さて、この『フィッシュストーリー』はどうだったか。多少まだるっこしく感じられる箇所がないわけではないが、とりあえず成功しているんじゃないだろうか。すべてのエピソードはきれいに結びつき(ちょっと強引だけど)、最後には印象的な場面がフラッシュバックっぽく年代順に映し出される。その親切な種明かしに観客は納得し、気持ち良く席を立つことができるのだ。
※お気に入り度→★★★★☆
※公式サイト→http://fishstory-movie.jp/
↑森山未来のサイン入りポスター。すんません、ボケボケですね。
↑パンフは700円。写真が少ない割には、ちと高いんじゃない?
↑右側がサントラ盤。主題歌『FISH STORY』が入って1890円と、なかなかお買い得です。ほら、最近の日本映画のサントラって、「主題歌は別にシングルで出す」というパターンが多かったでしょ? そういうのに比べると、ものすごく良心的です。しかも、斉藤和義バージョンの『FISH STORY』も入ってるという贅沢さ。映画を観た人は買うべし!
成功の要因のひとつは、音楽が良かったことだろう。中でも、物語の鍵を握る『FISH STORY』。「この曲が世界を救う」という設定である以上、それなりの勢いと説得力を持った楽曲でなきゃならないわけだが、その及第点を充分にクリアしているのだ。それは斉藤和義のソングライティング能力の賜物であるが、劇中に登場するバンド「逆鱗」の演奏と歌も相当なものである。特に高良健吾の歌いっぷりが素晴らしい。荒削りで、なおかつ繊細。粗暴なようでいて、優しさと悲しさが宿っている。しかも、歌っている時の表情が抜群にカッコいい。役者が本業ではあるが、ボーカリストでもやっていけるんじゃないかと思えるほどだ。
その他のキャストも、みんなかなりのハマリ役だ。濱田岳はとことん情けない男(他人とは思えず)を現実感たっぷりに演じていたし、森山未来は非現実的な「正義の味方」にリアリティを持たせていたし、伊藤淳史は苦悩するバンドリーダーという立場を見事に体現していた。大森南朋は胡散臭さと包容力を絶妙なバランスで見せてくれるし、多部未華子の無邪気な天才っぷりも楽しい。しかし、何よりも僕のハートを射抜いたのは、1982年のエピソードで強烈な存在感を示した高橋真唯だ。あの鋭い視線と冷徹な口調! しびれました。
とはいえ、不満がないわけじゃない。ひとつは、ところどころ冗長に感じられる場面があること。特にレコード店での3人の会話は、意図的なものであろうが、まだるっこしくて少し苛々させられる。『FISH STORY』を演奏するバンドはいつ登場するんじゃい、と思いながら観ていた人も多いんじゃないだろうか。
また、重要な登場人物の「その後」が描かれていないのも、少々物足りない。バンドのメンバーが2012年にはどんな風に生きているのか、ほんの少しでもいいから見せたほしかった。あと、高橋真唯も。2012年ってことは、50歳ぐらいになっているわけだけど、きっと美しさは保っているはずだもんね。って、要は「もっと高橋真唯を!」ってことです。美女が好きなんです。すんません。
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