快読日記

日々の読書記録

「なつかしい本の記憶 岩波少年文庫の50年」岩波書店編集部 編

2021年02月26日 | 総記・書評・人生訓・哲学・宗教など
2月10日(水)

「なつかしい本の記憶 岩波少年文庫の50年」岩波書店編集部 編(岩波書店 2000年)を読了。

岸田(衿子・今日子)姉妹、ぐりとぐらの中川姉妹、池内(紀・了)兄妹それぞれの対談がじんわりといいかんじでした。
自分は経験してるはずのない「あの頃」を、彼らと一緒に懐かしいと感じてしまう不思議。
そして、きょうだいで読書体験を共有できるってうらやましい。
わたしは絵本や児童文学のいわゆる王道を読んでこなかったので、いいなー!の連発でした。

井伏鱒二がドリトル先生シリーズの翻訳について語る項もすごくおもしろかったです。
つい「山椒魚」読み直してしまいました。

「ぐるぐる博物館」三浦しをん

2021年02月08日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月27日(水)

「ぐるぐる博物館」三浦しをん(実業之日本社 2020年)を読了。

見に行った博物館は約10箇所。
まず、そのチョイスがおもしろかったです。
ちょっとマイナーだったり、ニッチだったり、だからこその“熱い思い”が確実にあるところをしっかり選んでいる。
そして、筆者は聞き上手で説明上手。
反応や表現も各方面に配慮(たまに、そこまで気を遣わなくても…というところもある)して、おもしろさはキープしながら誠実な印象です。

そう言えば、この1年ほど「不要不急」って言葉をよく聞きますが、
これらの博物館はその代表みたいなもので、
そう考えると、
「不要不急」がたっぷり容認される社会や時代こそが“豊か”ってことなんですよね~。
とにかく、新型コロナおさまってほしい。

「アンソロジー カレーライス!!」

2021年02月08日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月26日(火)

「アンソロジー カレーライス!!」(PARCO出版)を読了。

同シリーズ「お弁当。」に比べたらあんまりおもしろくないのは、
「お弁当。」にはある“含羞”が、カレーライスにはないからかもしれません。

“自分の”カレーライスについて語るとき、みんな客観性を失ってる。

そこがまさに、カレーライスの恐ろしさ。要注意。

「辛酸なめ子の現代社会学」辛酸なめ子

2021年02月08日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
1月25日(月)

「辛酸なめ子の現代社会学」辛酸なめ子(幻冬舎文庫 2016年)を読了。

辛酸なめ子の文章には慣れているけど、漫画にはあまり免疫がないので新鮮でした。
蛭子さんの絵にも感じるような、気味悪さがいい。
この気味悪さは、世界への不信感とか悪意とかにつながっていると思われます。
そして、“現代日本社会”なるものに卑屈な視線(=そこに混ざれない私。)を送ってるかと思えば、せせら笑っている(=そこを超越してる私。)ようでもあって、クセになります。

「友達がいないということ」小谷野敦

2021年02月08日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月21日(木)

「友達がいないということ」小谷野敦(ちくまプリマー新書 2011年)を読了。

なぜだろう。
この本読みながらずーっと、終始、小谷野敦の言うことにほぼ共感しているのに、
読み終わると「なんかやだ」という印象に変わっているのが不思議です。

「みんなとちがっていいんだよ キミに届け!セミの法則」ROLLY

2021年02月08日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月13日(水)

「みんなとちがっていいんだよ キミに届け!セミの法則」ROLLY(株式会社PHP研究所 2011年)を読了。

特に、自らをマイノリティと認識するあたりがとても興味深く読めました。
小学校高学年から中高生くらいがターゲットの本みたいで、
たしかに、自分と他人を比べたり、劣等感に苛まれたりの悩み多き世代にオススメしたいです。
もっと読まれてもいい、何なら夏休みの課題図書にしてもいい。

でも、この本、本の作りからして弱い気がするんですよー。
なんでローリーのビジュアルを表紙に使わないんだろう。
せめて口絵でもいいから、たぶんローリー寺西を知らないだろう世代のみなさんに見ていただいて、手にとっていただきたい。
そうしてこそ「みんなとちがっていい」というメッセージは届くと思います。

「ひとりサイズで、気ままに暮らす」阿部絢子

2021年02月08日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月10日(日)

