ときの備忘録

美貌録、としたいところだがあまりに顰蹙をかいそうなので、物忘れがひどくなってきた現状にあわせてこのタイトル。

終焉

2004-10-31 | 砂時計
舅が78年の人生の幕を閉じた。 覚悟はしてはいたものの、やはり肉親である夫の動揺は隠せなかった。 涙を見せたわけではないが、姑からかかってきた電話に絶句し、受話器を置いた後、やみくもにタバコを吸っていた。 実家までの3時間近くの道のりを運転する夫の胸に去来したものがどんなものであったのかはわからない。 口では強がって 「俺の中で、親父のことはこの前連れて帰ったときに終わってる。しゃーないことや。誰 . . . 本文を読む

あたたかな食べ物

2004-10-26 | 砂時計
また、大きな災害がおきた。 米どころ新潟で起きた惨事なのに、避難している方々に配られるおにぎりはたったの一個だったりするそうだ。なんという皮肉なのだろう。 弱り目に祟り目、と言うように追い討ちをかけるがごとく被災地に降る冷たい雨。 お腹でもあたたかければ力も湧いてくる、というようなものだろうが、お腹が空いた状態では気持ちも萎えてしまうことだろう。 今回被災地の報道をみると、やはり思い出されるのは . . . 本文を読む

橋の向こうには

2004-10-24 | 砂時計
舅の最後の帰宅が終わった。 前回、連れて帰った時より、さらに病状は悪化しており、喋るのもようようできる、そんな状態での帰宅だった。 姑は、最後まで連れて帰ることを渋っていた。 が、夫がこれが最後の帰宅になることが本人にもわかっているから、帰りたがっているのだ、と私達夫婦が全面的にバックアップすることを約束して踏み切った帰宅だった。 身体はぼろぼろになってはいても、頭だけはまだはっきりとしており、家 . . . 本文を読む

嘘のような、ほんとの話。

2004-10-22 | 砂時計
世の中には、嘘のような本当のはなしというものがある。 私の知人に、去年の夏から、今年の早春にかけて親類で3つの葬儀を出した人がいる。 親類で3つの葬儀、といってもたいして珍しいことではないのだが、その人の場合は少し事情が違っている。 どういうことかといえば、その人の夫を含む、3人の兄弟が半年の間に相次いで亡くなってしまったのである。 長男と次男は病死、三男はその家族とともに交通事故でなくなってし . . . 本文を読む

報道についてのこと

2004-10-21 | 砂時計
今回の台風は、今年になって最大の被害を日本各地にもたらした。 今年は、台風が来るたびにワーストレコードを塗り替えている。 よくいわれることなのだが、ああいった風水害の報道に、意味もなくキャスターや記者が高波が打ち寄せる岸壁に立って中継する。いかに、風が凄いか、ということを伝えたいのであろうが、身の危険をおかしてまでの報道というのはどうかと思う。 だが、反対に。 昨日、会社では朝からずっとNHKを . . . 本文を読む