私は71歳であるが、全国を転勤するサラリーマンであった。会社の上司に言われた言葉がある。それは、“任地を愛せよ”という言葉である。この言葉の意味するところはいろいろとあるが、次のように考えている。
- その土地の歴史を知ること
- その土地を支えている産業を知ること
- その土地の人と人脈をつくること
狭い日本であるが、文化や風習にはその土地特有のものがあるので、それを知ることが大切であるということだろう。私は同じ都市に、3回も赴任した経験がある。おかげで“灯台もと暗し”と言われるように、その土地の誰よりもたくさんいろいろなことを知っているかも知れない。そして、多くの人との人脈を作ってきた。おかげで、その人たちと今でも交流がある。
大切なことは、どんな土地にも住み続けていかなければならない地元の人がおり、その土地に対してプライドや愛着を持っているということだろう。歴史や産業を知るためには、その赴任地に必ずある博物館などをお勧めしたい。
私が3回も赴任した都市とは、釧路市である。釧路は冬が暖かいが、夏は半そでのシャツを着たことがないほど寒かったが、今は最高気温が30度以上にもなるそうである。
ここにも地球温暖化の現象が見られている。30年前、水揚げ日本一を連続11年間も誇っていた釧路であるが、庶民の魚であるサンマをはじめとして、魚がまったく来なくなってから久しい。私が釧路にいた時、サンマ一匹が20円であったことを懐かしく思い出している。
また、飲み屋街にはキャバレー”銀の目”や“ホンコン”があったが、今は炉端やスナックなどの飲み屋自体が少なくなっている。人口が20万人以上あった釧路であるが、15万人台になろうとしている。ただ、地球温暖化で北極海航路が出来れば、ヨーロッパに行くための燃料費が安くなるので、日本の物流基地として変貌を遂げる話もある。
「十勝の活性化を考える会」会員
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