快読日記

日々の読書記録

「加害者家族を支援する」阿部恭子

2021年03月04日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
2月14日(日)

「加害者家族を支援する」阿部恭子(岩波ブックレット)を読了。

犯罪被害者とその家族への支援が必要なのは当然ですが、
同様に相当な苦痛を強いられる加害者家族への支援はかなり遅れています。
彼らは自力で耐えるしかなかった。
世間への引け目があるため、まず助けを求めることもできません。
住処を移ったり、最悪の場合、自殺してしまうこともあります。
大きく報道される殺人事件はもとより、性犯罪件とか窃盗だって家族はひどく苦しめられる。

この本は、具体的なケースの紹介がなされたうえで、そこには我々がこういう支援をしました、という話になっていて、
ただ「加害者家族はこんなひどい目にあってますよ」で終わらせない、そのための支援の話がメインで、
本格的な加害者家族に対する支援がようやくスタートした、というかんじがしました。

驚いたのは、欧米では加害者家族は世間の同情や励ましの対象になるんだそうで、
犯人の親を引きずり出せ!とか言われちゃう日本はなんだかむごいですね。

なんでもかんでも外国が進んでいる、とは全く思わないけど、この件に関しては差がありすぎてちょっとショックです。