というお話をしました。
うぅ~とつまってしまいました。
「たぶん綴れだからOKってことだと思うんですけどねぇ…
何も喪帯まで綴れにせんでも…」というのが私の正直な感想でした。
そんなのあるのかなと思ったんですが、ヤフオクで売ってる…。
しかもバカ安…あぁもぉ…。
あっ写真は私の絽の喪帯、めんどくさくない「二部式」。
絽綴れなんていーもんは持ってませんのですみません。
確認のためプロに電話、そう、キャリア50年以上の呉服屋の奥さんです。
「喪の綴れ?ほしいの?どしてもならほかで探してね」およよ。
違うのよシツモン…と言ったら「あーよかった、お勧めしないから」と。
奥さんも、以前一度だけ頼まれて取り寄せたことがあるそうですが、
やめたほうがいい…と言いました。
理由はいろいろですが「売る立場」としたら、もったいないの一言に尽きると。
つまり、綴れと言うものはたいへん高いものですから、
喪服も当然それにみあったものを着なければならないわけです。
帯だけ「一点豪華主義」とは行かないのが着物の世界ですね。
そして今でも喪服は、関西ではちりめんですが、関東では羽二重です。
羽二重はいくらモノのがよくても平坦で薄いですから、
荘厳な感じはしても重厚と言う意味ではちと味が薄い…。
そこへかがりの帯では、それがたとえ本綴れで厚みがあっても、
貧相に見えてしまうそうです。だから厚みのある黒繻子の本当は柄のないものが、
いちばんよく合うのよ、と言ってました。
最近の喪帯は、たとえば波頭柄とか、花なら菊花、般若心経、紗綾型など、
「吉兆柄」にならないものを選んで織り出されているものが多いです。
でも私は黒の繻子で柄のないもの、が好きです。
たしか一本ふるーいのを持っていたはずなんですが…。
嫁入りのときは、実家もまだヨユウがなかったのでしょう、
「二本持たせてやれんから」とよくある「表・袷用、裏・絽の夏用」の帯でした。
でも、それでけっこう事足りちゃうんですよね。
その後、トップ写真の帯をもらいなおしたのですが、
「絽の喪服は自分で買いなはれ」…買ってません…。
帯について、まだ初心者のかたもいらっしゃるでしょうから、
帯の説明をちょこっとだけ致しましょう。
帯は礼装用は「袋帯」です。締めるのは二重太鼓がほとんどですね。
そして袋帯には「シャレ袋」なんてのもあって、
これは街着オシャレ着にも締められます。
それから名古屋帯、ランクとしては普段帯ですが、
金糸や銀糸がたくさん入っていたり、或いはお太鼓柄(ポイント柄)ではなくて
袋帯のような柄のものなどは、場を考慮すれば礼装でも
しめられることがあります。ケースバイケースですね。
そのほかの染め帯の名古屋とかお太鼓柄の名古屋は、街着用。
その下が半幅です。
さて、八寸帯はどこに入るかと言いますと、名古屋帯あたり。
八寸帯は「かがり帯」とも呼ばれます。
「八寸名古屋」という呼び方もあります。
実はこのアタリの帯の呼び方って時代でいろいろなので、
ほんとにややこしいのです。
とりあえず今は「八寸名古屋」と呼ばれるのがこの帯、とします。
どこがどう違うのかと言いますと、普通の帯は仕上がり幅は「九寸」あります。
これを両耳を内側に折りこみ(つまり縫い代ですね)、中に芯を入れて仕立てます。
出来上がりは縫い代に折り込んだ分縮んで八寸になります。
八寸帯は最初から八寸です。つまり、縫い代をとりません、芯もいれません。
両耳をあわせてかがるだけです。だから「かがり帯」。
いいものはプロに任せますが、私は嫁入りの時、
母が京都から持ち帰った八寸の安い帯地を自分でかがって持ってきました。
それでもできちゃう手軽さです。
この手軽さがウケて、一時期重宝されたのですが、
なんといっても夏帯でもないのにペタンコで貧相なのですよ。
芯が入っていないせいもありますが、両脇の縫いこみがないというだけで、
見た目全然違いますから。
ところが、同じ八寸でも、今に至るも着物好き垂涎の的がふたつ、
それが「博多」と「綴れ」です。
今日は綴れのお話しを致しますが、綴れと言うのは実に手の込んだものです。
言葉で説明するのが難しいので、簡単な絵を描いてみました。
これは正確な絵ではなく、あくまで「原理はこうなのよ」という絵です。
綴れはまず経糸を機にかけ、その下に左右逆の下絵を置きます。
