100年に一度の“新型コロナ禍”と言われるので、人類は未来に向けて変わらなければならない。ただ、周りを見渡すとあまり変わっていないように思われる。
世界経済を一変させた今回のコロナ禍、9月29日付けのニュースによると、世界の感染者数は3千万人を超え、死亡者数は100万人に達したことを報じていた。
コロナ禍については議論沸騰し早期の終息が待たれるが、人類が歩んできた過去を思い返らせたのは事実で、もう元には戻らないということも確かだろう。
昨年まで見られた外国人観光客が来なくなり、地元経済も停滞しているが、大切なことは、これを機会に“ピンチをチャンスに変えること”である。どのようなチャンスに変えるかは、人類に与えられた課題であると思う。
私のコロナ禍に対する自論を述べたい。人間が、資源の有効活用の観点から生活向上、“利潤”を追い求めてきたのは間違いではなかったが、大切なものを置き去りにしてきたのではないだろうか。
すなわち、人類は“知足”を忘れていたのではないだろうか。昔の人はたびたび、“腹八分”と言ったが、現在は環境問題、貧困格差、様々な分断等々の弊害が生じているのも事実である。
競争社会であるグローバル資本主義が、経済を支えていたのは間違いないが、人間の欲望は旺盛で、際限ない欲望を少し抑えることも必要だろう。ただ、この欲望(効用)は、すべて自らが作ったものだけでなく、コマーシャルや他人との比較などで作られたものもある。
経済学者サミュエルソンが「効用の理論」で言っているように、効用には作られたものもあるということである。ただし、一度も着ずにタンスの中にありゴミとして捨てられる衣類であっても、それを製造した従業員の給料の一部にはなっているのは確かである。
また、フランスの経済学者 ダニエル・コーエン氏は、次のようにも言っていた。「デジタル化は、資本主義経済を救うかもしれないが、一方でGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のIT企業群に見られるように、雇用効果が少なく新たな競争社会を作るかもしれない」と。
ところで、18世紀後半以降の産業革命はイギリスではじまり、人類にモノの豊かさをもたらしたが、それと並行して心の豊かさを人類にもたらしたのかは甚だ疑問である。
人類の文明は文字が作られ文化も発展してきたが、現代文明はむしろ、退歩したように感ずるのは自分だけであろうか。人類にとって本当の豊かさとは何であろうかとつくづく思う・・・・・。
「十勝の活性化を考える会」会長」
注) 効用
消費者が財・サービスを購入して得られる満足感を「効用」といいます。 この消費者の行動目標は、一定の「予算制約」のもとで、「効用の最大化」をはかることです。 財の消費量と効用の関係を表す関数を「効用関数」といいます。 横軸に財の消費量、縦軸に効用をとって、両者の関係を示したグラフを「効用曲線」といいます。
(出典:yahoo検索より)