「メジャーの打法」~ブログ編

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トップハンドの使い方(3)

2011年04月03日 | 打法

 上腕三頭筋を使わない。

 ローズらの打法においては、

THで押すときに、上腕三頭筋は使わない

と考える。動画を真似ても想像がつくが、日本の打撃論(3)で引用した(ダウンスイングと考えられる)小池論文の被験者のトップハンドと動作が同じと考えるからだ。押していても、肘伸展トルクは屈曲値を示す。

 したがって、ボクシングのストレートのように腕が伸びきるまでバットを押し続けることができない。腰の回転を大胸筋、三角筋で腕に伝え、THで押し込んでいくあいだは力強いのだが、腰の回転が弱まり、グリップが体からはなれると押す力が弱まる。このとき手首が返る。そこで、小早川は、「手首を返さないで面で打つように心がけ」ろというわけだ。それが逆に腰の回転を要求し、力強いスイングになる。フォロースルーで手首はバットからエネルギーをもらって自然に返る。

 さらに・・・・・

 小池論文の選手Sのデータで、ヘッド加速時に掛けた両手トルクと逆のトルクをインパクト付近で掛けているのがわかる。インパクトまでトルクを掛け続けないどころか、逆に、ヘッドを減速するようなトルクをかけているのだ。実際、ヘッドスピード(バットの角速度の水平成分)はインパクト付近で落ちている。
 これについて著者は、

インパクト時に作用する大きな衝撃力に負けないように、相殺する力によって閉ループ系全体の剛性を上げることによりインパクト部のバットの換算質量(見かけの質量)を大きくできる可能性なども考えられる。
(閉ループ系とはバットと両腕の系)

としている。
 定かではないが、球をよりスピードのあるスイートスポットより外側で捕らえ、その衝撃をTHで受けるつもりなら、力をかける方向を、インパクト前に、逆にしなければならない。それが、逆回転トルクをもたらしているのではないか?


 



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