「メジャーの打法」~ブログ編

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トップハンドの使い方(2)

2011年03月31日 | 打法

 トルクを掛けるⅠ型。

 やがて改良Ⅰ型が出現した。スイングの後半に、トップハンドでバットを押してトルクを掛ける。『押す』といっても、ボクシングのストレートのように、肘伸展筋を使うわけではなく、脇を締め掌を上に向けたまま、投球方向に力を加え続けるのだ。

 ピート・ローズ(1963-1986)、ジョニー・ベンチ(1967-1983)はこの打法を採用していた。日本もこれまでこれが主流で、前回紹介したこの動画の後半に出てくる大島、掛布はこの打法を採用している。下は『大リーガーのテクニック』BBマガジン社に載っているベンチの連続写真。一緒に載っているG・ブレット、E・マレーも同じ打法だろう。




 ところが、アメリカに大変革が起こりⅡ型一色になったために、この打法がMLBからほとんど消えてしまった。現役(?)ではチッパー・ジョーンズくらいだろうか。しかし、日本、台湾あたりにはまだ残っている。MLBでも日本から行った松井、福留はそうだ。アメリカの指導者達は、彼らの成績を見て、「打法の乗換えは正しかった」と思っていることだろう。

 未だにこの打法に基づいた指導書もあるようだ。toredo1492さんが『バッティング・バイブル』[テクニック編]BBマガジン社から引用して、Twitterに載せたものを拝借しよう。

谷沢健一「体の開きが早かったり、引っ張りにかかると手首の返しが早くなり、バットの力が下向きになりボテボテのゴロが多くなる。手首はフォロースルーで自然に返るものである。」

小早川毅彦「基本的なことですが、バットの面を返さないこと。テニスのラケットのように、手首を返さないで面で打つように心がけましょう。そういうバットの軌道を覚えることで、打球は上がるようになります。」

小早川毅彦「バットはいくら短く持っても重いですから、手首が早く返ってしまったらヘッドが落ちてしまいます。ですから、重さを手首で支えつつ、ヘッドを遅らせながら出していって、ボールに当たった後に返すのです。」

手首が返らないように、バットの芯に印をつけて、いつも同じ面で打つようする。小早川毅彦の奨める練習方法だ。


 言っていることはみな同じで、この打法では、手首が返る(前腕回内)ことはスイングの欠点なのだ。腰の回旋を活用した、(BHを支点とする)THの押しが正しくできていれば、手首が返ることはない。





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