都立に入る!

世界一わかりやすい移行措置の仕組み

◆移行措置って
中学校は2021年度から「新学習指導要領」が実施される。
現在の小学5年生が中学校に入るタイミングである。
この時に教科書が改訂され、学習する内容・範囲が変更される。
もちろん、高校入試の出題内容も変わるだろう。

現在の中学2年生から小学6年生までは教科書改訂までの移行期間にあたり、「移行措置」がとられる。
この時期の中学生は教科書が変わる途中なので、毎年少しずつ内容が変更されるのだ。
もちろん高校入試には影響が出ないようにされるので安心いただきたい。

今回はこの移行期間に、どんな内容が教科書に加わり、変更されるのかをまとめた。
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背景水色が追加されるもの、灰色は学習時期が後の学年になるもの。

◆数学…減るものはなし。高校内容の四分位範囲、箱ひげ図が加わる。
◆理科…減るものはなし。静電気・電流で「放射線の利用」内容が加わる。
◆国語…都道府県名に使う漢字が加わる。
◆社会…世界地理で「日本の地域構成」が加わる。
2018年度は社会のみ、今年2019年度からは中学1年生の国語・数学・理科も加わった。
中学社会は中学校によって進め方が違うため、表には含めていない。
多くの中学校では中1で地理、歴史を始め、中3で公民を始める。

大きく変わるのは数学。
「累積度数」や「四分位範囲」「箱ひげ図」が加わる。もともとは高校1年の数Ⅰで学ぶ内容だ。
累積度数は足し算すれば求められるので難しくない。
「四分位範囲」「箱ひげ図」もどういうものなのかを理解すれば大丈夫。「中央値」や「階級値」と同じに考えよう。

前回の指導要領改訂では「2次方程式 解の公式」、「資料の整理」、「標本調査」が加わった。標本調査以外は都立高校入試で何回も出されている。
いつも大問1で出ているので、次回の移行内容も大問1で出るだろう。

理科も加わるものはあるが、それほど多くない。
東日本大震災の後、放射能・原発と言ったキーワードがひんぱんに聞かれるようになった。
「放射線の性質」については、そういった事情も踏まえて追加されたのであろう。


せっかくなので、放射能について中学生でもわかるようにまとめた。
基本的な知識は難しくない。今読んで覚えてしまうといい。

放射線
1895年,レントゲンという科学者により真空放電管からX線が出ることがを発見された。
放射線は、医療の診断・治療,農業,工業などにも利用されている。α線、β線、γ線、中性子線、X線などがある。

放射線の性質
1.目には見えない
2.物質を透過する能力がある
3.原子を電離させイオン化する能力がある


◆都道府県名に使われている漢字問題は出ない!? 
国語では県名に使われている漢字が加わった。
「阜」や「栃」や「埼」は県名以外ではまず使わないだろう。「潟」は、「干潟」で使われることがあるくらいだ。
その県出身の子がいたら、無条件で有利になってしまうためか「都道府県名に使われている漢字問題は出ない」という話もある。

本当だろうか。

過去21年分の都立高校入試国語、漢字の書き問題を洗ってみた。

平成26年度 「富んで」 →富山
平成19年度「航海」→北海道
平成15年度「群れ」→群馬
平成11年度「磁石」→石川
平成11年度「航海」→北海道

県名に使われている漢字も出されている。
「群れ」は群馬出身者にとってはラッキーだったろう。

平成19年度と11年度で同じ「航海」が出ていることにも注目。
詳しくは過去記事を読んでほしい。


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