スタグフレーションという言葉をご存じだろうか。スタグフレーションとは、不景気にもかかわらず物価上昇が続く状態のことを言う。現在の日本経済のことである。
この状態が長く続くと、財政赤字を穴埋めする目的で金利上げ政策がとられ、景気悪化を招くという悪循環に陥りやすく、国債が暴落する恐れがある。日本はいま超インフレに陥っており、10月の入ってからの物価の値上げが、約6千項目に及ぶという。
国際通貨基金(IMF)は今月(10月)、世界経済見通しの悪化を警告した。IMFによれば、今年度の世界経済のGDPは昨年度よりマイナス予想となり、世界の景気悪化が懸念されている。日本にも様々な影響がでるのは必至で、新型コロナ禍を機に、全ての価値観が変わるかもしれない。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の景気減速等によって、不況に陥る可能性を示しているのだ。
最新の世界経済見通しでIMFは、来年、世界の約3分の1の国の経済が縮小する恐れがあると予想している。そして、アメリカとヨーロッパ(EU)、中国などは、失速するとの見方を示している。
IMFは、来年の世界成長率予想を2.7%とし、7月時点の2.9%や1月時点の3.8%から下方修正している。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めの影響は世界的に波及するとし、新興国通貨に対するドルの上昇は、インフレの進行や債務への圧力につながると予想した。
一方、財務省は2022年度末の国債残高の普通国債残高は、累増の一途をたどり1,026兆円に上ると発表した。国民1人当たり、約840万円になる。財政の持続可能性を見る上では、国の経済規模(GDP)に対して、総額でどのぐらいの借金をしているかが重要である。日本の債務残高はGDPの2倍を超えており、主要先進国の中で最も高い水準にある。
国が巨額の債務を抱えるということは、将来世代への負担を意味し、膨張し続ける社会保障費の抑制など、財政改革が待ったなしの課題となっている。膨れ上がる国債残高をみて、スタグフレーションや将来的に新円切り替えがあるのではないかと危惧している。
ただ、これには多くの問題があり、まじめにコツコツと一生懸命に働いてきた人が損をするというモラルハザードにならないかと心配している。それにもましてグローバル経済であるので、世界経済が大変になることが必至だと思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員