「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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軸回転打法

2009年10月12日 | 打法
 メカニズムを誤解していたことになる。

 これまでボンズをまねたときは、踏み出し足に体重が乗ることもあったが、終始軸足一本で動作を支えることができたし、からだの浮きも感じなかった。オースチン打法に出会うまで体幹の動作をおろそかにしていて、Tiltを強く正確にやらなかったからだ。それでよしとしたのは『軸回転打法』が頭にあったからだろうか?
この言葉はグリフィーが全盛の頃から使われだしたと記憶する。ウィリアムスらの旧来のローテイショナル打法と区別したかったのだろう。どちらも回転的だが見た目に少し違う。

 その原理について、「軸足に体重を乗せたまま、からだを回転する」ということが言われた。そのことが頭にあったわけだ。しかし今回の考察で、実はそれは間違いで、「グリフィーらはウェイトシフトを使っている」と知った。ウェイトシフトしつつ体幹を回旋するのはウィリアムスもグリフィーも同じなのだ。ではどこがちがうのか?

 決定的なちがいは「ボトムハンドで引くかトップハンドで引くか」で、これについてはHPで書いている。そして共通部分のウェイトシフトや体幹の回旋についても、腕の動作との整合性を持たせるために、動作に微妙なちがいがあることがわかった(B・ボンズ(3))。それがウィリアムスとグリフィーのちがいなのだ。

軸足一本は俗説で、専門家は藤田寛之のような腰の「ひねり」で打っていると考えたのではないか? しかし(当時はその認識はなかっただろうが)、グリフィーはトップハンドで「引い」ていて、それと腰の「ひねり」は相容れない。ウェイトシフトはあるが、ローテイショナル打法や藤田の打ち方のように、両足の地面反力を使って骨盤を回旋する局面はないのだ。



 王の一本足打法が話題になった頃に、「まさか軸足一本で打つわけじゃないだろ?」と言ったメジャーリーガーがいた。軸足一本は当時のアメリカ(および日本)の常識からすればありえなかった。しかし実は軸足に体重を乗せたままの打法もあったのだ。それが現在のアメリカ選手の多くが採用しているB型だ。

 ところが、A型にかわってB型が主流になった頃に、逆に『軸回転打法』の名前があまり聞かれなくなった。そもそもB型を念頭に置いた呼称ではなかったのだ。見た目がローテイショナルよりリニアの感じだからだろう。軸足で受けた地面反力を使ってバットを前方に送り出す(ガルシアパーラ)。

リニアとは言っても、グリップの突き出しは曲線的(curvilinear)だ。それをもたらすために、股関節は伸展・内転を使う。A型とも旧来のⅠ型ともちがうが、腰の「ひねり」とは共通。



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