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いぬかい五郎と「THE IDEON 発動篇」を観たよ。

2018-04-30 23:55:40 | キスオカントクのつぶやき

こんちゃっす。キスオカントクです。

今日は連休でヒマだと言って苦しんでいるいぬかい五郎と

「THE IDEON 発動篇」を見ました。
(もちろんTVシリーズ全話と接触篇を観た後でです。)

この作品、元はTVシリーズだったのですが、ラスト近くで打ち切りになり
その後、前半のストーリーの総集編の「接触篇」とTVシリーズで
予定されていたクライマックスを「発動篇」として、2部作を同時公開
(料金は1本分でした。)したもので、
その凄惨さと哲学的な内容はアニメ好きの青少年たちの魂を多いに揺さぶったものです。

そして現在、2018年の青少年のいぬかい五郎と
美中年のキスオカントクは魂を揺さぶられたく、
この作品と対峙したのですが、(カントクは何回か目、いぬかい五郎は1回目)
先程ご説明した紋切り型の表現ではやはりまた
到底語ることのできない、様々な感情を呼び起こされる映画でした。

富野カントクの前作「機動戦士ガンダム」では、人類がカンの良い
「ニュータイプ」という進化を遂げることで誤解から来る戦争を
回避できるのではないか?という試みでありましたが、

今回の「伝説巨神イデオン」と劇場版の「THE IDEON」では
人類の進化は描かれず、ひたすら続く逃亡劇とそれにまつわる
キャラクターたちの足掻きを描いて、ほぼ救いのない物語になっています。

では、見るのも辛いのかというとそうでもなくて、
先程の述べたキャラクターの足掻きがとても哀れで、
それに同情し、良心を満足させる「悲劇」になっており、
見終わった後も深く余韻を残す作品でした。

2、3例をあげると、

主人公コスモの敵にあたるバッフクラン軍の総司令官ドバ・アジバが
その長女である戦闘司令官のハルル・アジバから妹を射殺したとの報告を受け、
明らかに動揺しているがそれは隠して、「よくやった」と賞賛してしまうのですが、
自分の娘同士が殺し合いをしたというのに、血筋や立場を重んじるあまり
率直に悲しむことさえできないドバアジバの悲しさ、

父が部屋を出ていった後、妹を殺してしまった恐ろしさと自分の立場の重責から
つい昔の彼氏の名を呟いて涙するハルルアジバの隠された感情の発露、

ホントは好意があるのにケンカばかりしていたコスモに対し、
「これからはもう少し仲良くしようよね」と
語りかけたカーシャでしたが、むなしく戦死。
死んでしまった後の涅槃で目覚めさせようとキスをしても反応は無く、
コスモは後からきたキッチ・キッチンからのキスで目覚め、
しかし、カーシャは今までのようにハラを立てるでもなくチラとコスモを見つめて
微笑むいじらしさ、

今までTVシリーズで登場したキャラクターたちが意外な組み合わせでカップルに
なっていて作中でのトゲトゲしさや荒々しさは消え、仲良く宇宙の彼方に
飛んでいき、新たな生命を生み出そうとする星に到達する荘厳さ、

もー「やっぱ戦争ヤバイ!」「戦争やめとけ!!」「人間の命は小さく儚いがこそ
お互いに愛し合わねばならんのだ!」「そうでないと人類の末路はこうなる!」
とかイロイロ考えられるようなカツ丼全体をもう一度衣をつけてまた
カリッと揚げたような、そんな濃厚な100分でした。

皆様も機会があれば是非!一度ご覧ください!!(むさし土橋店店長)

ただし、濃いので年に何度も観られませんが…。

キスオカントクもイデオン目指してスペース・ランナウェイで作品作りがんばります!!