以前にもアップしたかと思うのですが…そのうちの一枚です。絵羽仕立てなので着せ掛けてみました。
横に着物入れの桐の箱のデカイのが写りこんでてすみません。
地色は渋いし、柄はあっさりめ、裾模様だけでほかに柄はありませんから、
あまりかしこまらない訪問着です。
柄の部分はこんな感じ。柄を染めた上全体に、紗綾型の金彩がかぶっているので、
光ながらも柄がやわらかくなっています。
訪問着というと、もちろん礼装に入りますし、今は訪問着といえば留袖、色留のツギの結婚式用…
みたいに思われて、豪華絢爛なものが多くなっています。
たしかに上の訪問着ではあっさりメで、これで結婚式に出たらちょっと寂しい感じかもしれません。
でも、元々訪問着は、その名のとおり、どこかへのご訪問…でいいので、実は幅の広いものです。
以前にも書いておりますが、繰り返して…。
訪問着は明治維新後に生まれたいわば「歴史の新しい」分類の着物、です。
維新後、女性の立場が少しずつ向上し、それまで政治関係にはまったく締め出されていた女性も、
西洋にならって、たとえば晩餐会などで、夫と並んで参加するとか、そういった状態になってきました。
家の奥にいて当たり前だった良家の奥方様やお姫様がたが、外出したり、集まったり…。
そういう中で、留袖や色留ほど堅苦しくなく、かといって総柄の着物ほど砕けすぎないものがほしい…と、
そんなところから生まれたのが「訪問着」でした。売り出されたときは「散歩着」「訪問服」…。
つまりちょっとしたおでかけや、よそ様へのこ゜訪問に、オシャレで堅苦しくなく、かといって失礼でない…。
だから、ものすごく豪華なものもあれば、ちょっと銀座へ…といったあっさり系まで、
いろいろなタイプのものが考え出されたわけです。
元々、身分制度や貧富の差が大きかった江戸時代は、今の小紋にしろ留袖や振袖などの着物にしろ、
それを着られるのは一部の富裕層でした。そのころの着物は「絵羽付け」か「総柄」、
総柄というのは今の小紋にあたるものです。つまり柄に上下がないことと、全体に柄がはいるもの、の総称。
ただ当時の総柄というのは、いまよりずっと華やかで大柄…昭和初期あたりまで、それはまだまだ残っていました。
こんな感じ。
糸巻き柄です。
花尽くし
こちらは大きな紙風船
こんな着物、今は若いヒトでも着ていません。
元々江戸時代から大正あたりまで、年齢による違いというのは極端でした。
たとえば江戸時代は早いと16才くらいから、遅くも19、つまり20歳前に結婚するのが普通。
30ではもう年増といわれました。
そして、結婚を境に、娘でなくなることは「老け始め」のような感覚で、
「若妻」であっても「もう所帯を持った」ということで、手柄(てがら…髪に飾る絞りの飾り布)の色も、
赤いものから水色や薄紫などに変わりましたし、髪型もかわり、眉を落とし、鉄漿(おはぐろ)をつける…。
つまり、結婚という節目から一気にジミになる…そのあたりの境目が、今よりずっとハッキリしていたわけです。
そのため、娘のころは短い期間、愛らしく華やかに、色柄も赤く袖も長く…と、なったのでしょうね。
大正時代は「大正ロマン」と呼ばれますが、絹物も自由に着る風潮も当たり前となり、ジミだった明治をすぎて、
木綿や麻ではなかなか着られなかった花柄など華やかな色柄を、庶民も楽しむようになったわけです。
訪問着は、当初は富裕層の婦女子の着物でしたが、暮らしがよくなっていくと同時に、
庶民も「よそいき」として身に着けるようになったのですね。
それぞれの「階級」や立場、状況で、ジミなものハデなもの、落ち着いたもの、遊び心のあるもの、
モダンなもの、古典的なもの…と、自由な色柄で楽しめたのが「訪問着」だったのですね。
訪問着なんて用ないわ…と思うのですが、ちょっと高級な総柄の着物のかわり…くらいのキモチで、
楽しむのも、訪問着の使い方だと、私は思っています。
さて、この訪問着ですが、蛍光灯の下で見た限りでは、色あせやダメージはないように見えます。
お安く販売予定ですが、もう少しきちんと検品しませんとね。無責任なことはできませんから。
雪はさすがに「春の淡雪」…一時はこんなに積もったら…と思ったのですが、あめでさっさと解けて流れました。
車のかげや、石垣の下などに、わずかに残っていましたが、それも今日一日で消えたようです。
それにしても寒い冬、春の訪れまではまだ油断できませんね。
片寄って~(。-_-。) 今では柔らか物も、硬物も無地か柄もほんの少しが定番です。
母親も着物好きで、地味好き(^ ^) なので私は大半母の着物を洗い張りして、暇な時チクチク自分サイズに縫い直して着てるので、
お金使わないで感謝してます(^з^)-☆ 次は娘に!これが着物の良いとこなんですよね~何代も着てもらえる、
お婆ちゃまのなんか平気で着てます、すごくECOだと思いませんか(笑)。
結婚すると、娘として家にいる間は
総柄のこんなにも華やかな着物を
着せたいと思う親心わかりますね。
あっさり訪問着、上品ですね。
ナマ足も若さの象徴ですが、隠した可愛さも取り入れて欲しいです(^。^)
どんな服より、きものはとにかく目立ちますから(#^.^#)
私も母からの着物が多いのですが、
去年他界しましたので、いよいよ全部きます。
置くとこないから箪笥で置いといてと、
父にはいってありますが、これでもう
一生分ある…といいつつ、ほしくなるのが着物ですね。
私は単までしか縫えないので、そういう点は
ほんとに不経済です。
昔はみんな自分でやったものなのに。
上手に着て伝える…なくなりつつある文化です。
今の時代でも、親は女の子はかわいらしくと
やってますよね。
ウチは男の子ですから、赤もピンクもフリフリレースもなし。
夫と息子のせんたくもののジミなこと…。
この訪問着、私でも着られる色ですね。
アンティークも時代による変化があって、
なかなかたのしいものですね。
最近若い方も着物をお召しになるかたが
少しずつでも増えているようで、うれしいことですね。