たびたびですが足袋のお話の２

古い写真ですので、状態悪くてすみません。
１８くらいのお正月、右はジサマで、黒の繻子足袋に桐下駄、
私は白足袋で黒い塗りのぽっくり…履いてたんでっせ、ほんまに。
真相をいうと「履かされてた」…バサマが二十歳までは履ける、と言って。

今日のお話は、足袋、というよりそれを履く「足」のほうから。
昨日コメントで「足の形」のお話がありました。
私の足は「ギリシャ型」です。

さあいよいよ足写真ですよ。
あっこういうの「ナマ足」ってんですかね。でもおばさんじゃなー。
というわけで、思いっきり白くしてごまかしました。アシカラズ。


　　　


ギリシャ型というのは、足の親指より、第二指の方が長い形。
親指のほうが長くて、だんだん短く斜めにさがっていくのが「エジプト型」
全体が横並びで平らなのが「方形型」。
このギリシャ型というのは、日本人では少ないそうです。
第二指が親指より長いので、母はよく「親より伸びるといって縁起がいい」
なんぞと言っておりましたが…アテにゃならんもんですな。

で、このギリシャ型というのは足袋のなかで、
二番目指さんが、けっこうつらいことになる場合があります。
足袋にもよりけりなんですが、親指との間というのは、
ちょうど足袋の指部分がわかれるところですから、
そちらの縫い目にひっぱられて、二番目さんのてっぺんがきついんですね。
そのためにも甲高用の足袋のほうがいいのですが、
やはり「足袋専門店」でないとなかなかみつかりません。
大量生産の足袋といえども、微妙な違いはあるので、
私は４本入るほうが少しでも出ているのを探すという涙ぐましい努力をしてます。
あんまりかわりゃしないんですが。
また知人で「方形型」の人が「どれはいても中で指が遊ぶ」と言ってました。
こうしてみると「エジプト型」のひとが一番足袋の形にあった足、
ということになるんでしょうね。
長いからと言って、シンデレラのいじわる姉さんのように、
指をちょん切るわけにもいかないし、です。
同じようなことでお困りの方、「むさしやさん」というお店があります。
HPをごらんいただくとわかりますが、いろいろなタイプの足袋を作っているので、
誂えなくてもその中から選べるわけです。
場所は新宿ですから、私もぜひ行って、足を見てもらって
自分に合った足袋を買いたいものだと思っています。

さて、では今度は足のお話…。
みなさんは、足の指全部開きますか？こんなふうに…。
ブサイクな足、恥ずかしいのでちっちゃい写真で…。


　　　　　　　　　


こういう風に広がるのは、血行がよくなって体にいいのだそうです。
女の人は広がるらしいんですが、男の人は苦手だとか。
自分で広がらないときは、手の指を足の指の間に入れて、
ちょうど手を組むようにしてやるといいわけです。
お風呂の中で、そうやって、ついでのことに足の指を縮めたり、
うんとそらせたりすると、とても気持ちがいいですよ。

ところで、ついでのことにあなたには「土踏まず」ありますか？
「土踏まず」という言葉も、こうして文字にしてみると、
まんまの名前で面白いですね。
この土踏まずが、人間にとっては大切なものだということは、
近年よく言われます。土踏まずは毎日の歩行によって形成されるものなので、
赤ちゃんの時はありませんね。最近の子供にない場合があるというのは、
どうしてなのかわかりませんが、土踏まずは形成されないまま大人になると、
あとから作ることはできないのだそうです。
今はあちこち、学校や保育園ではだしとか草履・ゲタの使用で、
子供のうちに「正しい土踏まず」を作ろうというようなことを
実施しているところもたくさんあるそうです。

考えてみれば、私は１０歳くらいまで学校から帰るとゲタはいて遊んでました。
ゲタというのは、靴に比べて安定がありません。
足全体を包んでくれないからです。
鼻緒だって、ゲタが足から落ちないようについてるだけで、
足をゲタに結びつけたりしっかり固定したりはしてくれません。

むかーしの「田ゲタ」には、鼻緒さえないものがあります。
ゲタでいうと鼻緒の「前坪」にあたるところに、
マッチ棒のアタマを大きくしたような形の短い棒がうちこまれているだけ。
つまり、その棒を足の親指と第二指で、はさんで歩くのです。
アタマが少し大きい分、上にすっぽ抜けませんが、
あとはゲタに足を固定するものは何もありません。
相当足指の力も強くなったでしょうね。
まぁ田ゲタとまではいいませんが、子供のころから「ゲタ」を履かせると、
土踏まずの形成に言いというのは本当のようです。
それと、そのくらいから履いていると「ゲタの履き方」を体で覚えます。

今のお若い方が、ゆかたで初めてゲタを履いたり、
振袖で初めて草履を履いたりすると、必ず足が痛い、鼻緒が痛い…と、
トラブルを起こします。ゲタは素足ですから、余計ヒサンで、
マメができてつぶれたり、真っ赤になって皮がむけたり(おぉイタッ）。
ゲタも草履も履くのではなく「つっかけ」て「ひきずる」もの、なんですね。
もちろん、デレデレずるずるとひくのではないのですが、
その加減というのが、言葉では説明できないのです。
鼻緒の前坪にしっかり食い込ませないで、ちょっと手前でとめて指で鼻緒を挟む、
これがなかなかうまくいかないんですね。
ゲタを履く様子を「カランコロン」といいます。（鬼太郎もやってる？！）
子供はゲタを「カッコ」といいます。あれはゲタを履いて歩いたときの
「擬音」なわけですね。そうやって音を立てるには、引きずるわけです。
今のゲタは音を立てないため滑らないために、薄いゴムが貼ってありますが、
気分は「カランコロン」で歩いてみてください。
少しは痛さが違うはずです。
それとゆかたで素足にゲタ、というときコンパクト式のベビーパウダーを
持っていくといいです。鼻緒も真っ白になっちまいますが、
足の指と甲にはたいてゲタを履くと、まさつが減ってラクですよ。

おかしなたとえですが、鳥というのは枝に止まると、あの足が自然と
枝をしっかり掴むようにできているのだそうです。だから枝から落ちない…、
それと似ていて、昔ゲタをはいてましたから、
鼻緒に足が入ると、自然と二本の指に力が入って前坪手前でとめて
鼻緒を挟んで強くつまむことを足が覚えてるわけです。
ゲタや草履になれない方、履き始めだけでもいいですから、
前坪手前で、意識的に親指と第二指で、鼻緒をギュッとはさむ感覚、
やってみて感じてください。
私は京都に行くと、いつも何キロも歩きますが、
新しい草履でも鼻緒ズレもしないし、赤くもなりません。
靴のほうが苦手です。草履だと痛くならないところが筋肉痛になります。
若いころよくもまぁ、１０センチのヒールなんか、がまんして履いていたものだと
今更ながらに「カッコよく見せたい」が優先していたことを思い出します。

おまけのお話…「丈の短い着物」を着るときは「５枚こはぜ」を履くと、
足首のみえるラインが上にいくので、着物の短さが目立ちません。
ただし５枚こはぜは冬は長くて暖かいのですが、
暑い時期はちとうっとおしいのと、なれないと正座がつらいです。



追記
ランキングの「ぽちっとな」ありがとうございます。
おかげさまで、一気に１０位で驚いてます。
今後ともよろしくお願いいたします。