これは嫁入りのときに自分で縫って持ってきたもの。おむつと同じところから「おひさ~」と。
3枚ありましたが、すでに着倒して…と思っていましたら、2枚出てきました。
といっても、たぶん、結婚した後も生地をもらって縫ったりしていますので、
確実に嫁入り時に持ってきたものは、これです。
なんせ古い話なので、記憶の引き出しをギシギシときしませながら、やっと思い出しました。
この柄、まぁこれだけ見れば、華やかで明るいです。
でも、当時手縫いしたものの中では「一番ジミ」だった…のであまり使わなかったのです。
何度か使った形跡があり、アイロンもかかっていますが、
晒し部分はちとしわしわ残ってるし、なによりもう茶ジミが…です。
今になったら十分使える色柄…というより、元々モスリンものの襦袢や裾よけは、
蛍光のピンクなどが使ってあって、結構ハデなんですよね。
40年ぶりの再会?・・・物持ちのよさを、また笑われそうです。
もちろん虫食いもありません。ははは、保管だけはウマイ?
紐のタイプではなく、先を三角にして挟み込むタイプ。
これに合わせて上のうそつきも、縫ったはずなのですが行方不明…まぁしかたありません。
さてさて、裾よけをつけるとき…のお話をします。
最初に…裾よけ、というのは、通常はじゅばんの下に着用するもの、をいいますね。
いわゆる「腰巻き・湯文字、蹴出し」と呼ばれるもの、でも「うそつきの下」も裾よけ、と言います。
二部式じゅばんとして下を付けるときは、これがじゅばんの代わりになりますから、
更に下に裾よけをつけるわけです。夏場はナシだったりしますが、モスリンはちくちくしますので。
その裾よけの着付け方の基本。まぁここにいらっしゃる皆様には何をいまさら…のお話かもですが、
ビギナーさんもいらっしゃるかなーの気持ちで…。
とりあえず…
裾よけってこんな感じの形があります。(相変わらずのザザッとおえかき)
ただの長方形に紐付き、端が三角で紐付き、そして上のようなただの三角。
下着として着用する場合は、左の二点がほとんどです。
色は「下着」として着る場合はほとんど白、薄いピンク、薄いブルー、男性はグレーなど、
また粋筋などは真紅など、いずれにしてもほとんどが無地で使われます。
二部式の下として「うそつき(半じゅばん)」と合わせて着る場合は、袖と同じ色柄にして揃えたり、
また今の時代「うそつき」を着るのは普段着が多いので、上のモスリンのようなものや、
絹でも色柄の華やかなものを使うことが多いです。
私のものが紐がついていないのは、普段用の「半襦袢の下」、つまりじゅばんの変わりだから。
ではなぜ「下着」として着るのに紐があったほうがいいか…。
まず晒しの幅ですが、微妙に違いますのでとりあえず着けるときは「裾線」を気にしてください。
じゅばんより少し短めです。これで長さを決めると、晒しの位置も決まります。
着物と同じように、体のうしろに裾よけを当てたら、まず右前の位置を決めて、一度開き、左を巻きこみます。
左の前を重ねたら…ここからは下のヘタッピお絵かきで…
巻きつけたら両端の角のところを持ってそれぞれ斜め上に引き上げます。これで裾つぼまりになります。
指をうまく使って、飛びだしている三角部分を下に折り下げます。
次は後ろから見たところです。前だけ折り下げた状態で紐を後ろに回し、交差させて前へ。
ここで紐を結びますが、この結ぶ位置はおなかではなく少し下。
着物を着たときの腰紐を締める位置と同じでもいいのですが、痩せていたりすると重なって
痛くなったりしますから、少しずらすといいかと思います。
前を折るのは、もちろんすっきりさせるためでもありますが、裾よけがズリ落ちないためでもあり、
またここに厚みを持たせることで、わずかながらでも補正になります。
同じく後ろのギャザーシワシワも、直さずそのままでOK、これも、たったこれだけでも、
襦袢を着るとそこがすこし膨らんで補正の助けになります。
今は補正具も、それぞれの部位用にいろいろ出ていますが、昔着物ですごしていたころは、
そんなにあちこち補正なんかしていなかったはずです。あるもので、着方で…ですね。
