小春日

　　　　小春日のよちよちと来て座り込む
　　　　　　　　　　　　　　　　（こはるびの　よちよちときて　すわりこむ）


　　　　　　　　　　　もうすぐ北陸は長い冬に入ります
　　　　　　　　　　　お天気の日は神様からの賜り物
　　　　　　　　　　　孫の手を引いて散歩です
　　　　　　　　　　　冬の日差しが暖かい
　　　　　　　　　　　よちよちと覚束ない足取りの孫は、
　　　　　　　　　　　大地に座り込んで遊びだしました
　　　　　　　　　　　何事も嬉しくて，楽しいみたいです

山査子の実

　　　　廃屋に山査子の実の残りをり
　　　　　　　　　　　　　（はいおくにさんざしのみののこりをり）



　　　　　　　　　　久しく人の住まなくなった家に
　　　　　　　　　　山査子の実が一つなっていた
　　　　　　　　　　いつまでも家を守るかのように

落葉

　　　落葉して取り取りの色重ねけり
　　　　　　　　　　　　　　　　（おちばして　とりどりのいろ　かさねけり）


　　　　　　　　　　　　　桜落葉の美しい頃です
　　　　　　　　　　　　　冷たい雨に打たれている落葉もよし
　　　　　　　　　　　　　風に吹かれて転がっている落葉もよし
　　　　　　　　　　　　　でも、日溜まりで輝いている落葉が一番好きです

泡立草

　　　　へこたれるなと風の吹く泡立草
　　　　　　　　　　　　　　　（へこたれるなと　かぜのふく　あわだちそう）


　　　　　　　　　　背高泡立草は、正確には秋の麒麟草と呼ぶ
　　　　　　　　　　繁殖力が強くて、空き地などに群生する
　　　　　　　　　　この逞しくて強い花も、案外と嫌われものである
　　　　　　　　　　人は可憐な花を好むのであろうか