皆様、お正月休みで激太られておられますでしょうか。
カントクのキスオです。助監督はものまねのテレビを
見ていて更新作業を放棄いたしましたので、わたしが
一筆とらせていただきます。
きょうカントクが話したいのは、メタボのことやネトアニ
リニューアルの話や「ズバリ言うわよ！」が３月で終わる話じゃないんです。
お笑いのスタイルとそれのWEBアニメへの導入について、を一考察
しようと思うわけなんです。
お時間のある方はお付き合いください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現実世界（日本）での一般的なお笑い芸、というと漫才があげられますが、
漫才の形をとりつつ、コント芸だったり、またその逆だったりと
平成20年のお笑い芸は進化のピカピカまっさいチュウなわけなんですが、
それに伴い、スタジオ607のアニメはお笑い系であり、
その制作になんだか役に立つような気がするので、
カントクはこの「漫才」と「コント」の違いをボヤーッと考えています。
（なんで役に立つ、と思ったのかは忘れました。ククク。）
そんなカンジで、ボヤーッと皿洗いをしたり、洗濯物を干したりして、
ちょっとわかったようなことがありますので、一つご静聴ください。
「コント」は舞台の上で完結し、物語を語る、ある意味「演劇」。
「漫才」はお客さんの客層や雰囲気をみてネタを変えていったり、
あまつさえお客さんに語りかけたりする「話芸」。
カントクはどっちも好きなんですが、いまやっているアニメという形式は
このコントに近い。かなり近い、ていうかアニメは漫才かコントかというと、
ほとんどコント。
コントの良いとこは、シュールなりナンセンスなりの世界観をかなり作りこんで、
お客さんに見せることができ、さらに「キャラクター」をつくることができる。
（ここでいうキャラクターは演者の持つ個性、という意味ではなくて、
物語の中に生きるキャラクターってことです。）
この形式は、まるでアニメか映画か演劇を作るように、完成度が上がります。
カントクはいまネットアニメを嬉々として作っていることからも、これらへの
指向＆愛情は強いんです。
が、時々「漫才」を見ているとその形式の持つフレキシブルさ、
というか即応性に、激しく憧れのようなものを覚えてしまうのもまた事実で
あります。
そしてなんといっても、漫才はギャグのスピードが速い。
この速さがお客さんの笑いを加速させ、エネルギーを溜め込んで大きな爆発を
生み出します。
スピードに乗った漫才の面白さは「コント」の武器である「世界観」や
「キャラクター」を圧倒すると思います。
この速さこそが漫才の真髄であり、最大の武器なのですが、
この武器を、「世界観」や「キャラクター」に負けない強度を持って
いる、この「速度」をアニメにくみこめぬだろうかと！！
そういやあ、ＴＶアニメはどうだろうか？と考えてみました。
いまのＴＶアニメはその生産体制からみて、ギャグの速度を保つことのできる
「プレスコ」を週一で録音するのはかなり難しいと思われます。
「アフレコ」で速度を保つ試みもあるようですが、シンクロさせなければ
いけない絵と、そのタイミング（アニメ演出家の。）はあらかじめ決められて
おり、漫才であればまさに漫才師である声優さんにコントロールできる部分は
そう多く残っていません。（そんな中で日本の声優さんたちはすばらしい仕事を
されていることに異論はありませんが。）
結果、テンションは高いが、お笑い芸の視点でみると、なんだか間の悪い、
コントもどきの作品が多いような、いや、そういうものしか無いような気が
します。
嗚呼、しかし、これはもう工業製品であるＴＶアニメの宿命であり、言っても
しょうがないことなのかも知れません。ＴＶアニメは漫才の速度を組み込める
システムで作られてはいないし、そのシステムも（2008年時点では。）変えようも
無い、と。
でもワシは、もっと漫才ぐらいの笑いの速度と爆発力があって、カワイイキャラと
強烈な世界観のある、面白いアニメが見たいっ！！
……。
ああ眠い。
なんかクドくなってきたので、要は、ウェブアニメにそのアニメなりの
世界観と即応性の両方の可能性があるんじゃあないか、ってことが
言いたかったんですＹＯ！！
ＢＳのデジスタでＣＧキャラと漫才をするおにいさんが出てたんですが、
あんな感じで、さらにリアルタイムでお客さんのリアクションに反応できる
アニメっていうか、なんというか、「世界観のあるアニメ漫才」、
みたいなのが見たいです。
つーか、たぶんそんなの自分で作るしかないので、がんばります。
これからもご声援お願いいたします。
（なんか、ハードル上げすぎたような…。）
