ノーンカーイ始発の列車は30分遅れの21時35分にコンケーンに到着する、切符は2等寝台エアコンの下段で料金は乗車券も込みで679バーツ(約1,800円)である。11号車で最後尾の車輌であった。
タイで寝台列車の乗るのは3度目、下段なので幅もあり、ゆっくり眠れるだろうと期待する。車内のトイレに行く、便器が日本の形と同じである。タイ式ではない、タイ国鉄は使われなくなった日本の車輌を購入していると聞いていたが日本製かも知れないと思ったが、周りを見た限りでは記述等はなくわからなかった。
22時過ぎには寝床に入っている。エアコンが効きすぎて少し寒いが足も伸ばせた。少しは眠ったと思えたがその後は全く眠れない、停車するごとに急ブレーキをかけた感じで止まる、発車もガタガタと発車する、走行中もレールのメンテナンスが悪いのか、列車が古くて悪いのかはわからないが、とても快適な走行とはいえない、横揺れもする、その内にだんだんと気分が悪くなってくる、バスに酔ったのと同じ状態で平衡感覚もおかしくなっているのが横になっていてもわかる。
これまでバス酔いや船酔いの経験があるが列車で酔ったことは一度もない、そんな状態のままで朝を迎える、列車がどのあたりを走っているのかはわからない、定刻では6時25分にバンコク中央駅、終点のファランポーン駅に到着することになっている。放送もなく車掌も何も言ってこないので定刻に間に合うように起きて着替えも済ませる、気分は回復しないのでそのまま横になっていると、ベッドを片付けるから起きるように係員に言われる、ベッドが椅子に変わったので座っていたが定刻を過ぎても何の連絡もない、しばらくすると左手にドンムアン空港が見えてくる、ここからまだ1時間はかかると思いこれ以上気分が悪くならないよう注意してゆったりと座るようにする。
結局、ファランポーン駅についたのは9時ちょっと前、11時間余の列車旅行であった。 9時間の予定が11時間かかったことになり、これなら初めからダイヤにゆとりを持たせておけば良いのにと思わざるを得ない。2時間以上の遅れで日本なら特急料金返金となるところである。寝台列車でしんどい思いをしたのは初めての気がする、たとえ寝台列車であってもしばらく列車は止めようと思った。(写真:ファラムポーンに到着)