しじまに聞いて

深い眠りに入った時の気分で。昼間の喧騒も懐かしく-。

夜が明けるまで~7

2011-06-29 01:02:15 | Weblog
深い深い夜。包み込む闇に親しみたくなるような安堵感が不思議。
明日と言う時を迎えたくない気分と何れ訪れる夜明けと。
錯綜する複雑な思い。
この時期、5時になるまでにそれら全てが灰燼と帰す。


未明に吐血。鮮血が口から鼻から吹き出してきた。
去年、家で大量の鼻血を出した事があるが、
そんなの比でない。
今まで経験したことの無い出血。
肺の入口にある気管支からだと医師は説明した。
止血剤を点滴で打つ処置をしてくれた。
でも、出血は収まらない。
-このままじゃー、体中の血液が無くなるよー。-
苦しむ母を前にうろたえ心の叫びも虚しい。
見る見るうちに吐き出す赤い泡が顔を覆っていく。
用意していたタオルでティッシュで
赤く汚れる母の顔を一日中拭いていた。

何度タオルを絞ったのか分からない。
ティッシュは3、4箱分くらい
大きなペールがいっぱいになった。

2本目の止血剤を打ってしばらくして
やっと少し沈静化したようだ。

腕に顔に赤いあざが目立ってきた。
血管がもう脆くなってきているようだ。



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