その下絵どおりに横糸で色を替え、柄を織り出していくわけですが、
普通の織物は、横糸をそのつど一番端までもっていって折り返します。
綴れはそうではなく、地色は地色で地色のおわるところで折かえし、
そこから始まる柄の糸はその柄のところで折り返します。
あまりにも大雑把な絵で申し訳ありませんが、
要するに綴れの特徴は、柄と地のところに隙間が開くということです。
このスキマのことを「ハツリ」と言ったと思います。(調べてなくてすんません)
それと、一本ずつ全部に折り返しますので裏表がありません。
つまり経糸を横糸でくるみこんでしまうわけです。
表の柄が汚れたりしたときは、柄の左右はひっくり返りますが、
裏返して使えるわけです。孫子の代まで使えると言われるゆえんです。
もうひとつ、その柄を織り出すための道具が「爪」です。
綴れが「爪掻き綴れ」とか「爪綴れ」と呼ばれるのは、そのためですが、
柄を織り出すために糸を折り返すなど、細かい作業のときに、
自分の爪を使うわけです。そのために、綴れ織りの職人さんは、
自分の爪の先を、なんといいますか「櫛の歯」のように切り込みをいれて、
きれいにやすりをかけています。その爪で掻き寄せるわけですね。
もちろん最近は「キカイ」がありますから、綴れ織も機械で作れます。
これは聞いた話ですが、機械織りはそんな細かい作業はしないそうで、
普通の織物のように、横糸は全部横に渡るそうです。
でも、それなら「綴れ」っていえないと思うんですけどね。
とにかくホンモノは当然数も少なく、これだけの技術ですから高価になります。
日本の着物の価格と格付けの関連というのは、本当にややこしいのですが、
綴れには発祥が紀元前、と言われるくらい長い歴史があります。
正倉院御物の中にもあるそうですから、日本に伝来したのも古かったわけです。
この技術を西陣で育ててきたわけですね。
そういう状況からも「綴れ」は格の高いもの…というのがあるわけです。
たとえば「本場大島紬」なども、たいへん手間がかかるものですから、
一反で100万とか200万とか言うものもあります。
でも「紬」はどこまでいっても紬です。
綴れも同じで、どんなに手が込んでいても「かがり」は「かがり」で、
織るのに手間はかかっても、帯の仕立てとしては
縫い代の折込のない「簡易型?」になります。
やっぱり八寸はハ寸…それでも…、
綴れはたとえ八寸であっても「本綴れ」なら礼装にも締められます。
このへんがややこしいところですよね、大島は紬だから、
綴れは本綴れだから…と、立ち位置が微妙に変わる…。
ですから…喪の帯が八寸でも綴れならいい…のです。
でもねぇ…と思うのは、今の時代「ホンモノの綴れ」を持つ人が、
ゴロゴロしているとは思えませんし、もしホンモノなら、
呉服屋の奥さんのお話どおり、喪服もそれにみあうものでなければなりません。
いっちゃなんですが、喪服は着られる場合が限られます。
それなりの喪服を着るということは、
そういうところにお金をかけるヨユウがある人…ってことですよね。
ゼロが四つで買えるような綴れは、当然機械織りだと思いますし、
今の時代に「綴れ」がなんであるかをよくわかっている人も、
すくなくなっているのではないでしょうか。
あのヒト、なんかペラペラの帯ねぇ…やだ「かがり」よ、なんてね。
名前だけに惹かれて、安い機械織りの綴れの喪帯を買うのは、どうもねぇ…
というのが「とんぼ的結論」とあいなりました。
うぅ~とつまってしまいました。
「たぶん綴れだからOKってことだと思うんですけどねぇ…
何も喪帯まで綴れにせんでも…」というのが私の正直な感想でした。
そんなのあるのかなと思ったんですが、ヤフオクで売ってる…。
しかもバカ安…あぁもぉ…。
あっ写真は私の絽の喪帯、めんどくさくない「二部式」。
絽綴れなんていーもんは持ってませんのですみません。
確認のためプロに電話、そう、キャリア50年以上の呉服屋の奥さんです。
「喪の綴れ?ほしいの?どしてもならほかで探してね」およよ。
違うのよシツモン…と言ったら「あーよかった、お勧めしないから」と。
奥さんも、以前一度だけ頼まれて取り寄せたことがあるそうですが、
やめたほうがいい…と言いました。
理由はいろいろですが「売る立場」としたら、もったいないの一言に尽きると。
つまり、綴れと言うものはたいへん高いものですから、
