![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/02/1c4f27f0c587cb8c8a635cadb8cd3474.jpg)
この前アップしました、元の着物の写真です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/4c/67e00dcac6de2d8e8af321095313fddd.jpg)
記事では「迷ったけど共八掛ではないから付け下げ」と書いたのですが、
柄は無くとも、同じ染料で無地を染めているとのことで「訪問着」だそうです。
解いてみればすぐわかったのですが、解かずに持っていきましたのでわかりませんでした。
で、この訪問着を「羽織にしたいと」…呉服屋さんに持ち込みました。
とりあえず柄合わせの相談で、この状態で持ってこられたのがこちら。
袖が無くてすみません。
さすがプロの和裁師さんで、切ってしまってからでは直せないから、と
解いた状態でこんな感じに、と仮縫いしてくれました。
ずるずるの写真で「何じゃこりゃ」ですが、前の部分は、こんな感じです。
真ん中の縫い目は背縫いですね。衿にうまく柄が出てくれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/bf/35aa62daae29fdc6459ef0923a937508.jpg)
なんでこんなことを考えたかと言いますと…
実は、手元にある古い「繰り回し」の本にこういうページがありまして、これを見て以来、
「両褄柄」の留袖を見るたびに、これ、やってみたいなぁ…と思っていたのです。
印刷も古いのでわかりづらいですが、振袖の柄をうまく残して羽織にしてあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/41/b9f300aec3ee11451f67bbf4bc81cf55.jpg)
ただ、これには問題がいろいろありまして、
本にあるのは元々「花嫁振袖」の繰り回し(リフォーム)です。
今の手持ちの花嫁振袖は、切りたくないよぉ…のものばかり。
だからといって、それなら両褄の留袖は…というと、何枚もあるにはあるのですが、
こちらは元々裾の柄だけを目当てで買いましたので、身頃の黒い部分などに
ダメージが多いのです。それに黒い羽織だとちょっときついといいますか、
礼装にするつもりがないのに…になってしまいます。
もうひとつの問題は、背中の紋消しです。実際にはこれはずらすことで解決したのですが、
本の中では「一つ紋つき」として繰り回しているため、
一度消して描き換える…とあるわけで、それは今の時代、ちとたいへん。
そして最大の問題は、いずれにしても、アタマではいくら組み立てられても、
私は実際に自分で縫えない、ということです。
たとえば洋服にとか、バッグにとか、まぁちょいとひっかける上着にとか…、
そのへんならいつもの「なんじゃらほい洋裁」で、なんとかしてしまうのですが…。
こりゃ相談しなきゃだめだわ、と、思ったのですが、
さらに問題は「こんなややこしいことができる人がいるだろか」だったわけです。
実際、今の和裁師さんのなかで私より若い方は、新しい反物を裁って何かを縫う、
という経験しかない人が多いので、作り直しができない人もいるのだそうです。
裄直しとか、丈直しのようなものはともかく、着物から羽織、とか
そういうものになると、一応「こうする」という基準はあっても、
いざ始めてみたら、傷みがあってここは使えない…
さてその分どこから持ってきて、どうつないでやりくりするか、それができないのだとか。
幸いその点は、いつもの呉服屋さんお抱えの和裁師さんで
年配の方が大丈夫、と言ってくださいましてやれやれということになりました。
話は前後いたしますが…
この繰り回しをぜひ「両褄」でやってみたいと思いつつ、何年もたちました。
そして、先日あの訪問着を見ていて、そーだこれで相談してみよう…と思ったわけです。
そうなったときの問題が一つ、袖がヤケに短い…42センチしかありません。
こればっかりはどうしようもありませんでした。
触ると折込が4センチくらいありましたので、ギリギリまで伸ばして、と。
それでもこの羽織に合う袖丈の着物はないのです。
どれか一つ、袖丈を直して着ることになりますねぇ…。
でも、それくらいはやらなくちゃね、です。
着物と、ふる~~い本と、一式持って、呉服屋さんに行ったのが
あの成人式直後の「小紋振袖」の記事の日でした。
着物を解くと説明のときわからなくなってしまうので(私がです)、
解かずに持って行き、その場で端っこ解いて、付け下でないこともわかったわけです。
布力はあると思う…でもヤケはこの色だと素人ではわからない…というと、
若旦那さんが、その場で調べてくれました。
大丈夫、布力もまだある、和裁師さんも、これでわかる人がいる…よっしゃ!
