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2020年度 都立高校入試の仕組み<4> 自校で作成した学力検査問題とは

◆第一次募集における学力検査問題を、自校又はグループで作成する高校
ひらたく言えば、「一般入試で都立高校共通問題ではない問題を使用する」という制度だ。
都立高校は基本的には全校で同じ入試問題を使用するが、一部の高校では、それ以外の問題を使うのである。
(以下、自校作成問題と呼ぶ)

日比谷高校や西高校など上位校の受験生にとって、都立高校共通問題は簡単すぎる。
みんなが90点以上を取ってしまい差がつかない。

そこで、難しい自校作成問題を導入し、点差がつきやすいようにしているのである。
全日制高校では以下の3パターンがある。

1. 自校で作成した学力検査問題3教科(国語、数学、英語)と、都立高校共通問題2教科(社会、理科)
日比谷
戸山
青山
西
八王子東
立川
国立
新宿
墨田川
国分寺
それぞれの高校で、別の入試問題を使う。
入試問題にも学校の色が出る。


2. 自校で作成した学力検査問題1教科(英語)と、都立高校共通問題4教科(国語、数学、社会、理科)
国際

3. グループで作成した学力検査問題3教科(国語、数学、英語)と、都立高校共通問題2教科(社会、理科)
※学校によっては、グループで作成した問題の一部を差し替えることがある
白鷗
両国
富士
大泉
武蔵

注意して欲しいのは、社会と理科はすべての学校で共通問題を使うということだ。

この制度は2018年度入試から始まったもので、2017年度以前は少し異なっていた。
現行制度の過去問題は実質2年分しかない。が前制度のものもやっておいて損はない。

以前の記事も参照されたい。


◆定時制高校にも自校作成問題がある? 
塾関係者や中学校教師でも知らない人は多い。
定時制高校の3校で自校作成問題を使うのだ。

自校で作成した学力検査問題3教科(国語、数学、英語)を、各25分で行う

農産
瑞穂農芸

自校で作成した学力検査問題3教科(国語、数学、英語)を、総合して50分で行う
八王子拓真(一般枠)

この3校は逆のパターン。
都立高校共通問題は難しすぎて、4択問題がどれだけ偶然あたるかの運ゲーになってしまうから、易しい問題のみにしている。
上記3校に限らず、偏差値40以下の受験生が、都立高校共通問題の長文をまともに読むわけがない。読めないから。
テキトーに4択問題だけ答える意味のない入試になっている。

瑞穂農芸の英語の問題には、長文問題は1つもない。どうせ読めないのだから出さない。
これでいいじゃないか。
 学力最下層の都立高校は、入試で受験生を学力で識別したいのなら、この3校の自校作成問題を使えばいいのにね。

なお、実際の入試問題は一部公開されている。
見てみるといいだろう。2019年度数学の最終問題がこれ。

この定時制3校を受験しなくても、偏差値40台の受験生はやってみるといい。
いい練習になる。

mizno31m.png

出典:都立瑞穂農芸高等学校(定時制) 過去出題問題


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