「メジャーの打法」~ブログ編

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『コリオリ』

2011年06月05日 | 投法

 例の、投球における肘伸展の話。

 『コリオリ』が騒ぎになったとき、どうでもいいとは思ったが、わけが解らないのが気になった。「肘伸展で前腕が遠ざかることによって受けるコリオリの力が肩外旋に働く」というのなら、解ったことにしただろう。

 その後、姫野龍太郎が「ジャイロ効果だ」と言っているのを何かの本で読んで、一応納得した。言うまでもなく、『コマの原理』のことで、ジャイロボールとは関係ない。右投手を例に取ると、

  • 体幹が鉛直軸周りに回転している
  • 肩内旋を起すと、反作用を受ける
  • ジャイロ効果で体軸が左傾する
  • 左傾が肘伸展に働く

ってことだろうと納得したのだった。
 前腕+球が体幹を右に傾けるように引っ張るのだから、投手はいくらか体軸を左傾させてそれに対処する。肩内旋のもたらす左傾の角加速はそれを助ける――ということなら、やはりどうでもいい話だ。

 ところが、『スポーツの達人になる方法』p116に、「ジャイロ現象は『右手の法則』が使える」とある。

 これに右投げ投手の動作を重ね合わせてみると、親指が体幹の回転、人差し指が内旋の反作用で、中指が体軸の回転になる。投球方向に対して右傾ではないか! 『コリオリ』という名のジャイロ効果が、肘伸展どころか、肘屈曲に働くとは・・・・・
 しかし、さっきとは逆で、前腕+球の運動による体軸の右傾に内旋のジャイロ効果による右傾が加わるに過ぎない。それに拮抗するように体幹を左傾する力を加えればいいだけのことだ。投手はみんなやっているし、ジャイロ効果の右傾への寄与もどうでもいいだろう。

 正直のところよくわからないので反論を期待するが、「どうでもよい」を覆すことにはならないと思う。むしろ、この体幹回転と肩内旋のダブルスピンは、ダルビッシュの言う、肩や肘によくないアメリカ式投法で、手塚一志がこれを推奨することは、彼のトレーナーという身分を考えれば、由々しきことだ。いずれその辺が問題になるのではないか?

因みに、野茂も黒田も左股関節屈曲から腕を振り下ろす風井の非連続型で、ダブルスピンを当てはめることはできない。ダルビッシュ、上原が、リリース期に、腕を縦に振っているのは見ればわかるだろう。

 

 



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