情けはひとのためならず

今日は悪天候だったので、自転車はだせずバス通勤。
５時半に退社し、５時４０分のバスにいつも乗って帰る。
だが、今日のような雨の日は必ずといって遅れ運行になっているので、まぁ大丈夫だろうと５時２９分にかかった電話をとったがために乗り遅れてしまった。
一番くやしい目の前を通り過ぎていったパターンである。
次のバスまでは３０分ほど。
待っている間に、歩いて帰れるかもしれない。
今日はおやつに節子さん（同僚）が持ってきた大きな栗饅頭を食べたこともあるし、ウォーキングはシェイプアップに効果的である、というのもネットのお友だちの日記で読んでちょっと試してみたくなった。
５分ほど歩いたところで落し物を発見。
携帯電話である。
信号を渡ったところなので、場合によってはコーナーを曲がる車に轢かれてしまうかもしれないな、と思いながらも急いでいるので知らん顔して通り過ぎようとした。
が。
その場所から３０メートルほど行ったところに交番があることを思い出し、また、自分が粗相の多い人間であることも思い出して、「お互い様だよね」と踵を返して拾いに戻った。
ちょうど信号が赤だったので、メインストリートには多くの車が停車している。
こういうとき、自分が悪いことをしているわけでもないのに、誰かに見られていて咎められるようで、なんだか居住まいが悪い。
別にやましいところはないのだが、がしっとは握らず親指と人差し指でつまみあげ、そのままの状態で交番まで持っていった。
交番で調書をとられ、
「持ち主が見つからなかった場合、この拾得物をもらいうけますか？」と聞かれ
「いりません。」と即座に答えた。誰が使っていたのかもわからない携帯なんてとんでもない。
「持ち主が出てきた場合、あなたの連絡先を教えてもいいですか？」と聞かれ
これまた「NO」と答えた。
こんなご時世、そうそう住所を誰かれなく知ってもらいたくない、という気持ちが働いたから。
そんなやりとりのあと、釈放されて交番をあとにした。
家までの道を歩きながら、色々考えをめぐらす。
ノー携帯族の私なので、よくは知らないがあれは５０６iモードとかいうタイプだったと思う。
カラーは白。ストラップも何もついていなかったことを考えれば、あの持ち主はおそらく男性。それも中年以上だと思う。
これが小説やマンガなら、拾ったことが出会いとなり新しい恋が芽生えるとか、反対に何らかの犯罪に巻き込まれていく、とかいくつかのパターンが構築できるな、と想像してみたりする。
私自身、携帯の使い方など良く知らないので、拾ってまっすぐ警察に届け出たものの、警察に届ける前に、登録されている誰かに連絡して、ここの交番に届けますからとその持ち主に伝えてあげてください、と言っておいたほうがよかったかしら？と思ったり。
ま、そんなことは警察がやってくれるだろうけど。

こんなちょっとしたことで私のようなそそっかしいひとが、ひとり助かればいいじゃないの。
情けはひとのためならず、なんだから。