●石川セリ『BOY』
中原めいこに匹敵するほど夏に合う女性ボーカリストと言えば、石川セリだろう。透明感と気だるさ、それに時折覗かせる野太さのバランスが絶妙なのである。いつも思うのだが、歌ってものは上手ければ良いわけではない。不安定さがこそが魅力になることもあるのだ。かといって余りにも音程が外れていたりしたら聞き苦しいけどね。石川セリよりも上手い歌い手は大勢いるかもしれないけど、あの独特の「揺らぎ」を出せる者は滅多にいないだろう。
そんな石川セリには、夏の定番ソングが3曲もある。映画の主題歌でもあるデビュー曲『八月の濡れた砂』、パンタこと中村治雄が作詞・作曲した『ムーンライト・サーファー』、そして数年のブランクを経て復帰した80年代前半に発表された『BOY』。どれも負けず劣らず名曲なのだが、今の気分で選ぶなら『BOY』かな。ちょいと下世話なアレンジが実に心地いいもん。そういえば中原めいこの曲も下世話スレスレのアレンジだよね。僕、そういうのが大好きなのよ。真っ向から俗受けを狙ったものは、むしろ清々しく思えてしまうタチなのよ。最近だと大塚愛のアップテンポな曲にも同じようなことを感じるなぁ。
●甲斐バンド『絵日記』
甲斐よしひろが歌う曲には夏を舞台にしたものが多い。甲斐バンド時代なら『狂った夜』『絵日記』『七月の便り』『悲しき愛奴(サーファー)』『一世紀前のセックス・シンボル』『シーズン』、KAI FIVE時代なら『ブラック・サンド・ビーチ』、ソロ名義の作品なら『火傷』『BLUE』あたりが代表格だろうか。再結成後の甲斐バンドにも『眩暈のSummer Breeze』『真夏のSEA』がある。カバーも含めれば『恋のバカンス』だってある。その中でトップ3を選ぶなら『絵日記』『悲しき愛奴(サーファー)』『火傷』なのだが、1曲だけってことなら『絵日記』だ。いや、あくまで今の気分で選んだんだけどね。
『絵日記』が入っているアルバム『英雄と悪漢』を買ったのは確か中3の終わり頃だったと思う。それ以来、何度も何度も繰り返し聴いたものだ。しかし、そのうち3割ぐらいは、まともに『絵日記』を聴いていなかった。ほとんどの場合、途中で眠ってしまったのである。つまり、それほど心地いい曲だってことね。この曲、一度ナマで聴いてみたいなぁ。
ついでに書くと、チャゲが作詞した『BLUE』は寓意性に満ちた歌詞が素晴らしいし、曲調もモロに夏っぽくて完成度が高い曲だと思う。ただ、甲斐よしひろの歌い方が少々苦しそう。喉の調子が良くなかったのかな?
●大沢誉志幸『ラ・ヴィアン・ローズ』
これは吉川晃司のために作られた曲。かなりヒットしたので、覚えている方も多いだろう。その吉川バージョンも悪くないのだが、作曲した大沢誉志幸自身が歌ったものは格段に素晴らしい。ちょっと頼りなさを感じさせる掠れた声が、楽曲の持つ世界観と見事に合っているのだ。
真夏にプールサイドで強い陽射しを浴びていると、必ずこの曲が頭の中をグルグル回ってしまう。で、ついつい♪なんて危険な退屈だろう♪と口ずさんでしまう。あのハスキーな声を真似しながらね。
ちなみに昨日、今年初めてプールに行ったんだけど、思いっきり曇ってたので『ラ・ヴィアン・ローズ』を口ずさむような気分じゃありませんでした。それどころか、寒かったもん。
※ ※ ※ ※ ※
というわけで、いよいよ残るは3曲! うち2曲は決まっていますが残り1曲はその日の気分次第です。お楽しみに! 楽しみじゃない?
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