
当然ですが、右が新品、左が数年経っているもの。
なんでこんなに違うのか…原因はいろいろですね。
先に木綿のきばみのお話しをしましょう。(最初から脱線してすみません)
まず、木綿モノが黄ばむ原因のひとつは「皮脂汚れの酸化」です。
もうひとつは木綿というものの性質による変化。
元々木綿は雪のように純白ではありません。よく「生成り」といいますが、あの色が本来の色。
糸を製品にするときに「漂白」という処置をするので、あんなに真っ白になるわけです。
最近の洗剤のCMを見ていると、真っ白になる…という表現より、汚れ落ちがいいとか、香りがつくとか、
ふんわりしあがるとか…そういった表現が多いですね。
昔はなんでもとにかく「真っ白になる!」がウリでした。そりゃ汚れが落ちて白くなるならありがたいですから。
ところが、これが実は汚れが落ちて真っ白になるのではなく「蛍光剤」で白く染めているのだという知識が、
一般にもひろまったため、そういう表現がへったのでしょうね。
「蛍光剤」って何でしょうか…。蛍光剤を使うとどうしてて黄ばんだものが白くなるのか。
あれはつまり「光のスペクトル」のなせるわざ…なんですね。
黄ばみの話がまた横道にそれますが…物の色っていったいなんでしょうか。
人間の眼は、光によって色を感じるようにできている…これは学校で習いましたね。
私、その話を聞いたときから「じゃ物にはほんとは色ってついてないの?」と思ったのです。
そのことについて、先生が「そういうことだよ。たとえば茄子は紫、トマトは赤…だけど、
それは本当は紫色や赤い色をしているのではなく、その色の光を反射する服を着ているのと同じだ」
みたいなことを言いました。だから光のないところでは、反射が起きないから何も見えなくなるのだ…と。
それぞれの色は「光の波長」が違うので、その波長にあった「服」をきていることで、
光があたったとき、その色が見えるわけです。白い服を着ていても赤色灯の下では赤く見えますよね。
科学に弱い私はうまく説明できないのですが、最近蛍光灯でも「自然色」とか「クール」とかあって、
出す光が太陽光とどう違うかで、黄色っぽく見えたり、青っぽく見えたりしますよね。
あれは「その色の光を反射するから」…というわけです。
さて、それを踏まえて…です。黄ばみは、もともとの木綿の生成りにもどったり劣化したりしているわけですから、
そこに「蛍光剤」というものでカバーをかけてあげると、反射がかわって「白くみえる状態になる」わけです。
だから蛍光洗剤は「汚れが落ちて白くなったんじゃない。蛍光剤に染まっているだけだ」と、反論が出たわけです。
その時に問題になったのは、肌着など直接皮膚に付くものに対して「蛍光剤」は安全なのか…ということでした。
今回それはこちらに置いといて…とりあえず、蛍光剤の入った洗剤で洗うと、一時的には白くなります。
しょっちゅう洗うものなら「染め続け」られますが、あまり洗わないものだと、いずれ「蛍光剤」が落ちて、
元の生成りに戻ります。生成りでいいじゃん…と思うのですが、新品の白いシャツなどみると、
蛍光剤ナシの洗剤で洗ったものは、なんか薄汚れて見えちゃうんですよね。
で、黄ばみですが、このもともとの色に戻ったり繊維が劣化したりするのと、眼に見えない皮脂汚れの劣化、
これが大きな原因なわけです。木綿は丈夫ですから「煮洗い」をすると、かなり黄ばみも取れますが、
色物の木綿は色落ちなどもしますからねぇ。
こちら「お試し」の画像。
まずは普通に洗濯した画像、もう一度洗うつもりでしたので、シワも伸ばしてませんですみません。
左が新品の白です。右側、黄ばみというより茶色っぽく見えますね。とくにフチに近いところほど変色があります。
こちらが「煮洗い」したもの。右側、上のと比べると、かなり白くなってますでしょ。
真っ白にはなりませんが、全体にさっぱりします。お鍋でぐつぐつ煮ただけです。
さらし木綿を使って何か作るとき(うそつきや肌じゅばんなど)は、まずよく洗うこと、これは「糊落とし」です。
糊が付いていると、それだけで色変わりしますから…。しょっちゅう着て洗うならいいんですけどね。
長期間しまうときは、何回も着ていなくても「皮脂」は付いていますから、一度洗濯すること、
そのときに面倒でもお湯を使うと、より黄ばみは落ちます。
もうひとつの「白く」する方法は漂白剤を使うことですが、これは原因を根元から消してしまうので、
だいたい白くなりますが、塩素系は生地が少しずつ傷んでいきます。使用する量や回数に注意ですね。
というわけで、トップ写真の「きいろーいさらし」は、元々糊はおとしてないわ、長いこと袋に入れっぱなしだわで、
何もしないであんな色になっちゃいました。みすぼらしいので、そのうちウコンでまっ黄ッキに染めたろかい、と思っています。
ではようやく「本題」に入ります。
これは過去にも何回か書いておりますが、家に小さいお子さんがいる、あるいは高齢者で特に足腰に不安のある方がいる、
もうひとつは、更にそれでマンションなどの高層階に住んでいる…という場合などに、
ぜひひとつ、作っておいて頂きたいと思う防災用品です。
息子が養護学校の小学6年生のとき、修学旅行の説明会で教師に「これを作って持たせてください」といわれたもの。
宿泊先は「ディズニーランド」横のシェラトンホテルでした。養護学校ですからクラスほぼ全員が車イス。
