都立に入る!

結論。新宿高校はお薦めではない

[2020年3月29日 更新]
◆新宿高校はお薦めしない
先日、新宿高校の学習塾対象説明会に初めて参加した。
会場は新宿高校の3階、視聴覚室。参加者は100名もいなかった。

都内屈指の倍率が出る新宿高校。
なぜここまで人気があるのかを知りたい、という思いで参加した。
が、結論を言うと「聞きたい情報がなく、がっかりした」である。
戸山戦で勝ったかどうかなど、申し訳ないが我々にとって聞きたい話ではない。

◆説明会は50分間。内容は・・・
大きく分けて4点。

まずは校長からの挨拶。
まとめると、
「国公立大の実績は上がっている」
「進学指導特別推進校の中では国公立、早慶、MARCH合格数いずれもトップ」
「進学指導重点校への昇格を目指すため、国公立の実績を今後も上げていく」
「センター試験5教科 7(または8)科目の受験者が6割になった」
といった実績についての話。

たしかに国公立大の合格者数は増えている。
2009年度受験では浪人生も含め45名だったのが、今春は120名(現役は89名)と躍進している。
残念ながら国公立の医学部医学科は1名、福井大のみだった。

難関国公立大や医学部医学科を推しているのがありありと見えた。
国公立ではなく、早慶を含む私立大を目指しているのなら、絶対に新宿高校はやめておこう。
キミができる生徒だったら、むりやり5教科受験を強いられるはずだ。

次は教務主任から。
受検者平均点はあってよかった。が今回の情報でありがたかったのは、唯一これだけ。
あとは、推薦・一般入試の応募者数、実倍率などすでに公表されている情報。もう知ってます。
今春の入試問題が配られたが、中身についての話は一切なし。問題作成の意図や、この問題からどういった生徒を求めているのか。そういう話を聞きたいのだ。
2月に実施した問題をただ配られて、どうしろというのだろう。

3番目は進路指導主任から。大学合格者数の一覧を見せられる。
あのー、これホームページに載ってますよね?

しかも参加した塾関係者から
"卒業生進路"と書かれていますが、これは合格数であり、進学数ではないですよね。
という質問があり、回答に窮していた。

また、
現役・既卒生の合計数のデータですが、現役のみのデータはないのですか。
という質問もあり、「お見せできるものはない」と回答していた。
でも、今春のデータでは現役の合格数と既卒生の合格数がそれぞれで公表されていた。去年もしてたんじゃないですか。だったら資料はあるんじゃないですか。
「今この場にはないが、提供することはできる」が正しい回答ではないのかな。
あとで作業するのが面倒だから「ない」と回答したのではないのだろうか。

そう思ったのは会場の私だけではないはず。

◆問題発言!?
4番目が生活指導主任。
今年から新宿高校に赴任した保健体育の教師だ、と言っていた(前任は一橋高校)

非常に違和感を持ったのは、以下のくだり。
「生活と意識に関するアンケート」についての結果が表と円グラフになっている。
「本校への満足度」という項目で、
・やや不満である
・非常に不満である
と答えた生徒が14%いる。
その回答した子に対し生活指導主任は「そういう子は受験しなければいいのに」と言い放ったのである。

聞き間違いではないかと、私は耳を疑った。そうか。
新宿高校に対して不満を持つ子がいて、彼らの声を拾おうとはしない。排除して、学校に合った子のみを集めたいのだ。
私立高校なら許されるだろう。都立高校でもそれは許されるのだろうか。すまないが浅学の私には分からない。

◆結論「新宿高校はおやめなさい」
いくつものモヤモヤが残る説明会だったが、生活指導主任の言葉がいちばん衝撃だった。

私は保護者面談や生徒面談で生徒に「この学校はいい学校かどうか」と聞かれたときには、
「私の子どもが行きたいと言ったら、そうしなさいと言います」
「私の子どもが行きたいと言ったら、やめておけと言います」
のどちらかで答える。

いい学校かどうかは、その生徒・保護者の主観だ。万人にとって「いい学校」などない。
だから私の主観で、私の子どもに薦めるか止めるかで回答するようにしている。
今日の説明会の印象だけで考えれば、新宿高校は明らかに後者だ。


ここからは100%私の考えである。
新宿高校は人気があるが、そのいちばんの理由は「場所」であると思っている。都内どの駅からでも1時間あれば通える。
生徒を集めやすい状態に甘んじ、自動的にいい生徒が集まってくると慢心しているのだろう。

「予備校いらずの新宿高校」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。
しかし、今日もらった資料によると41.4%の生徒は予備校や家庭教師を利用している。
これは全学年のデータなので、3年生だけで見れば半数以上は予備校などを利用しているだろう。

場所という条件を除けば、日比谷、西、戸山、青山より新宿を薦める理由がない。

新宿高校はおやめなさい。
今回、いろいろ考える機会を与えてくれた新宿高校には感謝したい。


◆最後に
平成30年度と31年度の新宿高校学校経営シートの学校評価、「保護者の本校への満足度」を並べると
平成30年度 92.4% → 平成31年度 72.3%

最初は不思議に思っていたが、説明会に参加して納得できた。
保護者も気づいているのだ。

参考までに、保護者満足度は大山高校が81%、日比谷高校が97%である。

もう一つだけ。
過去13年間の新宿高校一般入試の実倍率をグラフにした。
2010年度を境にして、減少が目立つのが分かるだろう。
snjuk06.png

来年はどうなるか。
おそらく2倍を超えることはないだろう。

2020年3月29日加筆
2020年度入試の実倍率は1.82倍。
やはり低かった。

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