Twitterに、「C.J.ウィルソンは非連続型だろう」と書いたら、@toredoさんから、「アメリカンではないか?」との指摘があった。しかし、体幹を倒し込んでいるし、このように上肢帯(肩甲骨)の挙上があるから、やはり非連続型だろう。
アメリカンや連続型は体幹の横回転で肘を前方に引き出す投法だから、「体幹長軸回りの投球腕の慣性モーメントを最大」にするために、過度の引き上げは抑えられる(宮西2007)。一方、左股関節(右投手)を起点として体を倒し込んでいく非連続型は股関節に対して肘を遠くに保つ必要がある。
実際にどのような過程を辿るかというと・・・・・
- ステップ直前に左脚屈曲(股関節は屈曲・外転)を起すと、それが体幹の左屈→僧帽筋上部を含む背側筋群の収縮→肩外転・外旋(C.J.ウィルソンの写真はこの辺をとらえた)を引き起こす。
- 肩肘の引き上げで腹側の筋肉が引き伸ばされ、股関節屈曲・内転に始まる筋収縮を起こし、体幹を回転させつつ倒し込んでいく。
ここで、前段、後段ともに股関節屈曲トルクを使うのだが、それを担うのが前段では大腿直筋なのに対して、後段では腸腰筋だということは注目すべきだ。前回はこれに気付いて投稿したのだった。
背→腹の切り替えが動作を不連続にする。それで『非連続型』と名づけられた。アーム式には背側の動作がなく、いきなり腹側、つまり股関節屈曲・外転に始まる体幹の倒し込みを起すと、上が遅れて、トップが形成されるようだ(マダックス)。
この野茂の写真は『大リーグのテクニック』(BBマガジン社)から借りた。
高橋直樹の解説にはこうある。
⑦のトップの位置で一瞬止まる独特のリズムが、打者とのタイミングを外す絶妙の間を作っているのだ。
観察力はさすがだが、解釈は間違っている。この動作は非連続型に必須のもので、確かに野茂(1:40頃)は目立つが、前田にもあるのだ。
この引き上げ動作を活用する例を挙げると、