生徒一人に教師二人ずつの人員でしたが、地震などではエレベーターは使用できません。
車椅子は階段を下りて逃げるのには向きませんし、例えばどこかで壁一つつくずれたらもう進めません。
なので「万が一の時は、教師が生徒をおぶって逃げますので」といわれたわけです。
なるほどなーと思って、私はそれ以降、いつも息子のいるすぐそばにこれを置いているわけです。
昔のお母さんのおんぶは「晒し」をよく見かけました。
晒しは幅がありますから、前でバッテンにしたとき、苦しければ布をひろげられます。
昔は大きなおっぱいを丸ごと包み込むようにしていたおかあさん、よく見かけました。
またおぶわれているヒトのお尻の部分も、広げるとスッポリ包んで安定がいいのです。
大人が大人を背負うときは、重さで下に下がりますから、これは有効なんですね。
洗った新しい晒しが乾きましたので、予備としてもう一枚作ることにしました。
この際アイロンかけは省略、一度全部広げて長さを半分に折り、合わせるほうの端っこを中に少し折って揃えます。
この合わせ目をまず縫い合わせます。そのあとはひたすら両脇を縫うわけです。
片側終ったら、また元の「あわせ目」から縫い合わせます。
反対側から縫うと、少しずつずれたりして、最後があわなくなったりゆがんだりしますので。
最後に輪になったところもおさえのために縫います。
もちろんミシンでやれば早いんですが、私は手縫いをお勧めします。
もしものとき、晒しは包帯や袋など、利用価値がたくさんあります。そのときにミシンだと解くに解けないので…。
だいたい10メートルを半分にして周囲を回りますからやっぱり10メートル縫うことになります。
けっこう長いのと、絹と違って硬いので縫いにくいです。がんばれがんばれ…です。
運針のいいお稽古になりますよー。これが縫いあがったもの。
これを更に半分にして真ん中を出します。そこに何でも良いですから「消えないマーク」をつけます。
ちなみに古いものには、四角い布に住所など書いて縫い付けてあります。
今回、とりあえずの真ん中で「シール」貼ってあります。
この真ん中がでるようにして、残りを後ろ側で折りたたみます。
折りたたんだものを更に半分に折ろうとしているところです。
とりだすときマークがすぐ出るようにして、テキトウな袋に入れ、常時手の届くところにおいておきます。
こうすると、取り出したときマークが中心なので、ここを相手の背中に当てれば、
左右の紐部分の長さが均等になります。
できれば、日ごろ一度実際に、訓練しておくことをお勧めします。
大人や体の大きめのお子さんなら、高い目におぶること。本人にもしっかりつかまってもらいます。
片マヒなどで力が入らない場合は、マヒのあるほうの手をおぶる人が前でつかむと安定します。
右手がマヒなら左手で、左手なら右手で、つかみます。
おんぶは、よほどお相撲さんみたいなヒトをおぶらないかぎり、立ち上がりさえすれば、なんとか歩けます。
相手がベッドの上にいればそこで、部屋ならイスにすわらせておぶるとラクです。
複数のヒトがいるときは、おぶる側のヒトの腰バンドあたりをもってひっぱってもらうとラクです。
災害はどんな状態になるかわかりません。とにかく「逃げる」必要があるなら、これが有効だと思っています。
というわけで、本日10mの運針で、指いたーい…とんぼです。
随分綺麗になりますね。
おんぶひもの使い方もう忘れています。
備えは必要ですね。
運針お疲れさまでした。
木綿の白いものなら生地を傷めないので実行したいと思います。
たしか、韓国は白の文化らしく、普通の全自動洗濯機でも熱湯で洗う機能が標準装備らしいです。
お国柄?
これは準備しておくと役に立ちそうですね。
今、非常持ち出しの見直しをしていました。
阪神の時に作ったのですが、その後、数回、水や食べ物などを入れ替えたものの長い間ほったらかしにしていました。
開けてみれば賞味期限の切れたクッキーや子供の下着などが出てきて思わず笑ってしまいました。これではいけませんね。
漂白と言うことで、昨年お天気の良い日に雪の上に麻布だったかな木綿だったかな?を広げてみました。
これがナカナカ効果があってびっくりでした。
お湯が薄茶色になりました。
手間は掛けてみるものですね。
最近のお母さんはおんぶしませんから、
おんぶした姿を見なくなりましたね。
私もシミュレーションしておかないとです。
運針、久しぶりにしんどかったです。
煮洗いは、母も小さなものは、やっていました。
まさか一反晒しをすることになるとは…です。
真っ白にはなりませんが、さっぱりします。
洗濯は風呂の残り湯…とかもいいますね。
お湯が標準装備とは…びつくりです。
日本の洗剤は、普通の水温で一番よく働くように
できていますから、
日本じゃおんなじでしょうかねぇ。
私も半身の時はしばらくたってうやむや…になってしまいましたが、
昨年来、賞味期限などもチェックして揃えるようになりました。
まだまだあのときの怖さが残っています。
この負ぶい紐は、ひとでなくても、例えば大きな荷物なんかも
おぶって逃げられます。金庫とか…ないわ、ウチには。
雪晒しはいいですねぇ。麻なんかきれいに白くなりますでしょう。
ここはもし雪が積ったら、横のゲレンデ坂道で、
やってみようかしらん?!