というわけで、お願いしたのです。
紋をなくすのにも、上をずらすことになりましたが、
私は切って肩でついでくれてもいい、といいました。
でも着物には「肩でつぐ」というのはありません。そこだけはどうしても和裁士さんが、
胸で継がせてほしいといったそうで、お任せしました。
この本の「黒振袖」も、ちょうど羽織の「乳(ち)」よりも少し上でついでます。
黒だからめだたないのですが、呉服屋さんの言うには、色が薄くてもそのあたりの方が
着たとき目立たないから…と。プロの言うことに従いました。
また、こういう繰り回しをすると、裾の返しがありません。
そこでこれは本と同じように、同じ色で染めてある無地の八掛を
ここにつけて返しとすることになりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/ad/e53db202ffe61ce33296e76167f678b8.jpg)
あんないい着物を…と思う方もいらっしゃるかもしれません。
色柄はまだまだ着られますし、ダメージもちょっと数箇所シミがあるだけ…。
でも、袖丈のヤケに短い、背中一つ紋の訪問着…手元においても、
おそらく私は着る機会がまず無いと思います。
羽織にして紋がなくなれば、これだったらおしゃれに小紋の上でも着られます。
それで「着る」ことを前提に、思い切ったわけです。
普段の小紋とか、紬などだと、たとえば何かに作り変えるのも、
わりと気楽にできますが、留袖とか振袖とか訪問着…となると、
はさみを入れるのはなんだかはばかられますよね。
どこも傷みやシミがなかったらなおのことです。
もちろん、もし誰かに着てもらえるなら、そのまま譲って着てもらうのが一番ですが、
それもなくて、ずっとたんすの中に眠らせておくのだとしたら…。
こんな思い切りも、時にはいいのではないかと思ったのです。
ハデになってしまいっぱなしの留袖が、チラリとアタマを掠めています。ははは。
さて、仕上がりはどんな風になるのでしょうか、楽しみに待っているところです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/4c/67e00dcac6de2d8e8af321095313fddd.jpg)
記事では「迷ったけど共八掛ではないから付け下げ」と書いたのですが、
柄は無くとも、同じ染料で無地を染めているとのことで「訪問着」だそうです。
解いてみればすぐわかったのですが、解かずに持っていきましたのでわかりませんでした。
で、この訪問着を「羽織にしたいと」…呉服屋さんに持ち込みました。
とりあえず柄合わせの相談で、この状態で持ってこられたのがこちら。
袖が無くてすみません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/75/9431f0f200e965d0b40e2c45c4fbe4ea.jpg)
さすがプロの和裁師さんで、切ってしまってからでは直せないから、と
解いた状態でこんな感じに、と仮縫いしてくれました。
ずるずるの写真で「何じゃこりゃ」ですが、前の部分は、こんな感じです。
真ん中の縫い目は背縫いですね。衿にうまく柄が出てくれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/bf/35aa62daae29fdc6459ef0923a937508.jpg)
なんでこんなことを考えたかと言いますと…
実は、手元にある古い「繰り回し」の本にこういうページがありまして、これを見て以来、
「両褄柄」の留袖を見るたびに、これ、やってみたいなぁ…と思っていたのです。
印刷も古いのでわかりづらいですが、振袖の柄をうまく残して羽織にしてあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/41/b9f300aec3ee11451f67bbf4bc81cf55.jpg)
ただ、これには問題がいろいろありまして、
本にあるのは元々「花嫁振袖」の繰り回し(リフォーム)です。
今の手持ちの花嫁振袖は、切りたくないよぉ…のものばかり。
だからといって、それなら両褄の留袖は…というと、何枚もあるにはあるのですが、
こちらは元々裾の柄だけを目当てで買いましたので、身頃の黒い部分などに
ダメージが多いのです。それに黒い羽織だとちょっときついといいますか、
礼装にするつもりがないのに…になってしまいます。
もうひとつの問題は、背中の紋消しです。実際にはこれはずらすことで解決したのですが、
本の中では「一つ紋つき」として繰り回しているため、
一度消して描き換える…とあるわけで、それは今の時代、ちとたいへん。
そして最大の問題は、いずれにしても、アタマではいくら組み立てられても、
私は実際に自分で縫えない、ということです。
たとえば洋服にとか、バッグにとか、まぁちょいとひっかける上着にとか…、
そのへんならいつもの「なんじゃらほい洋裁」で、なんとかしてしまうのですが…。
こりゃ相談しなきゃだめだわ、と、思ったのですが、
さらに問題は「こんなややこしいことができる人がいるだろか」だったわけです。
実際、今の和裁師さんのなかで私より若い方は、新しい反物を裁って何かを縫う、
という経験しかない人が多いので、作り直しができない人もいるのだそうです。
裄直しとか、丈直しのようなものはともかく、着物から羽織、とか
そういうものになると、一応「こうする」という基準はあっても、
いざ始めてみたら、傷みがあってここは使えない…
さてその分どこから持ってきて、どうつないでやりくりするか、それができないのだとか。
幸いその点は、いつもの呉服屋さんお抱えの和裁師さんで
年配の方が大丈夫、と言ってくださいましてやれやれということになりました。
話は前後いたしますが…
この繰り回しをぜひ「両褄」でやってみたいと思いつつ、何年もたちました。
そして、先日あの訪問着を見ていて、そーだこれで相談してみよう…と思ったわけです。
そうなったときの問題が一つ、袖がヤケに短い…42センチしかありません。
こればっかりはどうしようもありませんでした。
触ると折込が4センチくらいありましたので、ギリギリまで伸ばして、と。
それでもこの羽織に合う袖丈の着物はないのです。
どれか一つ、袖丈を直して着ることになりますねぇ…。
でも、それくらいはやらなくちゃね、です。
着物と、ふる~~い本と、一式持って、呉服屋さんに行ったのが
あの成人式直後の「小紋振袖」の記事の日でした。
着物を解くと説明のときわからなくなってしまうので(私がです)、
解かずに持って行き、その場で端っこ解いて、付け下でないこともわかったわけです。
布力はあると思う…でもヤケはこの色だと素人ではわからない…というと、
若旦那さんが、その場で調べてくれました。
大丈夫、布力もまだある、和裁師さんも、これでわかる人がいる…よっしゃ!