時代が変われば、細かいこともいろいろ変わります。便利なものが出てくることもありがたいですが、
便利だ便利だと、いろいろつけてると、それを使わないと着られなくなる…なんてことにもなります。
私なんか最初から帯揚げ止めをずっと使っているので、使わずに帯を締めるのがヘタです。
まあそれぞれの着方ですから、何を使っても構わないのですが、
いつも言うとおり「方法はそれだけではない」を知ること、「でなければならない」と決めないこと、です。
一応原則としてね…という知恵として頭の中にいれ、なんでそうするかを理解すれば、
「応用編」が楽になるのです。
こんな陽気のおかげで、昨日は風邪気味で頭痛と戦ってました。
昼夜の気温差が大きいので、パジャマは長袖にしないと、朝方寒い…で、風邪ですがな。
皆様もお気を付けください。
こんばんは、また遅くなりましてすみません。
ご理解いただいて、うれしく思っています。
実際私がこのブログを始めたころから、
なんでこんなことを知らないのかな、という疑問がたくさんあって、
あぁ伝わっていないのだと気づきました。
私の母は着物が好きな人でしたから、私は子供のころから、
自分のワードローブの中に、当たり前に着物というものがありました。
それゆえ、着物についての知識とともに、自分でチョイスすることも、
自然と身についていたのだと思います。
おっしゃる通り、現代人は「既成」という中で暮らすことが増え、
マニュアルが重視される傾向で、なんだか「はずれるとまずい」、という
妙な観念ができてしまっている気がします。
ずっとあれこれ書いていくつもりが、我が家も高齢者家族になったりして、
以前のように精力的に毎日書くということができなくなりました。
それでも少しずつでも、着物は自由なものなのだということなど、
これからも綴りたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。
ご体調崩された時に丁寧な大変お返事、誠にありがとうございました。同じく御礼が遅れて失礼致しました。
ご説明下さった趣旨、理解、納得致しました。祖母世代からの古い着物を四苦八苦して着ておりますと、仰るとおり、嫌でも自分で工夫して何とかする、本来はそういうもの、という認識に至ります。
自分を含めた現代人は、何でも既製品からサイズを選んだり、希望にぴったり合うものを探すことに重点が置かれ、慣れていますので、構造を知らないまま、創意工夫が出来ません。
自分で考え、工夫する。古い着物からその力を学びたいと思います。
こちらのサイトの内容は今では忘れられたこと、深くて、有り難いことばかりです。これからも学ばせていただきます。
コメントありがとうございます。
ひこうき、のところでもコメントいただいておりましたのに、ちょっと体調よくなくて、お返事が遅くなりました。
本当にすみません。
裾よけですが、実は着物に関してのことって、けっこう「いいかげん」なことが多いのです。
いいかげんというとひどい言い方ですが、緩いといいますか、
そのあたりは適当に…というような意味です。
なぜかと言いますと、元々着物って今のようにビシリと着るものではなかったわけです。
更に言うなら、あんな大きくて四角いものを、デコボコだらけの
人間の体にまといつけて着るものです。
あっちこっちにしわやたるみが出る…それをうまくたたんだり広げたりして、
体に合わせて着るものです。
だからこそ、着物のサイズはかなり大ざっっばで、ウエストが10センチくらい変わっても着られるわけです。
そういうものですから下着とて同じことが言えます。
現代人はサイズというものにこだわって、たとえばブラウスの袖が長すぎたら、
他は問題なくても「着られない」になります。
どうにかしたければ解いて袖丈だけ作り直すとか、デザインにもよりますが、
カフス部分をカットしてしまうとか…。
着物はそんな場合に「じゃ上の方でゴムでもとめて短くしよう」という考え方に近いわけです。
そのゴムが外から見えたらカッコ悪いから、そこを考える…
