「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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C・アトリー

2008年10月31日 | 打法

 WSはフィリーズの勝利に終わった。シルベスタスタスタローンも喜んでいるだろう。

 期間中打撃についていろいろ考え、得るところがあった。まず宿題だったアトリーについて・・・・・

 ポスト・シーズンに入る前に、このように書いた。

気になる打者はPHIのアトリー。ちょっと見ただけだが、言うなればAB型か? 肩は内転で、動作は同時という意味だ。


 しかし、やはり普通のA型でいいと思う。腕の使い方はコンパクトだが、肩内転と肘伸展には時間差がある、つまり打ち型だ。その方が身体構造的に自然だろう(内側側副靭帯に負担がかからない―といったこと)。

 動画を見ると、グリップがダウンワードに出てくるのがわかる。解説の伊東勤は「手首が立っている」と表現していた。ポイントはつかんでいる。アナウンサーが例によって「軽く打っているんですが・・・」などと言っていたが、まったくの見当違いではない。打ち型のエネルギー的特徴の一端をとらえている。A型のばあい、ヘッドが走ってインパクトを迎える時点では、体の動きが弱まっている。吉福によると、

  • 突き型(B型)は各部にスピードを与え続けながら腕(およびバット)を伸ばす
  • 打ち型(A型)は時系列の動作の中でスピードが手(バット・ヘッド)に集中する

となる。したがって、インパクト時点の全エネルギーはA型の方が少ない。アトリーの今年のホームラン数(33本)はV・ゲレーロ(27本)よりも多い。エネルギーはゲレーロの方が大きいのは見てのとおりだが、その差がヘッドスピードに反映しないのだ。

バットをダウンワードを振り出すのでパワーの発揮が見えにくい―という点はA-ロッドのところで書いた。
また、インパクトで多少ダウンワードになれば、打球の飛距離に関係するだろう。



 アトリーはR・ハワードと同じA型なのだ。今のMLBでA型が二人並んでいるのはめずらしい。フィリーズだけだろう。確かマリナーズで、R・イバニェス、R・セクソン、C・エバレットと三人並んだことがあったと記憶するが、今では考えられない。しかし、アトリーやハミルトン(TEX)の活躍でA型が再評価される日がくるかもしれない。数少ないA型打者が揃って中軸を打っているのだから、いい加減に気づいてもよさそうなものだ。
 
 ところで、ハワードもアトリーも打席に入る前に、バットを前方に振りだす(高目を打つ)しぐさをしている。ダウンワードに振り出す打ち方なので高目にバットが出にくいからだろう。しかし、もしコーチがB型一辺倒でA型に対する理解がなく、ダウンに振り出す動作を欠点だと思っているなら、論外だ。



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