんとかしなくちゃ。 青雲編なんとかしなくちゃ。 青雲編感想
朝ドラを読んでいるような感覚だった。作者の声がナレーションとして流れるのだ。題名は主人公の梯結子の行き方を表したものに思える。歴史ある家庭の4番目として生を受けた結子は、他人とは異なる目線で物事を見ているのだ。本作は大学卒業までで終わっているが、作者は女性の一代記を書くつもりであろうから続きを期待していいのだろう。裏表紙の写真がジオラマ風にしてあるが、これは城郭愛好研究会のものを意識したデザインに違いない。サブタイトルにある "Great Versatility"、 何でも対応できちゃうんだろうなぁ。
読了日:02月08日 著者:恩田 陸


レペゼン母レペゼン母感想
レペゼン、らっぷ、MCバトルもいずれも知らない世界の言葉だったが・・・。だめな息子をだめにしたのは夕飯を囲む食卓で話を聞いてやらなかったから?まぁ、そういうこともあるだろうがそれだけでこんなインチキな大人には育たないと強く感じた。創作だからそれでもいいのだろうが、こんなことで「家族」を感じせさないでほしいと思う。高校生時代に子供を産ませたっていいけど、その後の育児負担を考えるとやっぱり許されるべきではないと感じる。
読了日:02月05日 著者:宇野 碧


恋歌恋歌感想
幕末期に水戸藩士に嫁した後に「萩の舎」を興した歌人中島歌子の若かりし頃の有り様が綴られている。第三者の三宅花圃目線で悲しい水戸藩内紛を描いた作品である。序章と終章以外の章題の雪桃、道芝、星合、草雲雀、青鞜、八雲は短歌の季題なのだろうか。第5章の青鞜はお嬢様育ちの若き歌子の牢舎生活が描かれる。このとき受けた扱いの酷さをさらっと描き出しているのには頭が下がる。第6章八雲では一気に40歳となり、萩の舎の女中、中川澄の来歴が明らかにされる。後半の歌は大部分が辞世の歌となっている。またいつかページを捲りたい作品だ。
読了日:02月02日 著者:朝井 まかて

読書メーター

 

福寿草も見事でした。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1月の読書 読んだ本の数:9... | トップ | 3月の読書メーター 読んだ本... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事