[2020年7月6日 更新]
2020年度の都立高校入試平均点が発表された。
都立入試の平均点は全数調査で行われている。
つまり30,000人以上の全点数の平均である。
全日制高校志願者のみの平均点であり、定時制志願者は含まれていない。
定時制は志願倍率1.0倍以下がほとんど。0点でも受かるような入試なので、これを加えてしまうと平均点がダダ下がることが予想される。
「東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査 報告書」には、
教科別の平均点及び得点分布 全数調査により,教科別得点状況等を調査した。
との記載がある。
参照:都教育委員会HP
◆受験者数は科目ごとに違う
2020年度(令和2年度)入試の受験者数は
国語 34,776人
数学 34,777人
英語 34,547人
社会 38,946人
理科 38,945人
社会、理科の受験者数が多いのは、全都立高校で社会・理科は共通問題を使用しているためだ。
国語・数学・英語は日比谷、西、国立(くにたち)など自校作成、武蔵、大泉、両国などグループ作成している高校があり、その受験者数は上記の国語・数学・英語に含まれていない。
国際高校は英語だけ自校作成している。よって英語の受験者が最も少ない。
国際高校の2020年度の受験者は227名。
また総合芸術高校と、駒場高校保健体育科、野津田高校体育科は国語・数学・英語の3教科入試である。
余談だが、都立定時制高校は3教科入試である。唯一、砂川高校のみ5教科受験である。
定時制の中のチャレンジスクールでは学科試験すらない。
国語と数学、社会と理科の受験者は同じであるはずなのだが1名ずつズレがある。
おそらく遅刻・早退をしたのだろうね。
◆国語の平均点は異常
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/8e/7413c3d66205d4e9f72ab35c6742c5d1.png)
参照:都教育委員会HP
現在の入試制度になった2003年度から今春2020年度入試までの18年間の平均点推移をまとめた。
赤字は18年間の平均以下の点数であることを示している。
目を引くのはやはり国語の平均点。81.1点は現制度での都立入試で最高点である。
他教科を見回しても75点以上は今回の国語のみである。70点以上なのも4回あったうち3回は国語で記録している。残り1回は理科。
得点分布も異常だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/22/72a558f37c6df6916714528ad205d669.png)
参照:都教育委員会HP
95~100点を取った受験生が最も多い。
次に多いのが90~94点の受験生。
逆に、50点未満の生徒が5%程度しかいない。入試問題としては明らかに欠陥品である。
特に上位の高校では、まず間違いなく90点以上に集中し、国語では差がつかないことになる。国語以外の教科が得意な子が有利な受験になってしまうのだ。
◆国語の平均点が高い原因は2つ
1つ目の原因は「記述問題が少ない」から。
学力中下位の子は、記述問題を空欄にする傾向がある。つまり0点だ。
しかし、四択問題ならまず空欄にはせず何かしら書く。問題文を読まなくても正答率は25%。問題を読み、選択肢を絞れれば正答率は33%→50%と上がっていく。
確信がなくてもまぐれ当たりが生じてしまう。
かつては40字でまとめる問題が都立入試国語でも出されていたが、最近は出なくなっている。2015年度入試が最後だ。
現在の都立入試国語では、記述問題は200字作文(10点)しかない。あとは漢字が20点分あるが2020年度の漢字は簡単すぎる。
以下は2020年度の漢字問題正答率。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/5e/6dbea4f3de5ca1b2f0ef9e8e6be4da18.png)
いちばん正答率の低かったのが"ユソウ"を書く問題だよ。正答率77.7%、小学生にやらせたらもっと正答率高いだろうね。
以下は2014年度の漢字問題正答率。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/cb/42d73cd9dbcfed9b178cffd5b5b053ea.png)
この年のように、読み問題、書き問題でも差がつくような漢字を出した方がいい。
国語が得意、漢字が得意な子が差をつけられるようなテストにしてほしい。
あまりに国語が軽視されている。
なお正答率4.2%の漢字問題は
「駅に向かうバスが幹線道路に架かるリッキョウを渡る。」
ぜひキミも書いてみてほしい。もちろん「立教」ではない。
2つ目の理由は「選択肢から選ぶのが簡単すぎる」から。
ズバリ正解以外の選択肢が「こんなの選ぶわけないだろう」というものばかり。受験生ナメてんのだろうか。
ちょっと悩むのは大問3の問1くらいか。それでも正答率54.0%
まぁいずれも簡単だ。カンで何となく答える層でも正解してしまうもの。
◆来年度は100%難しくなる
今回の平均点81.1点は大問題である。
2021年度入試では間違いなく修正されるだろう。漢字は難しいものが数問出るはず。
必ず過去問を研究しておくこと。都立国語は同じ感じが複数回で出されることは過去記事でも述べたとおりだ。
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