自然豊かで農業や観光が地域を支えている十勝は、北海道の中でも札幌圏に次いで人口減少率が少ないところである。これからは地方の時代になる可能性があり、我々はどのような “未来社会”を望むのか、一人一人が考える時期にきているのではないだろうか・・・・。
札幌と十勝・帯広の50年後の“二道都体制”を、野村総合研究所の未来創発センター室長の斉藤義明氏が、地元新聞に投稿していた。
『十勝には開拓者の血が流れ、独立心のある人が多いと感じる。道内の他都市のような「支店」経済にはない、地域資源を使って自分で仕事を作っていく独自のスタイルを持っている。
全国有数の晴天率という環境のせいか、ポジティブで快活な人が多い。日高山脈が壁になる、札幌に影響されにくい経済圏、大規模農業を土台に経済も安定し、中心街は他都市と比べて元気。人口減による暗さを十勝には感じない。(後略)』
全国各地に住んだ者として感じるのであるが、日本の食糧基地として、また“フードバレーとかち”と言われるだけあって農作物は、寒暖の差があり糖分が高く美味しいのである。
十勝の食糧自給率は1,300%あるが、日本の食糧自給率は40%弱で、日露戦争で活躍した乃木希典将軍が言っていたように「国富在農」であるから、日本はもっと農業を大切にしなければいけないと思っている。
ところで、世界で2千万部が売れてベストセラーになっている著書『サピエンス全史』を書いたハラリ氏は、人間は個人主義化し“戦争と競争の時代”に突入し、10年後の世界は予想できないと語っていた。
また、未来学者 エイミー・ウェブ氏が、コロナ後の社会について、社会が急速に変わっていく時、「目の前の小さな兆しをキャッチし、5年後・10年後の未来を予測することが出来る」とも言っていた。
道東唯一のデパート“藤丸”が来年1月末で閉店するそうであるが、デパートの閉店は全国的な傾向で十勝に限ったことではない。未来学者によれば、5年後・10年後の未来を予測できると言っていたが、デパートの閉店により、中心市街地は寂れていくということだろうか・・・。
未来社会がどんなものになるか見当もつかないが、将来的に日本は人口の急減で貧民国家になることは事実だし、国力が弱くなって国の財政悪化も避けられないだろう。
それでは、どうすべきか。戦後間もなくの日本がそうであったように、耐えることだろう。なお、賞味期限を考慮して食べることができる食品をいとも簡単に捨てる国はあまりない。
「十勝の活性化を考える会」会員
注) 十勝はこんなところです。
十勝は、北海道を14に分けた行政区画である振興局の一つで、北海道の東部に位置し、1市16町2村から構成される地域です。 十勝の開拓は、明治16年(1883年)に「晩成社(明治15年1月、現在の静岡県松崎町で結成)」一行27人が、下帯広村に入植したことによりはじまりました。
その後、寒冷な気象条件にありながらも、広大で恵まれた土地資源、年間2,000時間を越える日照、良質な水資源等、豊かな自然環境の中で、農業・林業・水産業といった1次産業を柱に地域が発展してきました。 (出典:十勝観光連盟ホームページより)