ある『物語』の断片

『物語たち』は語り始める。

旅の終わり

2007-10-08 11:34:42 | ある『物語』の断片
「あとは、任せたよ」

握り返した彼の手は
思っていたよりも温かく柔らかかった

「貴方が果たせなかった夢を
 僕が引き継ぎます」

自然と
その言葉を口にしていた

彼は寂しそうに
だけど嬉しそうに
軽く頷いた

「長く険しかった旅も
 これで報われたのかもしれない」

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