喪服も当然それにみあったものを着なければならないわけです。
帯だけ「一点豪華主義」とは行かないのが着物の世界ですね。
そして今でも喪服は、関西ではちりめんですが、関東では羽二重です。
羽二重はいくらモノのがよくても平坦で薄いですから、
荘厳な感じはしても重厚と言う意味ではちと味が薄い…。
そこへかがりの帯では、それがたとえ本綴れで厚みがあっても、
貧相に見えてしまうそうです。だから厚みのある黒繻子の本当は柄のないものが、
いちばんよく合うのよ、と言ってました。
最近の喪帯は、たとえば波頭柄とか、花なら菊花、般若心経、紗綾型など、
「吉兆柄」にならないものを選んで織り出されているものが多いです。
でも私は黒の繻子で柄のないもの、が好きです。
たしか一本ふるーいのを持っていたはずなんですが…。
嫁入りのときは、実家もまだヨユウがなかったのでしょう、
「二本持たせてやれんから」とよくある「表・袷用、裏・絽の夏用」の帯でした。
でも、それでけっこう事足りちゃうんですよね。
その後、トップ写真の帯をもらいなおしたのですが、
「絽の喪服は自分で買いなはれ」…買ってません…。
帯について、まだ初心者のかたもいらっしゃるでしょうから、
帯の説明をちょこっとだけ致しましょう。
帯は礼装用は「袋帯」です。締めるのは二重太鼓がほとんどですね。
そして袋帯には「シャレ袋」なんてのもあって、
これは街着オシャレ着にも締められます。
それから名古屋帯、ランクとしては普段帯ですが、
金糸や銀糸がたくさん入っていたり、或いはお太鼓柄(ポイント柄)ではなくて
袋帯のような柄のものなどは、場を考慮すれば礼装でも
しめられることがあります。ケースバイケースですね。
そのほかの染め帯の名古屋とかお太鼓柄の名古屋は、街着用。
その下が半幅です。
さて、八寸帯はどこに入るかと言いますと、名古屋帯あたり。
八寸帯は「かがり帯」とも呼ばれます。
「八寸名古屋」という呼び方もあります。
実はこのアタリの帯の呼び方って時代でいろいろなので、
ほんとにややこしいのです。
とりあえず今は「八寸名古屋」と呼ばれるのがこの帯、とします。
どこがどう違うのかと言いますと、普通の帯は仕上がり幅は「九寸」あります。
これを両耳を内側に折りこみ(つまり縫い代ですね)、中に芯を入れて仕立てます。
出来上がりは縫い代に折り込んだ分縮んで八寸になります。
八寸帯は最初から八寸です。つまり、縫い代をとりません、芯もいれません。
両耳をあわせてかがるだけです。だから「かがり帯」。
いいものはプロに任せますが、私は嫁入りの時、
母が京都から持ち帰った八寸の安い帯地を自分でかがって持ってきました。
それでもできちゃう手軽さです。
この手軽さがウケて、一時期重宝されたのですが、
なんといっても夏帯でもないのにペタンコで貧相なのですよ。
芯が入っていないせいもありますが、両脇の縫いこみがないというだけで、
見た目全然違いますから。
ところが、同じ八寸でも、今に至るも着物好き垂涎の的がふたつ、
それが「博多」と「綴れ」です。
今日は綴れのお話しを致しますが、綴れと言うのは実に手の込んだものです。
言葉で説明するのが難しいので、簡単な絵を描いてみました。
これは正確な絵ではなく、あくまで「原理はこうなのよ」という絵です。
綴れはまず経糸を機にかけ、その下に左右逆の下絵を置きます。
その下絵どおりに横糸で色を替え、柄を織り出していくわけですが、
普通の織物は、横糸をそのつど一番端までもっていって折り返します。
綴れはそうではなく、地色は地色で地色のおわるところで折かえし、
そこから始まる柄の糸はその柄のところで折り返します。
あまりにも大雑把な絵で申し訳ありませんが、
要するに綴れの特徴は、柄と地のところに隙間が開くということです。
このスキマのことを「ハツリ」と言ったと思います。(調べてなくてすんません)
それと、一本ずつ全部に折り返しますので裏表がありません。
つまり経糸を横糸でくるみこんでしまうわけです。
表の柄が汚れたりしたときは、柄の左右はひっくり返りますが、
裏返して使えるわけです。孫子の代まで使えると言われるゆえんです。
もうひとつ、その柄を織り出すための道具が「爪」です。
綴れが「爪掻き綴れ」とか「爪綴れ」と呼ばれるのは、そのためですが、
