◆採点基準は高校によって違う
都立高校入試の国語では毎年、大問4で「200字作文」が出る。
2015年度入試までは「200字作文」に加え、大問3にも「50字作文」があった。
2016~2019年度は「50字作文」は出ていないので、今後も出ることはないだろう。
原因はもちろん「誤採点問題」だ。リスクや採点時間を減らすため、作文問題を減らしたのだろう。
「200字作文」は、説明文を読んだ後で作文を書く。
2019年度入試ではこのような問だった。
国語の授業でこの文章を読んだ後、 「新しい『何か』に出会うこと」というテーマで自分の意見を発表することになった。
このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄 、 や 。 や「 などもそれぞれ字数に数えよ。
このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄 、 や 。 や「 などもそれぞれ字数に数えよ。
都教育委員会は「採点のポイント」を定めている。
○テーマ「新しい『何か』に出会うこと」に即した自分の意見、主張が適切に書かれている。
○本文中の筆者の主張を的確に捉え、その主張を踏まえて、文章が適切に書かれている。
○自分の意見、主張の根拠となる具体的な体験や見聞について、適切に書かれている。
○本文中の筆者の主張を的確に捉え、その主張を踏まえて、文章が適切に書かれている。
○自分の意見、主張の根拠となる具体的な体験や見聞について、適切に書かれている。
その上で、各高校での裁量で点数をつけられるようにしている。
一般的に、学力の高い高校では求められるレベルは高くなり、下位高校では採点基準はゆるくなる。
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各学校において、採点のポイントを踏まえて『部分点の基準』を作成し『部分点の基準ごとの点数』を定めること。
なお、受検者の実態等に応じて、次の例のように詳細な基準を定めることができる
・「○○について×× が書かれている。」のように、具体的な内容を加えること。
・「○○と△△が書かれている。(3点)」「○○が書かれている。(2点)」「△△が書かれている。(1点)」のように、段階を設け、段階ごとの点数を設定すること。
・「誤字が一つ以上ある。(1点減点)」のように、部分点の基準を加えること。
・「○○と△△が書かれている。(3点)」「○○が書かれている。(2点)」「△△が書かれている。(1点)」のように、段階を設け、段階ごとの点数を設定すること。
・「誤字が一つ以上ある。(1点減点)」のように、部分点の基準を加えること。
<平成31年度 国語採点のポイント より>
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◆減点されない答案を作れ
10点満点のうち、上にあるような必要事項が書いてなければ減点される。誤字が1つでもあれば減点される。
つまり「必要なことだけ書いてあり、誤字がなければ満点にするしかない」のだ。
よってポイントは2つ
1. 誤字禁止
漢字はもちろん、送りがなも不安だったら漢字は使わない。
例えば「あらわれる」が、「現れる」か「表れる」か「表われる」かで迷ったとする。なら「あらわれる」とひらがな表記すべきだ。
漢字を使わなければ減点というルールはない。(これは社会のテストでも言える)
ただし、「地球」とか「電車」程度は漢字で書くべき。書けないのなら違う言葉で言い換えればいい。「我々の住む星」や「鉄道」といった具合だ。こちらの方が難しいかもしれないがね。
2. テーマに沿う
今回ならば
・国語の授業でこの文章を読んだ後
・「新しい『何か』に出会うこと」というテーマで自分の意見
・具体的な体験や見聞も含めて
・「新しい『何か』に出会うこと」というテーマで自分の意見
・具体的な体験や見聞も含めて
という条件が問題文に書かれている。
自分の意見を最初に書く。最後でもいいが、最初に書くほうが書きやすい。
自分の経験にその理由に結びつける。経験はウソでかまわない。
本文中に書かれているキーワードを作文に入れる。
「私はこう考える。なぜなら○○という経験をして、△△ということを私は感じたからだ。この文で作者は□□と言うことが書いているが、私も経験から同じようなことを感じた。」
と言った具合だ。
2019年度の入試問題の模範解答を見てみよう。
ある雑誌で私の住む町が特集されていました。その雑誌の中の写真を見たとき、「本当に、私の住む町なの」とおどろきました。よく知っている景色が、まるで映画の一場面のような、げん想的な世界に見えたからです。筆者は、写真は作者のフィルターを通して見た世界だと述べています。私はこの写真から町の新たな一面に気付かされました。見慣れたものにも知らないよさがあることを意識し、様々な見方をしていきたいと思います。
よく知っている景色が、まるで映画の一場面のような、げん想的な世界に見えたからです。 →経験
筆者は、写真は作者のフィルターを通して見た世界だと述べています →作者の意見
見慣れたものにも知らないよさがあることを意識し、様々な見方をしていきたいと思います →自分の意見
このように必要なポイントが書かれていれば減点されない。簡単に10点が稼げる。
作文はパターンを作り、それに当てはめて書くようにすれば大ケガしなくて済む。
国語が苦手な子ほど、作文対策はしておくべき。安定した得点源にできる。
◆過去の問題も見ておこう
2018年度
国語の授業でこの文章を読んだ後、「自分の意志をもつこと」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄
なお、書き出しや改行の際の空欄
2017年度
国語の授業でこの文章を読んだ後、「食生活と歴史」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
2016年度
国語の授業でこの文章を読んだ後、「基本を身につけること」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
2015年度
国語の授業でこの文章を読んだ後、「取り合わせの美」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
2014年度
国語の授業でこの文章を読んだ後、「環境の持続可能性」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
なお、書き出しや改行の際の空欄、 、や 。や 「などもそれぞれ字数に数えよ。
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