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ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

頂き物の昔着物…の解き

2012-02-21 18:06:05 | 着物・古布

 

着物や小物を整理なさっておられて、私のところへ送ってくださる方がいまして…。

やたら捨てるよりは…と、お考え下さっているわけで、アテにされるということは、嬉しいことです。

しっかり一枚一枚、調べて、お嫁入り先を探すなり、何かに形を変えるなり、私が使わせていただくなり…。

私はこうやってきっとずっと「布」と一緒に暮らしていくのでしょうね。幸せですー。

 

というわけで、本日はその中からご紹介。

トップ写真は、一緒にはいっていた「ゲタ」なんです。これ裏に「会津桐」とハンコがおしてありました。         

会津は、父方の祖母のふるさとでもあります。

もうおつきあいは限られてしまっていますが、それでも昔会津本郷焼をしていたとか、いろいろ聞いています。

身内にゲタ職人はいなかったみたいですが、昔福島の親戚がきたときに、おみやげにもらったことがありました。

会津は桐の名産地、寒暖の差が上質の桐を育てるのだそうです。

最近の安い桐製品は、外国産の桐が多く、だから安く出回る…のでしょうね。

安い桐だと、下駄でもスカスカで、柔らかい部分がすぐヘタリます。

これはホンモノ、台に少しシミが出てしまっていますが、色が濃いので目立ちませんし、

鼻緒をもう少しハデめにかえて、履かせていただこうと思っています。

会津の桐、箪笥が有名です。桐箪笥は軽くて密閉性が良いですから、

あの震災の時にも箪笥が浮いて助かったり、ほかのものが沈んで壊れても、箪笥だけは浮いて、

しかも火災や水害でも、中はなんともなかった…という話があれこれあったそうです。

火災でも中まで焼けない、という話はよく聞きますが、私も「ホンモノの桐タンス」ほしいです。

 

で、着物の方は…こちらが一番先に眼に入った「訪問着」の洗張り。色も柄も好みですー。

ちょっと色がうまくでていませんが、なんといいますか…ごくごく薄~~~い、カフェオレのような色。

そこに墨絵のように大きな紅葉…ではなく大きさからいって「ヤツデ」でしょうかね。

 

               

 

アツプはこんな感じ、ボカシのところなんかいいですね。

今はあまりないタイプのちりめん地です。

 

       

 

残念ながらシミや、小穴があって、もう一度仕立てるのはムリかなーです。

なんとかせねばっ!

細かく切ってしまうより、大きく使ってみたいですね。

 

こちらは今はもうないタイプの「縞」。「織」ではなく「染」の縞…。つやっつやの錦紗です。好きですこういうの。

まだ糸を全部切ってないので、中がどうかわからないのですが、これは「着たいっ!」

でも、私にはちと縞が大きいかなあ…と、また妄想バクハツ中。

 

      

 

いま、こういう縞模様の着物って、ありませんね。銘仙やお召しを好んでお召しになる、

お若い方などにも、こういう縞は人気があるのではないかと思うのですが…。

もうひとつ、この縞も、きものであったら着るのに~なんですが、袖二枚分のみです。

袖口布は、まぁめだたない「ミルクココア」のような優しい色。

 

      

 

ただのジミな縞…なのに、ここで裏がチラリと見えると…

 

      

 

なんでこう艶めきますかねぇ…。

母はさすがに裏に紅絹はつかいませんでしたが、かわりにじゅばんは赤地、朱地を着ていました。

年をとったら、見えないものを赤くする、それがチラリと見えてもいやらしさを感じさせないのが、

「着こなしってもんやねん…」と、むっずかしいことを言ってましたっけ。

この赤がきいているから、こんなおばあさんみたいなジミ縞でも、若いころから長く着たんでしょうね。   

  

ほかにも昔の若向きの帯や、男物の解きもありました。かわいい「三尺帯」も…。

一箱に、その方の人生の様々な時間が、すこしずつ詰め込まれているようで…。

みんなみんな、いろんな日々をすごしてきたんですね。

時間を包み込んでいるこの着物さんたちは、ここへきてまた時を重ねることになります。

できればいい時間をすごさせてあげたいと、そんなふうに思いながら…これからお礼状を書くことにします。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (陽花)
2012-02-21 21:20:45
本物の桐たんすは汚れてもまた新品の
ようになると聞きますが、火災や水害
でも大丈夫とは、お高くてもそれだけの
値打があるんですね。

反物を前に、何にするか当分悩みそう
ですね。

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Unknown (とんぼ)
2012-02-22 12:08:32
陽花様

薄黒くなったら、表を削ってまたきれいになるし、
ホンモノはすごいですね。
私も、一棹でいいから…なんて思っているんですけどねぇ。
昔ながらの黒い「カン」の付いたのがほしいです。

状態はいいけど、もう一度着物はムリ…というのは、悩みますわー。
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