ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

羽織の解き

2010-02-15 21:49:31 | 着物・古布
今日も雨で、明日は雪だといっています。よう冷えますわ。
だもんで、すでに解いてあるものの確認などしておりました。
オリンピック見ながらやってると、仕事になりまへんがな…。

で、写真の「橋柄」は羽織の解きです。そんなに古いものではありませんし、
あまり着られていないので、洗って仕立て直すかなぁ…また私物化…、
と思ってよくよく調べたら、衿に汚れがあるんです。
これはよくある「茶シミ」と、もう一つは何かの色移り…。

  
   


薄紫の方はなんとか消えるかもですが、茶ジミの方はムリかなぁです。
プロに相談してみないとですね。
このシミは衿の下の左の方、縫込み方を工夫すればなんとか隠せる位置なのですが、
もう一箇所、衿のちょうど首の近くあたりに同じようなシミがあります。
これがまた、下のシミと反対に真ん中から右についているので、
ねじってでもつけない限り(できまへん)、首近くかすそかどちらかに出てしまう~。
なかなか難しいものではあります。裾にしたほうがめだたないですね。

それにしても、また私の好きな「波柄」、なんかこう、動きがあって好きですー。
橋は着物の柄としては夏の柄にも使われます。橋メインだったり、
橋が真ん中でそのまわりにある花とか水草とかで風景になってたり…。
こんな風にただ水の流れと橋、というのはあまりないですね。すっきりしています。

橋柄は「八橋柄」というのがありますが、八橋は単純に板がジグザグにつながっているもので、
橋というより「わたり板」みたいな小さい橋のことです。
そこに杜若(かきつばた)というのが有名で、これは愛知県知立の「八橋」からの題材。
でも、いろいろ帯や着物の柄を見ていると、この羽織のように、
りっぱな太鼓橋風の橋が交互に並んでいるものも「八橋柄」なんて書いてあります。
ただ「橋柄」というよりもインパクトあるからでしょうか。

日本の「八橋」には、伊勢物語の言い伝えなどがありますが、
中国には「九曲橋」があります。中国では「悪魔はまっすぐにしか進めない」という
言い伝えがあるそうで、台湾のえーとなんとかいう湖に、これがあります。
立派な橋が、日本の「わたり板の八橋」のように、ジグザグに架かっています。
まっすぐ進めないなら一回曲がりゃいい…なんてのは野暮ですね。

さて、これからお天気になったら伸子張り…と思っているのに、
なんたって雨模様の上、明日は雪ですと…。三寒四温たぁ申しますが、寒すぎるっての。
来週からは暖かくなるそうですが…今年は雪の回数がやっぱり多いです。
積もるほどではないので助かってますが。
というわけで、伸子張りは晴れたら早速、の予定です。

ところで、オリンピックですが「その柄」のものは…と考えてみたんですが、
それがないんですよねぇ。確かにたまーに「オリンピック柄」の羽裏とかでるのですが、
やっぱり高くなるんです。時節モノですしね。
スポーツものだと、野球の早慶戦とか六大学とかはけっこうあるんですが…。
我が家にあるのはかろうじてこれ一枚、かなり前にアップした「馬柄」。
これだけじゃ「タダの馬柄」なんですが、茶のおんまさんの馬具に「日の丸」と「五輪」
ちいさくてよく見なきゃわかんないんですけどね。

   
  


なんか冬のスポーツ柄のものは…と考えて、ふと思い出したのがこちら
「なんだかな~柄」のひとつでした。一応、スキー柄です。
すごいでしょう、なんたってスキーの板、前も後も丸まってます。
これなら後ろ向きにも滑れる…ってそーじゃありませんね。


           


スキーが日本に最初に伝わったときは、ストックではなく竹ざお一本で
バランスを取ったそうです。よく見るとこれもストック一本なんですよね。
古ーいものですので、もしかしたら「スキー」を知らない職人さんのお仕事だったかも。
さて、今夜もダイジェストなどみましょうか。     

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2010-02-15 22:53:32
余計な色が入っていなくてすてきな
柄ですね。
反幅使っている衿なら逆に着け変えたら
隠れないかなぁ・・・と頭をひねって
しまいますね。

お馬さんの日の丸と五輪、私だったら
見逃していますわ。
返信する
羽裏って面白い (和ごころ)
2010-02-15 23:21:32
羽裏の柄は、楽しいですね。

私も、大胆な梅柄、本の柄などが手元にあります。羽裏として使わずとも、何かになるかなと思って。
台湾の橋のお話し、なるほど~と思いました。
私は、幼少時代(幼稚園)台湾で過ごしたのですが、記憶はあまり無くても、写真が残っています。
池にジグザクに橋がかかってる場所は、覚えてます。そういう意味があったですね。
なるほど!
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っひょー! (りら)
2010-02-16 08:30:17
これ、羽織なんですね!!
着物としても、表に着るものとしてはちょっと珍しい色柄なんじゃないでしょうか?

リアルなお馬が、立派ですねぇ。
きっとオリンピックの時期なんかに、お茶屋さんかなんかで「まぁ、たぁ様、粋な葉裏付けはって・・・」なぁどとモテたんじゃないでしょうか?
スキーの方は、帯にしたい!!っと萌え萌えしてしまいましたです。
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Unknown (こいけ)
2010-02-16 18:33:05
すてきな羽織。黒地の小紋羽織は飛び柄か絞りかって感じですから、珍しいですね。

お馬さんのはロス五輪のバロン西ですね、きっと。

スキー柄は、スキー靴もはいていないし、手袋もせず耳を出した帽子ではしもやけが心配。雪もものすごいぼたん雪ですね。こちらは猪谷さん以前どころか、冬季オリンビックなんてなかったころのものでしょうね。多種多様な染織、楽しく拝見しています。
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Unknown (とんぼ)
2010-02-16 18:43:54
陽花様
モノトーンなのに、結構目立つ柄ですよね。
衿のシミは、なんでこっちについてないのよ、と
ムリなことをつぶやいてました。
きれいにして羽織になったらいいんですが…。

お馬さん、もうちょっと五輪って
はっきりわかるものをつけてくれたらいいのに
いちいち説明しないと、みえないんですー。
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Unknown (とんぼ)
2010-02-16 18:46:12
和ごころ様
羽裏は「キャンバス」ですね。
ありとあらゆる柄があって楽しいです。

記憶力が悪くて「澄」という字の入っていた
湖だとおもうのですが…。
昔行ったことのある主人も「きれいな橋だよ」
で、どこよ…どこだっけ…ですー。
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Unknown (とんぼ)
2010-02-16 18:50:43
りら様
なんというか、色はジミでも柄ははで…みたいな
変わった柄です。
少し地厚の綸子で、ちょっとしなやかさに
かけるかなーですが、着てみたいです。

この馬柄ははぎあわせて正方形になってるんです。
しかも裏がついてて「袷のふろしき?」なんですよ。
フシギなリフォームです。
きっと、いわれてたでしょうねぇ。
「粋やわぁ」とか。
スキーはねぇ笑っちゃうでしょう。
たいして分量がなかったとおもうんですが、
これ、インパクトありますよー。
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Unknown (とんぼ)
2010-02-16 18:54:55
こいけ様
ついでに騎手も描いてくれりゃ…いえいえ、
これだからいいんですよね。

スキー柄はすごいでしょう、
しかも平らなところで滑ってる?…。
小さい「こぶ」はモーグル???
この時代ないってば…。
雪もすごい描き方だし・もうこれを見たときは
笑う前に、ボーゼンとしました。
これがつかわれてたんだーって。
おもしろいですねぇ。
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