先月、「みちのくの安達ケ原、二本松の城下町」に小さな旅をした。
15年前にもその辺りを歩いたことがあり、それ以来だ。当時は何も知らないただの観光客だったのだが、今回は次の3つの事跡を辿ってみるという目的があった。
1、平兼盛の古歌、芭蕉の「おくの細道」に出てくる安達ケ原の黒塚、鬼婆伝説
2、「千恵子抄」で知られた千恵子の実像
3、戊辰戦争時の二本松藩少年隊の壮絶な運命
目についたあれこれの本も読んで勉強もした。写真もいろいろと撮った。そして今月になってその旅行記をいよいよ書いてみようとした途端、猛烈な帯状疱疹にかかってしまった。
たった一晩で顔半分が腫れ上がり、一面に水泡ができ、片目がつぶれ、まるでお岩さんのような状態になってしまった。頭が、首が痛いーー この病気は理不尽な病気だ。こちらの過失なく一方的に向こうから襲いかかってくる。病気はいまだに完治せず療養中である。肉体的にだけでなく、この病気は心と精神も打ち壊す。意欲をそぎ鬱を招び込む。
-- というわけで上の3つの計画は頓挫状態である。腎臓病のように「けっして治癒しない」「ひたすら進行する」病気ではないというのが唯一の救いだ。なんとか早く治って心残りのないよう書いておきたい。
二本松の夕暮れ
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