山桜桃

ゆすらうめふふめば甘く懐かしく

（ゆすらうめ　ふふめばあまく　なつかしく）

　　　　　　　　梅雨空に、ゆすらうめの実が紅く熟している
　　　　　　　　一粒口に入れてみた
　　　　　　　　甘酸っぱい味が口の中いっぱいに広がった
　　　　　　　　今年のゆすらうめは例年より甘い
　　　　　　　　種を口から飛ばしてみたが、あまり飛ばなかった

萍

萍や水輪を崩す鯉の口

（うきくさや　みずわをくずす　こいのくち）

　　　　　　池の面に萍が茂っています
　　　　　　この池の主は鯉でしょう
　　　　　　大きな鯉がたくさん集まってきました
　　　　　　今にも飛びつきそうな様子です
　　　　　　手を動かす影が鯉にも見えるのでしょうか
　　　　　　子供たちが手を振ると鯉は一斉に大きな口をパクパク
　　　　　　それが面白くてたまらないと、子供たちは大喜び
　　　　　

新緑

新緑の真中や蝶の迷ひ込む

（しんりょくのまなかや　ちょうのまよいこむ）

　　　　　　初めての場所はどことなく不安がつきまとう
　　　　　　この道は何処へ続いているのだろう
　　　　　　そんなことを考えながら、歩いている私の後先を
　　　　　　蝶が飛んでいる
　　　　　　緑が美しい