というわけで、お願いしたのです。
紋をなくすのにも、上をずらすことになりましたが、
私は切って肩でついでくれてもいい、といいました。
でも着物には「肩でつぐ」というのはありません。そこだけはどうしても和裁士さんが、
胸で継がせてほしいといったそうで、お任せしました。
この本の「黒振袖」も、ちょうど羽織の「乳(ち)」よりも少し上でついでます。
黒だからめだたないのですが、呉服屋さんの言うには、色が薄くてもそのあたりの方が
着たとき目立たないから…と。プロの言うことに従いました。
また、こういう繰り回しをすると、裾の返しがありません。
そこでこれは本と同じように、同じ色で染めてある無地の八掛を
ここにつけて返しとすることになりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/ad/e53db202ffe61ce33296e76167f678b8.jpg)
あんないい着物を…と思う方もいらっしゃるかもしれません。
色柄はまだまだ着られますし、ダメージもちょっと数箇所シミがあるだけ…。
でも、袖丈のヤケに短い、背中一つ紋の訪問着…手元においても、
おそらく私は着る機会がまず無いと思います。
羽織にして紋がなくなれば、これだったらおしゃれに小紋の上でも着られます。
それで「着る」ことを前提に、思い切ったわけです。
普段の小紋とか、紬などだと、たとえば何かに作り変えるのも、
わりと気楽にできますが、留袖とか振袖とか訪問着…となると、
はさみを入れるのはなんだかはばかられますよね。
どこも傷みやシミがなかったらなおのことです。
もちろん、もし誰かに着てもらえるなら、そのまま譲って着てもらうのが一番ですが、
それもなくて、ずっとたんすの中に眠らせておくのだとしたら…。
こんな思い切りも、時にはいいのではないかと思ったのです。
ハデになってしまいっぱなしの留袖が、チラリとアタマを掠めています。ははは。
さて、仕上がりはどんな風になるのでしょうか、楽しみに待っているところです。
手間も費用も掛かりますが、そうして
仕立てかえて着てもらえたら訪問着も
タンスの中にいるよりず~っと幸せですね。
仕立て上がってくるのが楽しみですね。
よろしいでしょうか?
こんばんわ。
私も頂き物の着物でしたが、
身丈が短くて、着物では着ないだろうと、
羽織に仕立て直しました。
普段着の羽織になりました。
袖幅もいっぱいいっぱいにしいて、
羽織丈もできるだけ長くして、
普段羽織に変身しました。
これが、和裁を習ってよかったと思った瞬間です。
それと、母が残してくれた昭和32年発行。
主婦の友社の和裁本に羽織に仕立て直すやり方が載っていました。ラッキー!
とんぼさんのは、物が良いので、
きっと素敵な羽織になるのでしょうね。
すてきな訪問着、羽織にされるのですね。
秋の頃に、茶系の着物などと合わせたらとても素敵でしょうね。
私は袷→単衣とか、着物から着物、の作り変えしかまだしたことがありません。(ハギレから腰ヒモやバッグを作ったことはありましたが)
私も何か、古い着物から他のものへの作り変えをしてみたくなりました。
雑誌に載っている花嫁振袖の色の素晴らしいこと~!!って・・・もう私にはパーティーでくらいしか着られませんけれども。
こうやって生き返らせるお手本を具体的に見せていただけるのは、本当に有り難いです。
お手持ちの花嫁振袖、もう公開済かもしれませんが、また少しずつ拝見させてくださいませ~。
思い切って、試してみました。
こんなやっかいなことなので、
仕立て代も割り増しになるかどうか
聞いてみたんですが、変わりないといってくれました。
できあがったらアップします。
どうぞ「とんぼ」とお呼びください。
ご自分で和裁ができるなんて、
ほんとにうらやましいです。
着物はいろいろ作りかえられますから、
何回も楽しめますね。
これは古着で買ったものですので、
お安かったんです。
だから思いきっても、あるんですが…。
変わった地模様だし、呉服屋さんも、
「今はこんなのないわねぇ」と言ってました。
たのしみです。
茶系だと落ち着いた組み合わせになりますね。
こういうものの繰り回しは、
パズルのようで、ごちゃごちゃになりますが、
決まるとすっきり?楽しいですね。
若いころの着物は、もう派手なので、
ナントカせねば…がいろいろあります。
洋服に買えるのも「いいなぁ!」というのと
「ヤメテホシカッタ」というのとありますねぇ。
花嫁振袖、パーティー用にレンタルいたしますでぇ。
なんなら「朱色の総絞り振袖」も!ふふふ。