されても構わない程度の勘違い＜その3＞

＜その3＞　ヒゲを生やしているのは小山卓治の影響。

　大好評の「されても構わない程度の勘違い」シリーズ、いよいよ第3弾です。大好評なのか？

　今度のは、人づてに聞いた話。僕が前にお会いしたことのある某女性が、小山卓治の写真を見て「ヒゲがトッパさんそっくり」と思ったそうだ。で、僕がヒゲを生やしているのは小山卓治の影響だという考察(？)に至ったらしい。う～む、思いっきり見当違いではあるが、これまた「されても構わない程度の勘違い」かな。僕も一応、小山卓治ファンの端くれだもんね。ただし、悔しいことに小山卓治は僕よりも何十倍も顔立ちが整っている二枚目だ。なのに僕の姿がダブったということは、まあ、素直に喜んでいいのかな？

　とはいえ、僕がヒゲを伸ばし始めたのは、誰の影響を受けたからでもない。そこには、やむにやまれぬ事情があったのだ。
　以下は、5年ぐらい前の日記に書いたもの。読んだことがある人もいるだろうけど、ちょっと加筆・修正して再録します。

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　数年前まで、ひどい花粉症に悩まされていた。鼻水が出まくり、涙がボロボロこぼれ、クシャミを連発し、目が痒くて仕方なくなるのだ。高校生の頃からそういった症状はあったのだが、その当時は花粉症なんて言葉は一般的じゃなかった(と思う)。
　30代になった頃には、僕は自他共に認める花粉症患者になっていた。3月に入ると真っ赤な目で涙を流しながら歩き、朝も昼も夜もクシャミを繰り返す。こうなると車の運転も怖い。クシャミする瞬間は目を閉じてしまうし、そもそも目を開けていること自体がシンドいのだ。ある時、車の中でデカいクシャミをした直後に目を開けたら、すぐ目の前に停車中の車があった。慌ててハンドルを切ったが、あのタイミングで避けられたのが不思議なくらいだった。
　花粉症はツラい。分かる人には分かるだろうけど、本当にシンドい。目が痛み、のどが痛み、鼻が痛み、クシャミを何度もするうちに耳まで痛くなってくる。急にクシャミが出た時に中途半端な姿勢でいると、腰を痛める可能性もある。実際、花粉症の最中に腰痛になったこともあった。それに、肌も乾燥してカサカサになり、痛くなってくる。要するに全身が過敏になってしまうのだ。花瓶じゃないよ。
　そんな風に花粉症に悩まされていたある年の4月、僕は床屋へ行った。床屋ってところは、美容院と違って顔を剃ってくれる。スッキリして気持ちいいもんだ。で、この日も当然のごとく顔に剃刀を当ててもらっていたのだが、いつもと違って妙にヒリヒリする。それでも、その時はすぐに治ると思って帰った。ところが、夜になって風呂に入る頃になると、どんどん顔がヒリヒリ、いや、ズキズキするのだ。眠れないほど痛いのよ。ま、何とか眠ることはできたけどね。
　朝になって目を目が覚めても、痛みは治まっていない。相変わらず顔中がヒリヒリズキズキと痛む。それまでの僕は2日か3日に1度のペースでヒゲを剃っていたのだが、この時からしばらく放っておくことにした。痛くて痛くて、とても剃ることなんてできなかったのである。
　それから十数日後。それなりにヒゲが伸びてくると、これが意外と評判が良い。特に女性には大好評で、街を歩いていても逆ナンされる始末。いや、それはウソだけどさ、ホントに評判は悪くなかったのよ。
　そんなわけで、そのまま僕はヒゲを生やし続けた、というわけなのだ。いや、ずっと伸ばし放題じゃなくて、たまにはそれなりに手入れするけどさ。そんなこと言わんでも分かってる？
　あ、ちなみに最近は2月頃から花粉症の予防薬を服用しているので、以前ほど悲惨な症状が出ることはありません。でも、春が近づくと不安になるけどね。花粉症ってツラいっすよねぇ。

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　要するに、もともと好きこのんでヒゲを伸ばし始めたわけじゃないのだ。剃ることができない状況だったのでヒゲが伸び、「せっかく伸びたんだから剃るのはもったいない」というセコい考えで現在に至るわけである。まあ、勘違いされたままでも何の支障もないんだけどさ。

　「されても構わない程度の勘違い」シリーズは、ひとまず終了。そろそろ梅雨も明けて本格的な夏が来そうなので、次は僕が選んだ「夏にピッタリの歌トップ10」を発表する予定です。お楽しみに！　って言いながら、全然関係ないことも書くような気もしてるけどね。そういうヤツなんです。