快読日記

日々の読書記録

「世間の寸法 四十八手」石倉三郎

2010年06月24日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《6/22読了 KKロングセラーズ 2008年刊 【日本のエッセイ 自叙伝】 いしくら・さぶろう(1946~)》

帯の「腹で生きずに、背で生きる」につられて買っちゃいました。

その人生哲学とか俳優になったいきさつとか、たしかに読ませる1冊です。
と同時に、なんだかこの世代がうらやましくも感じました。
敗戦直後に生まれ、貧しい少年期を過ごし、
自分の成長と日本の経済成長がみごとにシンクロし、
まともなことがまともに通用した時代に青年期を迎えて、正面から力を尽くすことができて、
ある程度の年齢になったときには、ある程度の地位を得ていて、
この調子だとなんだか晩年もいけそうです。

石倉三郎的渡世理論はかっこいいし理想的だけど、
今の自分はこういう本を読んでも「いい時代だったんだなあ」という感想しかでてこない。
どんな時代でも、どんな場所でも、自分次第なのにね。
何があったわけでもないのに、ちょっと弱気になっています。加齢のせいにしておきます。