「ひとりサイズで、気ままに暮らす」阿部絢子(大和書房 2018年)を読了。

こういう、「女単身者の生き方」系の本は実に多いけど、
「家族を持ってすったもんだしながらワイワイ生きる」というタイプの本は少ない気がします。

たぶん需要がないんだろうと。

前者は本を読む人間、後者は読書必要ない人間だからかなあ。

どう考えても、本なんか読まない人の方が幸せってかんじがする……けど、気づかなかったことにしたいです。

「白蛇教異端審問」桐野夏生

2021年01月07日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月5日(火)

「白蛇教異端審問」桐野夏生(2005年 文藝春秋)を読了。

エッセイや掌編小説が収まるなかで、強烈なのが最後の「白蛇教異端審問」。

話の端緒は、「髭」を名乗る匿名書評や、関口苑生の文章(どちらも迂闊に書かれた人格批判で、なおかつ差別的)に対する反論ですが、
自らが信じるものを、自分自身の尊厳を、軽々しい言葉で傷つけられた人が、血みどろになりながら闘う姿に、読んでるこちらの胸が潰れそうになります。

この本が出てからもう15年経ちます。
その後いくつもの圧倒的傑作を残した桐野夏生について、彼らはどう考えているのか知りたい気もしますが、やっぱりどうでもいいかもしれないです。
勝敗は火を見るより明らかだから。

「人生は驚きに充ちている」中原昌也

2021年01月07日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
1月4日(月)

「人生は驚きに充ちている」中原昌也(新潮社 2020年)を読了。

例えば、なんだか面白そうな人だけど、同じクラスにいたら接点なさそうな人、というのがいて、わたしにとって中原昌也はまさにそういうタイプでした。

図書館でこの本借りたんですが(購入しなくてごめんなさい)、
まずは装丁がいいのにつられてパラパラめくってみたら、
“秋元康がもし東京オリンピック開会式の演出家に任命されたら最悪だ、阻止したい、という話”(もちろん野村萬斎に決まるずーっと前。別に秋元が候補に上がっているわけでもない段階で先回りして反対しているのもおもしろい)が目に入って、そこでの秋元批判に溜飲が下がる思いがしたから。

エッセイ以外にも、震災から2年めの被災地や、殺人事件の現場、ショッピングモールなどに出掛けていく話もあって、
全体的には、ピチピチとイキのいい文章を味わい、
“とにかくこの国はいやだ、腐ってる”みたいな嘆きや苛立ちに共感する、という読書でした。

2020年の快読日記

2021年01月03日 | 今年のベスト
1月3日(日)

2020年5月から12月までに読んだ本で特によかったものをまとめてみました。

フィクション

「告白」町田康

「タイガー理髪店心中」小暮夕紀子

「デンジャラス」桐野夏生

4「サキの忘れ物」津村記久子
5「見知らぬ乗客」パトリシア・ハイスミス
6「アンボス・ムンドス」桐野夏生
7「BUTTER」柚木麻子
8「感応連鎖」朝倉かすみ


ノンフィクション

「父・金正日と私 金正男独占告白」五味洋治

「追跡 金正男暗殺」乗京真知

「スピリチュアル系のトリセツ」辛酸なめ子

4「ふたりの山小屋だより」岸田衿子 岸田今日子
5「最後の講義 完全版」福岡伸一
6「怖い凡人」片田珠美

      

2020年は面白い小説にあたった年でした。
いや、もしかしたらキツめのノンフィクションを読む体力が足りなくて、
そういうのを避けていたのかもしれないです。

2021年もいい本にめぐり合えますように



「世界のニュースを日本人は何も知らない2」谷本真由美

2020年12月29日 | ノンフィクション・社会・事件・評伝
12月28日(月)

「世界のニュースを日本人は何も知らない2」谷本真由美(ワニブックスPLUS新書 2020年)を読了。

「満潮」朝倉かすみ

2020年12月29日 | 日本の小説
12月26日(土)

「満潮」朝倉かすみ(光文社文庫 2019年)を読了。

「そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか」能町みね子

2020年12月29日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
12月18日(金)

「そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか」能町みね子(文春文庫 2020年)を読了。

「最後の講義 完全版」福岡伸一

2020年12月29日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
12月14日(月)

「最後の講義 完全版」福岡伸一(主婦の友社 2020年)を読了。

「アンボス・ムンドス」桐野夏生

2020年12月29日 | 日本の小説
12月5日(土)

「アンボス・ムンドス」桐野夏生(文藝春秋 2005年)を読了。