「メジャーの打法」~ブログ編

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トップハンドの使い方(1)

2011年03月30日 | 打法

 Ⅳ型からⅠ型へ。

 日本人の打法の多様性を見てきたので、ついでだから、トップハンド(以下TH)の使い方を再検討してみる。いろいろ誤解もあったようだ。

 Ⅳ型のロジャース・ホーンスビーを出発点としよう。タイ・カップもⅣ型だが、初期Ⅰ型の打者との連関はホーンスビーの方が見やすい。

 Ⅳ型はBHで引きつつウェイトシフトし、軸足伸展→THによる長軸方向の引きでバットにエネルギーを付与する。それが、例の『ウェイトシフト→腰回旋』という強力なエネルギー発生様式を搭載したⅠ型に取って代わられた。その結果、バットの加速を担うのはおもにBHとなり、THは脇役に回ることになる。第二次大戦前後のことだ。

これまでこのタイプの打法については、「バット加速への寄与はない」としてきたが、多少なりともあると思えてきた。加える力は、Ⅳ型同様、長軸方向グリップ向き。


 しかし、初期Ⅰ型のTH動作はホーンスビーのⅣ型を踏襲している。バイオメカニクス的には打ち型で、肩内転→肘伸展→手首掌屈と、時系列的に起こる。現在のⅡA型と同じだ。
 テッド・ウィリアムスのアニメーションを見ると、インパクト後に手首が掌屈していて、リストワークの力強さをうかがわせる。この現象は同じⅠ型のハンク・アーロンでも起こる。アーロンはリストヒッターと呼ばれた。さらにⅣ型のウィリー・メイズでも起こるが、これが「初期Ⅰ型とⅣ型はTH動作を共有する」証拠のひとつになるだろう。(メイズはⅣ型でも個性的だ。この手首の掌屈はホーンスビーには起こらないだろう)

景浦 将でわかるように、日本のⅣ型のTHは突き型で、グリップをスーッと前方に引き出している。
この動作は、日本においてもアメリカ同様、初期Ⅰ型の選手に受け継がれている。この動画で、藤村はⅣ型、別当、青田、小鶴、中西あたりはⅠ型だろう。

 



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