ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

独演

2007-11-27 15:30:51 | ある『物語』の断片
風は吹きわたる
ハーモニカの音色を乗せて
誰もいない荒野の中
誰かを慰めるがごとく

「意味など元から存在しない」
「本人の意志に関わらず」
「誰かが後からつけ加えるものなのだから」

男はそう呟くと
再び演奏を始めた

それは、突き放しているようで
とても優しい音色だった

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