柄を織り出すために糸を折り返すなど、細かい作業のときに、
自分の爪を使うわけです。そのために、綴れ織りの職人さんは、
自分の爪の先を、なんといいますか「櫛の歯」のように切り込みをいれて、
きれいにやすりをかけています。その爪で掻き寄せるわけですね。
もちろん最近は「キカイ」がありますから、綴れ織も機械で作れます。
これは聞いた話ですが、機械織りはそんな細かい作業はしないそうで、
普通の織物のように、横糸は全部横に渡るそうです。
でも、それなら「綴れ」っていえないと思うんですけどね。
とにかくホンモノは当然数も少なく、これだけの技術ですから高価になります。
日本の着物の価格と格付けの関連というのは、本当にややこしいのですが、
綴れには発祥が紀元前、と言われるくらい長い歴史があります。
正倉院御物の中にもあるそうですから、日本に伝来したのも古かったわけです。
この技術を西陣で育ててきたわけですね。
そういう状況からも「綴れ」は格の高いもの…というのがあるわけです。
たとえば「本場大島紬」なども、たいへん手間がかかるものですから、
一反で100万とか200万とか言うものもあります。
でも「紬」はどこまでいっても紬です。
綴れも同じで、どんなに手が込んでいても「かがり」は「かがり」で、
織るのに手間はかかっても、帯の仕立てとしては
縫い代の折込のない「簡易型?」になります。
やっぱり八寸はハ寸…それでも…、
綴れはたとえ八寸であっても「本綴れ」なら礼装にも締められます。
このへんがややこしいところですよね、大島は紬だから、
綴れは本綴れだから…と、立ち位置が微妙に変わる…。
ですから…喪の帯が八寸でも綴れならいい…のです。
でもねぇ…と思うのは、今の時代「ホンモノの綴れ」を持つ人が、
ゴロゴロしているとは思えませんし、もしホンモノなら、
呉服屋の奥さんのお話どおり、喪服もそれにみあうものでなければなりません。
いっちゃなんですが、喪服は着られる場合が限られます。
それなりの喪服を着るということは、
そういうところにお金をかけるヨユウがある人…ってことですよね。
ゼロが四つで買えるような綴れは、当然機械織りだと思いますし、
今の時代に「綴れ」がなんであるかをよくわかっている人も、
すくなくなっているのではないでしょうか。
あのヒト、なんかペラペラの帯ねぇ…やだ「かがり」よ、なんてね。
名前だけに惹かれて、安い機械織りの綴れの喪帯を買うのは、どうもねぇ…
というのが「とんぼ的結論」とあいなりました。
葬儀は必ずしもクーラーの効いた所だけでないので。
でも、見つけたんですね、かがりの夏喪帯。
絽つづれ風。即買いです。
滅多に見ませんものね。
でも、冬のつづれ喪帯は見たことがないので
どんな感じになるんでしょうね。
軽くて締めやすくて楽でしょうね。
きらきらした糸で模様を織り出すのでしょうか。
確かに冬用の帯としては重みが不足でしょうね。
でも、単衣の時期には軽くて良さそうですね。
名古屋はめでたい時に喪服を用意するので
嫁入り道具として喪服を持って行く人は
まだ多いと思います。
温暖化のこの頃、単衣の喪服とかがり帯
案外活躍の場があるかもですね。
(もっとも季候の良いその時期は葬式が少ないですね)
機会がありましたが、お値段を聞いてビックリ
小さな家なら一件買えそうなお値段でした。
でも、あのギザギザの爪が痛そうに見えました。
喪服一式は必要なものだからと持ってはいても
一生のうちに何度袖を通すやらですよね。
最近は余程身の濃い時にしか着ませんからね。
こればっかりは「いつ」着るか
そうそう予定も立たないことですから、
一通り季節に合わせて必要なのでしょうね。
単帯はやはり、今の温暖化なら
必要なのかもしれません。
こちらでも喪服は嫁入り持参が多いですよ。
やっぱり「舅姑」サンの顔見てからじゃ、
間が悪いですよねぇ。
一日に何センチ…なんて程度しか
進まないそうです。
ほんとにぜいたく品ですね。
もし持っていたとしても、
もったいなくて締められまへんな。
義父母のときは、息子のこともあって、
車であちこち走り回るので、
すみませんがと洋装にしました。
でも、喪服で来たのは義父がわの
身内二人だけで…。
だんだん着なくなりますねぇ。
だからといっていらないとはいえないですし、まぁそこそこのものがあれば、って
結局そうなりますよね。