ということで、『改訂版』(日本のゴルファー)より再掲します。話題を提供するという程度ですが・・・
『ゴルフ日米対抗』に参加したアメリカのプロが杉原についてこう言ったそうだ。「日本チームの中にアマチュアがひとり混じっている。」 それを聞いた杉原は「スイングのあいだ中、左肘が曲がっているからだろう」と述べた。かれは、アーノルド・パーマーも参加したその大会で個人優勝している。(「マムシ」と呼ばれた男)
確かにフォームは変わっている。しかし、腰・膝を曲げたウェイトシフトといい、勢いあるジャンプといい、現代PGA打法とメカニズムを共有しているのではないかと思わせる。タイガーの登場よりずっと前からあのフォームを作り上げていたのだから驚くが、残念ながら、日本でかれのスイングを継承するものは出てこなかった。かれの動作に注目、研究したアメリカ人が、現代のPGA打法を作り上げた――と考えるのは穿ちすぎだろう。しかし、王 貞治の同僚であったデーブ・ジョンソンは、メッツの監督となった折、ダリル・ストロベリーに一本足打法を教えた。そして、ストロベリーはMLBのホームラン王になった。その打撃技術は、今日に至るまで連綿と受け継がれている(と思いたい)。
(以下略)