それが着物を着るときの工夫ということになります。
つまり、着物って(中に着るものも含めてです)ほぼ「応用編」なんです。
先の部分が長くてピシっと挟み込めない…のなら、
別にピシっとならなくてもいいか…から始める…。
そもそも裾除けのウエストは、いずれその上に着物を着る、腰ひもを締める、帯を締める…とやっていったら、
そんなにずるずるとと下がってくるようなことはないものです。
だったらびしっと挟み込まなくても、適当に折りたたんで
「端」部分だけはごろつかないように収める、といった程度でいいと思っています。
どうしてもきちんと締めたかったらカットして挟み込める長さにする、
ついでにもっときちんと締めたかったら、
その三角の先に細い紐を縫い付けて、それで引っ張って結ぶ…。
こんな風に臨機応変で変えるのが「応用」なんです。
あまりいいお答えにはなっていないかもしれませんが、
こうでなければならない…は、少なくていいし、自分でする工夫が、
結局「その人に合ったコツ」ということです。
ということです。
イラストの3番目のヒモがないタイプです。モスリンの派手な柄も似ています。
巻き方はわかりましたが、ヒモはどう結ぶのが正解でしょうか?(今までは腰紐で適当に縛っていました)
いえいえ、ほかにも書いた記憶があるのですが…。
タイトルにちゃんと必要ワード入れないからもう…です。
こちらこそすみません。
それと、gooのブログ内検索は、全くアテになりません。
以前、大幅リニューアルしたときから、
急にそうなりました。困ったものです。
ちゃんとタイトル入れても、出ないこともあるんですよ。
何のための検索かと思います。
わざわざURLありがとうございます!検索不足でごめんなさい。
モスリンも今はかなりのお値段なので、
大事に使いたいと思います。色目が特徴的ですよね。
長じゅばんについて、とりあえずこちら・・・
http://blog.goo.ne.jp/tombo624/e/eb1549b8e64d6145c151f6a793cf9eea
いろいろ書いてきたので、自分でもどこに何を書いたか…です。
繰り返しのお話でも、また改めて書くつもりでいます。
なにかリクエストございましたら、お題、くださーい。
各種取り揃え?で、あれこれ使います。
最近はとにかくどんどん手抜き…ですねぇ。
モスリンは虫食いが…と母がうるさく言いましたので、
しっかり密閉でした。おかげさまでよく残ってくれてます。
絹のじゅばんは、どんどん淡くしまりのないものになっていきましたが、
モスリンは今でも結構ハデですね。蛍光色満載です。
写真のもの、写真とるのにちょっとたたみましたのでみじかくみえますが、
私、当時やせてましたので、これで結べました。
少し太目になってきてからは、面倒なのではさみこみですが、
元々おウチ着物くらいでしたので、これで十分でした。
こういった下に着けるものほど着物本には載っていない現実。チクチクするとか静電気って着てみて初めて気付くんですよね。説明して頂いてありがとうございます。
そもそも昔は裾よけなど手作りだったから、形色々あって当たり前なんですよね。
長襦袢(一部式、二部式)も今度詳しい解説していただけたら嬉しいです!
使っていません。
裾つぼまりにしてから折り下げ・・・忘れて
いました。
それにしても上手に保存されていますね。
モスの柄って、独特の色合いで何となくなつかしいです。
子供の頃は、着物もありましたが、子供用布団の側とか座布団とか、色々ありました。
シミあり、残念ですね。私だと、見えないところなら1回洗って普段に使ってしまいそうです。
裾よけ、襦袢の下のものは買ったのが紐付きだったのでその形で作ってますが、肌着として作るときは長さ30cmちょっとの細長い三角にして後ろで結んでます。
PCで湯文字を検索した中で、この長さだと後ろで結んで腰の補正代わりにもなるとあって、実際うまく結び目を潰すと腰の補正タオルを減らせます。
湯文字の長さは総丈50cmくらいが多かったのですが、私は化繊や絹も直接肌には駄目なので、膝下20cmちょっとくらいの長さにしてますが。