「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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腸腰筋を使うB型

2011年10月19日 | 打法

 神戸のサラリーマソさんの投稿より

 掲示板に以下の投稿をいただいた。

http://www.youtube.com/watch?v=M2tFjEBE1bg&feature=related

ウィリー・メイズの腰使いでTHを現代風Ⅱ型にするとこんな感じだろうか
MLBではみないタイプだが、恐らく打撃理論が違うのかな?
良い悪いは別にして


 鋭い観察に感心する。この打者は、股関節伸展・外転で体重移動すると同時に、腸腰筋を使って体幹を倒し込んでいる。

前に、toredo1492さんから「B型も前腕を回内している」という指摘があった。そこから肩甲下筋に思い至り、オースチン打法の理解にも役立ったのだった。おふたりとも観察眼は私より精確なようだ。


 体幹の倒し込みを、広背筋を使った、肩内転につなげるのだが、A型の内転とは異なる。投球の内転型アメリカンに近いだろう。肩を水平内転する中で内転トルクを使う。この建山が内転型で、ジョンソンは外転型(普通のアメリカン)。裏を返せば、内転型アメリカンも腸腰筋の収縮があるということで、腸腰筋がカギを握っている点は打撃も投球も同じなのだ。

肩甲下筋については、Jobeが指摘してから、その重要性は十分認識されている。それに対して、腸腰筋に対する認識は不十分なのではないか? 白人があまり使わないということもあるのだろう。


 サラリーマソさんは見かけないと言うが、腸腰筋による体幹の倒し込みはA-ロッド、M・ラミレス、プーホルスあたりに共通ではないだろうか? ご検討願いたい。もしそうだとすれば、ボティスタの打法と並んで、B型に長打力を付与する有効な方法だ。toredoさんがTwitterで、

・・・日米共通でステイバック思想は根強いですからねえ。メイズなんか通算660本の強打者という前提知識がなかったら、ド素人が腰砕けで打ってるようにしか見えませんよ


と書いたが、なるほどそうかもしれない。日本のトルク打法(王、山本、宇野ら)もやはり腸腰筋を使うから、ルースやディマジオのようなインパクトにはならない。これを村上豊は、「インパクトで『人』という字にならなければいけない」と、批判した。しかし、メイズ、アーロン、シュミット、王、A-ロッドと来れば、もういい加減に20世紀の夢物語から目覚めて、現実を見据えるべきなのだ。




2 コメント

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Unknown (神戸のサラリーマソ)
2011-10-19 20:45:52
腸腰筋による体幹の倒し込みはAロッド、、プーホルスは使ってるでしょうね。Mラミレスについては判別が難しいですが…
ただ、一昔前のEマレー、Cフィルダー、Gシェフィールドやホアン・ゴンザレス(フィルダー以外はⅠ型でしょう、フィルダー不明)のように顕著じゃなくコンパクト化してるみたいですね。

コンパクトで且つ腸腰筋の押し込みを使う…ある意味(アメリカ的な?)合理主義な気がしないでもない。

上のキューバの選手なんかは、Ⅱ型でありながら思いっきり体幹の倒し込みを使い、さらに90年代MLBで流行ったリニアック打法のようなフォロースルーをとっているせいか、A型とB型の中間のようにみえ、見慣れない感じがする。


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Unknown (マーリン)
2011-10-20 09:10:49
ラミレスも使っているでしょう。
http://www.geocities.jp/tokyomarlin/ramirez1.jpg

3人のバット軌道は違うけど、構えからして違いますからねぇ。3人とも変則(肩内転)のB型としていいでしょう。

なるほど、ゴンザレスはⅠ型か・・・。これまで気にも留めませんでした。カリブは基本Ⅱ型ですが、プエルトリコはアメリカ文化圏ですからねぇ。
フィルダーがⅠ型ってのは書いたような気が・・・?

アメリカ的合理主義というより、アフリカの遺伝子でしょう。
アメリカの指導者は右手を使うことにコンパクト性を求め、Ⅲ型を生み出したと思います。例えば、マーフィー
http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=13081183
それが結局B型の受容につながったと考えています。

よろしかったら、Twitterも覗いてみてください。@tokyomarlinでやってます。時々@toredo1492さんとその辺のやり取りがあります。
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