都立に入る!

【前編】推薦入試・一般入試 どちらを選ぶべきか

[2020年9月23日 更新]
今回は2021年度に都立高校を初めて受ける方や、都立高校入試に詳しくない方へ向けの記事。

都立高校入試は以下の順番で実施する。
1. 推薦入試
2. 一般入試(分割前期入試を含む)
3. 二次募集(分割後期入試を含む)

推薦入試合格  → 一般入試は受けられない
推薦入試不合格 → 一般入試を受けられる
となっている。
推薦入試で都立のすべり止め校に合格しておき、一般入試で1ランク上の都立高校を受けるという作戦は使えないということだ。

だったらダメ元で推薦入試を受けて、それが不合格なら一般入試を受ければいいと考えるだろう。
万人にそれを薦められない理由はあとで述べる。

二次募集は一般入試で不合格だった受験生向けなので、今回は割愛。
推薦入試と一般入試、どちらで合格を目指すか。
それを説明していく。

◆募集人数が違う
全日制普通科は募集人員の20%までが推薦入試の定員である。
専門学科は30%まで。ただし工業科は40%までと例外。

例を見せよう。
2020年度入試の数字は以下の通り。
 日比谷高校 募集人員317名 推薦入試定員62(19.6%)
 小山台高校 募集人員316名 推薦入試定員62(19.6%)
 三田高校 募集人員256名 推薦入試定員50(19.5%)
 大森高校 募集人員197名 推薦入試定員39(19.8%)

 国際高校 募集人員140名 推薦入試定員42(30.0%)
 芝商業高校 募集人員210名 推薦入試定員63(30.0%)
 晴海総合高校 募集人員276名 推薦入試定員84(30.4%)

晴海総合が30%を超えているが、四捨五入して30%ならいいということだろう。厳密には普通科は20.499…%まで、専門学科は30.499…%までOKということだ。

だとしたら仕組みの上では、日比谷高校ももっと推薦入試定員を増やせるのだ。
推薦入試定員63(19.8%)
推薦入試定員64(20.2%)
推薦入試定員65(20.5%)  ←ここでアウト。

では、そうしないのはなぜだろうか。
事実は分からない。が私の考えは「普通科には一般入試で入ってもらいたい」という思惑が都教委にあるから。と考える。
もしくは「推薦入試で合格するとすべり止めの私立高校を受けないので、私立高校に入る受験料が少なくなっちゃうから」これは浅慮かしら。

閑話休題。
都立の推薦入試は募集数が少ないので、一般入試よりも倍率は高くなる。
数字だけ見れば、一般入試よりも受かりにくいわけだ。

ダメ元で受けてもデメリットがないと考えるかもしれない。
私は2つのデメリットを考える。2,200円の受験料などどうでもいい。
・精神的ダメージ
・推薦入試に向けての時間

前者は人により異なる。
「落ちてもともと。受かったら儲けもの」と気張っていても、実際に不合格ならショックを受けるだろう。それが一般入試に悪影響を及ぼす子もいる。
こればかりは個人差があるので、我が子を見て保護者が検討してやってほしい。多くの中学3年生は、自分の性格を客観的に判断できないだろう。保護者が受験生本人に話してやって。
逆に「落ちることで必死になって学力が上向きになるケース」も少ないがありうる。

信頼できる塾の先生に相談するのは構わない。だが最終決断は保護者と本人ですべき。
14年以上も我が子を見てきたのなら、週に数回しか会っていない塾の先生に負けてはいかんよ。

推薦入試は個人面接、集団討論があり、小論文か作文もある。
どちらも中学校でやってきたことではない。もちろん塾でもほぼやっていないだろう。
だから推薦入試に向けて、これらの準備をしなければならない。
面接練習なら1時間もあればいい。
だが集団討論や小論文で点を稼いて合格を目指そうとするのならそれなりの準備期間がいる。もともと討論や小論文が得意なのであればいいが、そうでなければ数十時間は必要。そしてこの準備は都立一般入試にはほぼ100%不要なものだ。
受験直前期に(一般)入試と全く関係ないことに時間を割く。これが最大のデメリットだろうと私は考える。
※2021年度入試で集団討論は除外されます

◆合否の判断基準が違う
ちょっと長くなったので、このテーマは明日に続く。


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