『嫌われ松子の一年』が素晴らしすぎ！

　あまりにも『嫌われ松子の一生』の中谷美紀が健気で素敵だったので、彼女自身が書いた撮影日誌『嫌われ松子の一年』を読んだ。これが予想を遙かに超える面白さ！　中でも、監督の言葉にキレた中谷美紀が無断で撮影現場から帰ってしまうあたりでは、その潔さに惚れ惚れさせられる。というか、

＜今までだったら仕事を放棄して帰るなんて考えられなかったけれど、自分の行動に迷いはなく、この後どんな運命が待っていようと全て受け入れるつもりだった。この作品が完成せず、女優としての立場が危うくなることも含め、損害賠償を請求されようと、構わないという心づもりだった。新しい職業もすぐに浮かび、むしろ前途有望で、何も怖くなかった。＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（P.157より）

ってアンタ、それ松子そのまんまじゃん！　素敵すぎ。もう一生、中谷美紀から目が離せないや。

　残念なのは、幾つか誤植があること。「擁護」が「養護」(P.163)になっていたり「ひとつずつ」が「ひとつづつ」(P.181)になっているぐらいならともかく、さすがに「山田洋二」はアカンて！　そういうのは編集者とか校正担当者がチェックせんと。あ、中谷美紀は悪くないです、はい。