
寒くなってきました。夏の間は伸子張りも、張るそばから乾く・・
という状態でしたが、さすがにそうはいかなくなってきました。
張っている間も濡れた布をさわっていると、手がかじかんできます。
昔の人は、こういう苦労をしてたんだなぁ・・と改めて思います。
写真は、ちょっと変わった位置から・・伸子張りの片方のはしから、
向こうのはしを覗いてみました。トンネルみたいです。

ここの上の張木のところから覗いて撮りました。
これは「胴貫きじゅばん」の裾部分だったものです。
全部つなげても、3メートル弱しかありません。でもステキな柄です。
かなり古いもので、シボがはっきりあるちりめん、もう薄くなっていて、
伸子張りで伸ばすと向こうが見えそうなくらいです。
水を通したら思いっきり縮みましたので、伸子も間隔をかなり狭くしました。
伸子張りは、先人の知恵ですが本当に着物・反物の乾燥に適した道具です。
ちりめんは水に浸かると「縮む」という性質がありますから、
普通に乾すと横幅が狭くなってしまいます。
反物の横幅は「反幅」といいますが、だいたい34~35cmくらい。
最近は、今の若い人の体型に合わせて36とか37cmというものもありますが。
で、ちりめんの場合、シボが大きいほどグーンと縮んでしまうのです。
地厚になるし、硬くなるし、丸い柄なんてのは「楕円」になっちゃいますし・・。
着られるものの場合、仕立て直しをするのに幅がなくては縫えません。
そこで「幅だし」ということをしなければなりません。
専門の業者さん、つまり着物を洗うお店や、染屋さんなどには、
この「伸子張り」のほかに「幅だし」をする機械があって、
ちゃんと均等に横もまっすぐにして、幅を出して元のような反物状態に
戻すのですが、一般家庭にはそんな機械はありません。
昔の人は、この伸子張りで糊付けして横幅をだしたり、
「張り板」とよばれる、まな板のおっかさんみたいな板に、
糊付けした布をまっすぐピンと貼って乾かしたりして、
元の大きさに戻して仕立て直しをしたわけです。

で、こちらが「乾いた」ものです。カルタ柄ですね。
あまりにも達筆すぎて読めませーん。おまけに和歌・短歌は大の苦手。
百人一首も、さて、いくつ覚えていることやら・・・。
いずれにしてもこの柄は、カルタと格子などの柄が交互に並んでいますし、
たぶん、元々じゅばんだったのではないかと思います。
昔の着物の色目で「グリーン」が主・・というのはなかなかありません。
薄い緑などは、全体的にきれいに残っているというのは難しいです。
単純に考えて、色の薄いものは汚れやシミが残りやすいですし、
色の濃いものは、色褪せとかヤケが起こりやすいですが、
それにしてもグリーン系というのはあまりない・・ということは、
実際にはあまり人気のない色だったんでしょうか。
このカルタ柄は、このままバッグのボディにはめ込んだらどうかなーと
思っています。いつできるんだろ・・・。
ゆとりのない暮らしの中でも、
ウールや木綿の着物を工夫してきてました。
私が10代から着物を着られたのも、
ものさし持って「ここがユルイッ」びしーっ・・
とやってくれた母のおかげです。
とはいえ、私だってよく着るようになったのは
ずいぶん後ですよ。最近・・着てない、
ダイジョブかな・・。
恵様
読み飛ばし・・私の特技「えーとたぶん・・」で
テキトーに勝手解釈・・。これでやってるんですから
かなり無責任・・ですわ・・。
JJ様
着物や和物についての知識は、
少しでも役立つことがあったら嬉しいです。
私でわかることなら、お教えしますから。
娘達が嫁に行かないので実質婆さんではないのですが、まあ 婆さん年代です。
JJさんは読めない字をすぐに辞書で引くなどして偉いですね。
私はドサクサにまぎれて読み飛ばす事しばしば。
こちらのHPは本当にためになるし、楽しいですね。
これからも一緒に楽しませて頂きましょうね。
ブログの中では、全然年齢を感じさせない様で、想像がつかないですが・・
よろしくお願いしますっ☆私の母はすでに、着物は自分で着れないです・・・
家にある着物は、母がお嫁に行くときに祖母から、誂えてもらった品々だそうです。それを今は、私が着ています☆なんだか歴史を感じますね。
で・・。「伸子張り」は、なんと読むのかなと思って、すぐにyahooの辞書で調べました
毎日楽しみに見ていますよ。
わたしの母は伸子張りはしていませんでしたが、張り板に布を貼るのは見て育ちました。
天気の良い日に蒲団のわたを入れ替えたりしていましたよね、あねさんかぶりで。
母はお裁縫やそういうたぐいのことが不得意で、おかげで私も全く不得意です。
とんぼさんや伸子張りを教えて下さったおかあさまに脱帽です。
アー考えないよーにしよう?
伸子の針はけっこう鋭くて、さすときは
まだいいんですが、はずす時、急いではずそうとして
ピンッと飛ばすことがあり、ひっかきキズが
できます。たいしたことないと思っていても、
おふろに入るとしみて、あっここもやってた・・、
なんて・・。夏は半袖なのでよけいです。
あれ? 両端に針が付いていたんだ・・・
同じような間隔で針を差してねと言われて長ーーく庭いっぱい天の川。
張り板も糊をつけてさっさっさっと貼り付けのお手伝い。
懐かしいです。
あら 私 JJのお婆様年代?
かも。
京都などでは「作っているところ」がありますが、
一般の家庭ではもうほとんど見られません。
JJ様のおばあ様くらいの年齢の方なら
見たことがおありになるかもしれません。
ちなみに「しんし」と読みます。伸子は写真の
弓なりになった竹ひごのことで、両端に
小さな針がついていて、それを布の両端にさして
使います。竹の元に戻るチカラを利用して
布をピンと広げるんですね。
玄関前でやっているので、前の道を通る人で、
おトシを召した方が「珍しい」「懐かしい」と
お声をかけてくれます。
へぇ~。そんな道具というのか?があるなんて初めて知りました
本当古いものとは思えない素敵なカルタ&みどりですね