コイケ君、超いい感じ。

　半年ぐらい前に、ペドロ・アルモドバル監督の『バッド・エデュケーション』という映画を観た。映画好きの間で評判が高かった作品だが、僕としては内容や出来よりもキャスティングが興味深かった。この映画は監督の半自伝的な物語であり、明らかに監督自身がモデルだと思われる人物が登場する。それを演じたのは、ものすごく整った顔立ちをしたフェレ・マルチネスという俳優だ。もう一人の主役を演じるガエル・ガルシア・ベルナル（『モーターサイクル・ダイアリーズ』で若き日のゲバラを演じた俳優）が美形すぎるのでフェレ君は引き立て役っぽい印象になっちまうが、フェレ君だって相当の二枚目であることは一目瞭然である。思わず監督に言いたくなった。アンタ、こういう顔に生まれたかったんだね、と。
　そこで僕は思った。100％あり得ないことではあるが、もしも僕の半生を映画化するとしたら、誰に主役を演じてほしいか。もしくは、生まれ変われるとしたら、どんな顔になりたいか。とりあえず、10代後半から20代前半で考えてみよう。で、真っ先に思い浮かんだのは、藤原竜也である。典型的な「甘いマスク」でありながら、男気を感じさせる顔立ちでもある。清潔感と色気もある。妻夫木聡や玉山鉄二や伊藤英明やもいいけど、藤原竜也にはどこか超然とした雰囲気がある。孤高の匂いがする。よっしゃ、藤原竜也に決定。いや、決定したからって僕の日常にも世間にも何の影響もないけど。
　以上のことを思ったのが半年ぐらい前である。しかし、その後、藤原竜也に強敵が現れた。岡田准一である。ドラマ『タイガー＆ドラゴン』を見ていると、長瀬智也もカッコいいが岡田准一の端正さは目に余る。って言い方はヘンだけど、ものすごく端正で、なおかつ表情が豊かなのだ。さすがジャニーズ、いい素材を引っ張ってくるなぁ、なんて感心した。よっしゃ、藤原竜也と岡田准一を同率1位にしておこう、と決意。いや、決意したからって僕の日常にも世間にも何の影響もないけど。
　しかし、油断は禁物。数ヶ月前に、またもや新たな強敵が出現した。小池徹平である。長澤まさみ目当てで見ていたドラマ『ドラゴン桜』で初めて彼を見た時、なんちゅう完成度が高い顔なんだ、と感心したものである。反則みたいな顔立ちだ。あんな顔に生まれたらモテるに決まってるじゃん。
　そんなこんなで、現在はコイケ君が首位である。いや、彼が首位になったからって僕の日常にも世間にも何の影響もないけど。以上、しょーもない話で失礼！