この記事を読んで、初めて、お子さまのことを知りました。
私も、今は知的、その前は聾学校、その前は肢体不自由の学校で働いていました。さらしのおんぶひもは初めて知ったので、良いことを教えていただいたと喜んでいます。縫い方はわかったのですが、おぶい方はどんな感じですか?ひもの中央をお子さんのお尻にあててわきの下を通し、自分の両肩から下げてクロスして、その先はお尻の横の脇腹のところを通して前で結ぶのでしょうか?
でも、これって、文では表しにくいですね…。
支援校の先生は体力ないと勤まりませんね。
おんぶは普通の負ぶい方と同じです。
まずさらしの「シルシ」をつけたところを、相手の背中に当てます。
左右のさらしを相手の脇の下に通して前に出します。
ここで相手の前側に自分の体を後ろ向きに入れて、ひもを自分の両肩にかけます。
前かがみになりながらさらしを引くと、相手の上半身が、自分の背中につきます。
体の大きい人は自分が前かがみにならないと、うまく背負えません。
ここでさらしを前で交差します。
このとき、昔お乳の大きなお母さんは、晒しを開いて、
自分のお乳を包むようにしたものです。さらしが食い込んで痛くないようにですね。
つぎに交差したさらしを自分の腰からうしろに回し、
相手のヒザのうらあたりを通るようにして、相手のお尻の下で交差します。
背負う相手が大きいと、ヒザよりも上になりますが、あとで修正します。
交差したさらしをまた前に持ってきて、おなかのところで結びます。
子供の場合はここでしっかり結んでもナントカなりますが、
相手が大人や体の大きい人の場合は、修正するので(その時間があればですが)
少しゆるめに結んでおきます。
このあと相手のお尻の下にまわっているさらしを広げると、お尻を包み込むことができます。
ゆるみがあれば、ここで前を結びなおします。
ここで立ち上がりますが、ゆるくて相手のお尻が下がるようなら、
ちょっと反動をつけて、余分なゆるみを少なくするように締めなおします。
相手の体の大きささや障害の状態にもよるのですが、
こちらの肩の上にしっかり腕を回してつかまれるような状態なら、
おぶるときも、相手に立ち上がってもらうとかここでつかまって…と、
声をかけたりすることで、作業はラクになります。
だれか補助の人がいるときには、さらしを広げたり、そういうことを
手伝ってもらいます。
これはシミュレーションしておくのがいちばんなので、
おぶる相手が決まっているときは、訓練しておくといいです。
相手が重い状態で、しかも自分では何も動けないなどの場合、
床に座らせてすると、こちらが立ち上がるのがタイヘンですから、
ベッドやイスに座らせるのがベストです。
うちの息子は、小学生高学年くらいの大きさ(身長)で27キロですので、
まず抱えてイスの近くならイスに座らせ、もしなければ床に座らせて、
全部の作業を一人でやりますが、立ち上がるときがたいへんなのです。
テーブルなどつかまれるものがあるところでやるか、
近くになければ、負ぶってから柱やテーブルなどあるところまで、
そのまま四つ這いで、這っていきます。
ムリをすると、自分の足腰やひざを痛めて、歩けなくなりますから。
赤ちゃんなら、片手でお尻を包んで、ひょいと背負えるんですけどねぇ。
今のお母さんはおんぶをしませんから、コツもわかりづらいと思います。
おばあちゃんくらいの年代のひとに、どうやって赤ちゃんをおぶっていたか
聞いてみるといいですよ。曲芸みたいなことやってます。ひょいって…。
すみません、追記です。
誰かいるときは腰の辺りを持ってもらって…
と書いたのは、逃げるときです。
両脇から腰の辺りのバンドでもつかんで持ち上げる感じで支えてもらうと、
走りやすいですから。
そうですね。そういえば、赤ちゃんはお尻を満ちあげてひょいと背負っていました。
勤務先の生徒は、ほとんどが歩けますが、災害の意味が理解できない人も多く、また、怖さで腰が抜けたりしたら、肥満の人が多いので、どうやって非難させたらいいのかと思います。自分より軽い人はほとんどいません。100㎏級の人も多いです。いざ、災害が起こったら、我々も共に何人か死ぬかなあと話したことがあります。
去年の5月に修学旅行でディズニーランドに行く予定でしたが、舞浜も被災地であるということで、教育委員会からストップがかかり、九州に変更して行きました。
災害への備えは大切。これからも、よく考えて、備えて、生徒たちの日常を健やかに安全に支えていきたいと思います。